=118 ~木の因数分解~(家具工房つなぎブログ)

南房総でサクラの家具を作っています。ショールーム&カフェに遊びにおいでください。

作業日報 「環境(条件)に左右される生き物」

2010年01月27日 | 【授業】伊那技術専門校木工科
(隙間に木粉とお米を練ったものを埋め込むため、その隙間の周りをマスキングしています。お恥ずかしくもあまりに隙間が多いので、マスキングが大変でした)


■2010/1/27

Ⅵ 加工

・抽斗の前板の仕上げ削り 2h
・背板の調整と穴あけ 2h
・隙間埋め 2h

計6h

私の箪笥は前面が平面になるタイプで、「面(つら)」と呼ばれます。
見た目はシンプルで好きなのですが、
少しでも出っ張ったところがあると一目でわかってしまうので、作るほうは手が抜けません。

手で触るとわずかに出っ張っているのがわかるところを、
「もうこんなもんでいいだろ」
と思うことも度々なのですが、
「いや、これはもう少しやらないと」
という気持ちの葛藤でした。

今回はどうにか納得のいく仕上げにできたのですが、
これは一重に「面」だったからだと思います。
誰が見ても、平面でないとすぐばれてしまう。
そんな形状だからこそ、「もう少しやろう」という気持ちになれたのでした。
もしも、
他の形状の箪笥だったら、そこまでシビアにはわかりづらいので、
「このへんで」
ということになっていた可能性は高いです。

人は誰も与えられた環境や条件に左右されやすいので、
高みを目指すためには、
常にそうした厳しい環境や条件に身を置くか、
自らのなかに確固たるものさしを持ち続けられるようにしたいものです。

※背板の調整ですが、かなりの幅を斜めに削らなければいけないとき、毛引きで目安の線を引くとわかりやすいです。その際、毛引きは本体にかけて線を引くとその形に沿った斜めの線を引くことができます。
(K2先生)

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