浅草の木材バカ四代

東京下町・浅草の材木屋。四代目社長日記

理系のための値決め入門

2013-06-24 00:00:00 | 木の話題
木材の値段の決まり方は大きく分けて四つあります。

1:品質(樹種・径級・長級)
2:希少性(供給量・需要量)
3:国策(規制・関税)
4:為替(通貨・原油)

木の種類によって、あるいは樹齢、性質によって値段は変わります。
希少価値の高いものは高くなります。
山元からの出荷量が少なければ、需要に対して供給が少ないことになるので高くなります。
外材については各国の政策や為替の影響があります。
近年、違法伐採の取り締まりがきちんとできるようになってきたり、国内での雇用促進や付加価値をつけるために現地に工場を作り、丸太の輸出を規制したり、関税を高くしたりしてきています。
中国や中東の消費量が多いので、価格がどんどん上がっています。
品質にうるさく、扱う量も少なくなっている日本は買い負けていますね。
円安傾向ですと当然高くなりますし、船で運ぶので原油高の影響も受けます。
最後に、販売店の利益が加わるのは当然です。
会社の販売管理費等によって損益分岐点がありますので、何パーセントの利益をいただくかはその会社次第。
なかには客寄せのために安い価格にし、赤字でも売れるような体力のある会社もありますが。。。

いずれにしても付けた値段がマーケットのお客様に受け入れられるかどうか、ドキドキします。
上記のように木材の値段は常に変化していますが、お客様への販売価格はしょっちゅう変えることはできません。
安定供給と安定品質と安定価格、これが私どもの最低限の使命です。
そして「どっちも良し」といえるような関係を作りたいと思っています。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする