25時間目  日々を哲学する

著者 本木周一 小説、詩、音楽 映画、ドラマ、経済、日々を哲学する

Paypay

2018年12月12日 | 社会・経済・政治
ソフトバンクが行う「Paypay」 のあらましをテレビのモーニングショーでやっていた。ソフトバンクだから必ずYahoo と連動している。ぼくはほとんどYahoo を使わないので、昔勝手がわからないまま、ID登録をした。今はIDは一本化しているが、Yahoo だけが違っている。認証の仕方など指紋にした覚えはないのだが、「指紋で認証が必要」と出てくる。
 こういうときに「ITトラブルサービス」があればよいのにと思う。ぼくはこれまでのIDとパスワードをやめ、指紋認証をやめて、新たに登録したい。

 中国では電子マニーが急速に都市部で普及してきて、ホームレスでさえ、キャッシュレスかーどなり、スマホのアプリなどに登録しないとやっていけないという。
 ぼくはこれから中国に行くことが多くなるかもしれないので、ちょっと気がかりになったが、考えてみればプリペイドカードが空港かどこかにあるだろうと思い、また中国の空港でかスマホに登録してチャージするサービスくらいはやっていることだろうと思う。常識的にはそうなる。でないと中国は観光客やビジネス客を排除することになる。

 普通、仮に百五銀行の通帳から他の銀行の口座に振り込みをしたとすると、取引はいかにも百五から他の銀行にお金が渡ったかのような印象を受けるが、それな日銀内での数字の移動があるだけである。日銀にお金がたまりすぎると世にお金が回らないので、マイナス金利を導入してでも、日銀にお金を置いておくと金利を逆にもらうよ、と日銀側は言うようになった。だがそうなっても銀行に資金の使い道はなく、特に地方の銀行は青息吐息である。

 スーパーのイオンに行っても、キャッシュレスを勧めている。イオンカードで支払えばポイントが多くつく日があったり、特別なサービスがある時もある。ワオンカードというのもある。これは現金をチャージするものだ。客を囲い込むのによい方法でもある。現実に老人がサイフを出し始めて支払いをしているのを待っていると、カードなら三倍、四倍速いだろうとは思う。ここでチャージされたお金も日銀に行く、決してイオンの金庫に行くわけではない。日銀に集まったお金は国債を買って、利息で還元したり、自社で様々な金融商品を買う。すると、お金のやりくりのしかたで儲けるというわけだ。労せずして儲けるとまでは言わないが、金融商品を買うということや為替差益で儲けるということは「労せず」に値するとぼくは思っている。物体である現金のやりとりをなるべくなくしていき、数字のやりとりだけにする。これがキャッシュレス社会である。

 労働する者がいて、経営する者がいる。経営する者は銀行までも作って(自由化したから)、金融商品で儲ける。イオンはスーパーの業績よりも今やイオン銀行の業績の方がいいのだが、二つは密接につながっている。資本主義が最も高度なところまできている。これは高度というよりはすでに限界にまで来ていると言っていいのかもしれない。
 日本では株価が下がると政権が不人気になるので、日銀や年金機構が民間の株を株式市場で買い、暴落するのを防いでいる。ユニクロの大株主は日銀である。
 マルクスが理論で示した資本主義の社会の次の段階は社会主義であり、共産主義はその次の段階であると言ったことが現実化している。
 富めるものは労せずしてさらに富み、貧するものは給料が上がらない。
 ロシアのようなまだ農奴制が強かった時代の国に社会主義革命が起こったのは「機が熟していないままの無理ある革命」であったとぼくは思う。共産主義という言葉も汚名がついてしまっている。
 社会は静かに社会主義化していくのか、騒がしく変革していくのかわからないが、日本だけは昔から社会主義国だったのに、自分たちは自由主義国だと言っている民族も珍しいと言えば珍しい。フランスではて貧する者がデモをして立ち上がり、一部が暴徒化している。アメリカでは若者の間で社会民主主義的な政策を求める者が多かった先の選挙では多かった。