25時間目  日々を哲学する

著者 本木周一 小説、詩、音楽 映画、ドラマ、経済、日々を哲学する

アウラ 国分拓

2018年12月21日 | テレビ
 ネアンデルタール人が絶滅したときに、最後の人が必ずやいた。NHKスペシャルで国分拓ディレクターを務めた「アウラ」を見た。ブラジルのアマゾンの奥地に文明と未接触の原住民は「イゾラド」と呼ばれる。多くの原住民集団が絶滅していった。ポルトガル人たちが入り込んできては病原菌を持ち込み、耐性のないイゾラドは絶滅していった。文明人と接すると病気になることを知ったブラジル政府は慎重にも慎重に接し、現在では保護区として従来からの生活を保障して原住民の保護に努めている。

 その昔、アマゾンに入り込んだのはキリスト教の布教者である。とくに福音派やイエズス会は半端じゃない。原始キリスト教の使徒さながらに、過酷な布教を行うのである。全部成功するわけではないが、聖職者の次にはだいたいが軍隊がやってきて、つぎにはガリンペイロ(金などを求めて開拓に入ってくるもの)が銃を持って入ってくる。

 そんなアマゾンの奥地で二人のイゾラドが発見されたのは確か1987年だった。この二人が話す言葉は他の原住民も理解できなかった。彼らは文明人に怯えた。その後、言語学者が三十年に渡って調査に入ったのだが、それでも言語の全容はわからず、どうして二人だけになってしまったのか、何が彼らの村に起こったのか、正確にはわからないが、ちょっとづつ単語の意味がわかってきて、その単語によって想像することが可能な段階に入ってきた。火、大きい、音、空・・・・・・。2015年、相棒のアウレが死んだ。片脚の不自由なアウラが今も生き残っている。言語学者がちょっとわかる程度で、他の職員はわからない。アウラは一方的に何かにつけてを話すがわからない。
 
 彼がいた集団があったはずだ。その集団には独特の言語があった。三十年前の二人はすっぽんぽんの裸であった。三十年後も文明に溶け込もうとしない。小さい頃弓矢を作る役割を与えられていたようで、まだ大型の動物を狩る技術は教えてもらっていなかったようだ。ある時、村で何事かが起こり、幼い二人は運良く災難を免れたのだろう。それから移動しつつアマゾンの恵みを受けて生き延びてきた。
 アウレが死にアウラもそれほど長く生きられないだろう。最後の一人である。

 アマゾンに入り込み、一攫千金を夢見る荒くれたち。荒くれが集まる村ができると、バーができる。女もやってくる。これはオレの土地だと、ここで金を採れば、3割与える。米と豆、道具も与えるものがでてくる。
 国分拓はガリンペイロをも取材した。「ノモレ」という本もだし、イゾラドを画像で追うばかりでなく、文にもしている。やはり「ヤノマミ」とともに暮らして取材する勇気には根性というものを感じる。彼はアマゾンの歴史と現在を先住民を軸に取材している稀有なディレクターである。
 

あほらしく興ざめするので

2018年12月21日 | テレビ
ホリエモン、千葉なんとか、あと一人何某がホンダのジェット機を共同購入したというニュースを見た。この購入者のコメントがいかにもあほらしい。「北海道でロッケットの仕事して、そこから沖縄でゴルフ」とか「ちょっと飲茶を台北まで食べにいくなんていいでしょ」とか言っていた。
 だめだコリャ。確かに空は陸よりも何十倍も空いている。百人買える人がいれば百人の人が買えばいい。ただそれだけだ。それがなんぼのものか。
 宇宙旅行をする、とゾゾタウンの何某も言っていたが、そういうお金があるなら、もっと有効な活用法があるとは思う。

 日本は基本的に借金生活で、借金のお金がまわってやり繰りしている国なのである。だから水道メンテナンスもできないのである。家で言えば銀行から金借りて、贅沢しているようなものだ。いずれ返済しなければならない時が来る。高橋洋一などは日本には国の資産がいっぱいあるから大丈夫なんだ、とかテレビで言い、司会者の東野何某などはその奇妙な論理につっこめないから、どうにもならない。そしたら国債発行をしないで、資産を売って予算たてればいいじゃないか。

 ここまで言ってしまったらこの文も、興ざめもいいところなので、話題を変えて、楽しいことを書きたい。まず「からすみ」、ボラの卵をなんどもなんども日光を見ては裏返し、丁寧につくりあげる。からすみを六本ほどもらった。これは嬉しかった。細君の弟からマグロを大量に送ってもらい、続いて「洋ナシ」「ぽんかん」「りんご」「干し柿」セットをいただいた。どれも去年美味しかったので、とても嬉しかった。ぼくは息子の奥さんの家に「殻付き牡蠣」を送った。早速返事があり、牡蠣は美味しかったと。それに「万葉私底本」が八年かかって完成したという知らせと、源氏物語も7巡目に入っているとのことだった。
 楽しみなのだろう。コツコツとそうやってやっている人もいる。
 ささやかに、イオンでの最近の出来事と言えば、「山崎ウィスキーと知多」がセットになって歳末のみ限定売り出しをしている。もうひとつは「響と知多」のセット。テイスターグラス付きである。この前のお盆の時期はイオン尾鷲店への割り当ては山崎2本、響き2本だった。今年はセット販売という手で来たのである。ところが驚くほど安い。ネットでは山崎は10年物でもプレミアがついて、現在8000円から9000円台である。響はそれよりも千円ほどネットでは安い。ところが「山崎+知多セット」は8800円。「響き+知多」は9800円。不思議な値段設定だが、イオンとの取引はそうなっているのだろう。いつも思うことだが、イオンは酒類が他店と比べて安い。知多も美味しいウィスキーである。年末、正月はからすみもあることだし、殻付き牡蠣でも買って、ウィスキーでも飲むかあ、と思っている。台北の飲茶より、こっちの方がずっと美味しい。