エピローグ

終楽日に向かう日々を、新鮮な感動と限りない憧憬をもって綴る
四季それぞれの徒然の記。

新緑へ!

2010年05月05日 | 旅行
新緑からのエールを浴びた。
豊かな森にはオゾンが溢れ、血肉を洗い流してくれた。



ムスカリの色や形に充実感がある。




           新緑へ   


        木の芽時の緑を
        いつの頃からか
        人は
        新緑とか
        その色を
        萌葱色とか
        賛美する美しき習いが
        常となった
        花を愛で
        緑を恋しがる
        そして
        人は狂おしく立ち居振る舞う

        新緑が小さき命に
        啄まれるとき

        山や
        林や
        森や
        やがてその滴るような静寂(しじま)の懐で
        沈黙が産まれた

        沈黙の奥深くで
        人は蘇生するという神話が産まれ
        沈黙の奥深くで
        森羅万象は輪廻転生を繰り返しつつ劣化するという
        古典的美意識が先祖返りする

        啄木鳥や郭公が滞った闇を切り裂くとき
        ようようとして
        光が満ちてくる
        不如帰が闇を切り裂くとき
        人は目覚めの喜びを知る

        新しき緑の濃淡すら
        人は伺いしれないと
        知れ






もうお見せした森である。
新緑に心打たれた愚人の呟(つぶや)きである。







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                     荒野人