おやおや、梅雨明けしないうちに7月も終わりますね。コロナ禍での本格的な暑さがやって来ます。頑張りましょう
過日、ブルース・リー生誕80周年記念の特別上映で「ドラゴンへの道」を見に行って、その後に色々と関連事項をネットで検索していましたら、面白いことがいくつも出てきてね。いやぁ、すごいね。ブルースのファン。特に私と同世代と思われる諸先輩方の調査には頭が下がります。多くを語ろうとすると膨大な時間と文字数が必要とされるので、ここでは私自身が「?」と思っていたLP盤の中でも不思議な一枚をサクサクっと。
サントラ盤やカバー盤、便乗盤など数多く発売されたブルース関連のレコードの中で、不思議な一枚がこちら
「ブルース・リー賛歌~ドラゴンへの道より/ナレーション・風間健」(1975年・TAMレコード)
風間健氏は空手や少林寺拳法を修行したのちに、キックボクシンングにおいてはミドル級チャンピオンとなり、その後「ドラゴンを消せ!」「ムサシ香港に現る」などでアクション俳優としても活躍した方です。生前のブルースにも会ったとかで、そういった流れから「ブルース・リー賛歌」レコーディングの話が来たのでしょう
基本的には「ドラゴンへの道」のサントラを収録しつつ、スタンリー・マックスフィールド・オーケストラなる楽団によってカバーされた曲をも収録。その合間にガッツ石松を連想させるハスキーな声で「貴様が作った一本の道。強ければ強いほど孤独な道」「すい星のように現れた貴様」といった内容の風間氏によるナレーション。 企画ものレコードとしてはあるある的な内容構成です。「貴様」という言葉は元々は目上に対して尊敬の思いを込めている呼称だけども、ただまぁ、現代ではどうしても見下した意味合いが強いからなぁ。ちょいと違和感を感じます。
収録曲の「ビッグガイ」「闘いのテーマ」「愛のテーマ」。スタンリー・マックスフィールド・オーケストラによる演奏なのですが、拝読した諸先輩方のネットレポートなどによりますと、日本の作曲家である渡辺岳夫が作曲しているらしいとのことですが、その名はどこにも記載されていません。渡辺岳夫はドラマやアニメの劇伴をたくさん手掛けているのですが、天地茂の「非常のライセンス」に「ビッグガイ」が使われているのを検証しているYouTubeもあります。「闘いのテーマ」はアニメ「新巨人の星2」で使われているようですし、「愛のテーマ」もしかり・・・のようです。
ついでにいうと、映画の内容とは全く関係ないであろう、フランクシナトラの「マイウェイ」も収録されています。ブルースの好きな曲だったとのことですが・・・あ。マイウェイ=我が行く道=ドラゴンへの道ってことなのかぁ?
一方で、前述の「ビッグガイ」はサントラ盤にも映画にも出てくるのですが、JAMES PETER&LINDA WONGによる「DRAGON MOUNTAIN」なるアルバムにある曲なんですね。という事は無断流用!? JAMES PETER&LINDA WONGが何者なのかはわかりませんが、YouTubeで聞く限り「ドラ道」にかかるその曲と同一であり、しかもなぜかアルバムには「怒りの鉄拳」のラブシーンの曲と共にブルースとノラ・ミャオが演じる主人公2人の声までもが収録されています。なんだぁ???
なんか・・・入り組んでるなぁ(汗) 入り組んでいると言えば、元々ブルースの「危機一髪」「怒りの鉄拳」は日本公開時の配給会社は東宝(「燃えよドラゴン」はアメリカのワーナーブラザース製作なので別の配給)。だからサントラも系列のTAMレコードから発売されていました。でも「ドラ道」の配給会社は東映なんですね。だから「ドラ道」のサントラや、上述のサントラをも収録した「ブルース・リー賛歌」は東映系のレコード会社(存在していたかどうかはわかりませんが)から発売されてもおかしくない訳ですが・・・東宝系のTAMレコード。水面下で色々複雑なことがあったのでしょうね。
もう一枚。風間健氏がブルース・リーブームに便乗して発売したのが、シングル盤「フォーエバー!ブルース・リー」しかもレコード会社はこれまたTAM。まぁ、「ブルース・リー賛歌」でナレーションを務めているわけですから当然でしょう。「燃えたぁ~ 燃えたぁ~ 燃えたぁ~」「フォーエバー フォーエバー ブルース・リー~」と弾けてます。ジャケットにあるサインは風間氏の物です。私が横浜の一座にいた頃、舞台を見に来てくださったときに頂いたものです。
さて、問題はそのB面(笑)
サインの下に「片面はあなたがブルース・リーと共に歌うためのレコードです」「ブルース・リーの絶叫入りカラオケ/ドラゴンへの道」とあります もうびっくりですよね(笑)
簡単に言えば主題歌のインストルメンタルです。そこにブルースの雄たけびが入っている上に、ジャケット裏には主題歌の英文歌詞がありますので”共に歌う”になるわけですね。しかもサントラと同じような音源なのですが、諸先輩のレポートによりますと、このレコードだけでしか聞けないサウンドだそうです。レア物なんですねぇ
しかし、こんなので歌うヤツなんかいるわけねぇだろ・・・いました。ここに。ってか、この記事をアップする直前に、レコードをかけて歌いました。令和の現代で57歳が歌いました
2010年。風間氏にご招待いただいたパーティーでパチリ