雲・・・流るるままに

雲が流れると形而上の思いに捉われてしまうのである。





　　　　　　　　　雲・・・流るるままに


　　　　　　雲は
　　　　　　春の封印から解かれたのだろうか
　　　　　　奔放に空で弾けている
　　　　　　まもなく彼らは高く飛翔していき
　　　　　　成層圏の彼方へと散じていく
　　　　　　酸素の帯が豊かな生命力を育むように
　　　　　　雲は
　　　　　　空に微生物の生きる場所を拡大させていくのだ
　　　　　　雲は流るるままに時間と空間を切り裂く
　　　　　　切り裂いた隙間から過去を見せ
　　　　　　未来を覗かせる
　　　　　　雲は
　　　　　　時空の旅人の羅針盤となって
　　　　　　全存在を包み隠すのだ
　　　　　　時空の旅人は過去と未来を行き来して
　　　　　　雲を吐き続け
　　　　　　呼気で空をデザインする神へと昇華する
　　　　　　雲は
　　　　　　人知れず落涙しているのだ
　　　　　　それが雨となって人々とあらゆる生命体を濡らす
　　　　　　吹きわたる風を作り雨を揺らすのだ

　　　　　　雲は
　　　　　　我が雲は
　　　　　　あなたであって他の誰でもない
　　　　　　改めて指でなぞるように示そう
　　　　　　雲はあなたである





春の雲にしては意匠が過ぎるではないか。
もう少しシンプルにして高い空で遊弋（ゆうよく）してほしいのである。

家電の大手量販店の屋上駐車場でとらえた空と雲である。



これは季節の狭間（はざま）で出現する雲のようだ。
こうした空と雲、ぼくは嫌いではないのである。





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ジャスミンの香り

ジャスミンの香りが追いかけてくる。
そんな体験があるのではないだろうか。

「あっ、ジャスミンの花・・・！」
と心で思い、通り過ぎた後に香りが追ってくるのである。



生垣に絡みつくように咲いている。
白いけなげな花である。

花言葉は、愛の通夜・愛らしさ・官能的・優美・清純・喜び・素直・気立ての良さ、である。



少し刺激的であり、くせのある香りである。
何か、心くすぐられるようであって「官能的」とはまさにその通りである。

夜、暗闇で香っているジャスミンは妖しい。

　　　　　　　モクセイ科　ソケイ属　常緑つる性低木
　　　　　　　原産地　中国

である。




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