ソロツーリストの旅ログ

あるいはライダーへのアンチテーゼ

振り返ってみるとオートバイがいちばん好きだった

クセもの「ミシュラン ロードクラシック」を手懐けるための一計を案ずる

2024年07月13日 | R100Trad (1990) クロ介


オートバイは基本的には雪や氷の路面はむずかしいので

冬には走りに行く場所が限られてしまっていて

なんとなく「オフシーズン」みたいな感じになるけど

逆に夏は夏で、どこへだって行けるんだけど

日中は暑くてとてもじゃないけど長い距離は遠慮したいね

アタマをすっぽりヘルメットで包み

足には革の分厚いブーツとくれば

狂気の沙汰にも見える

剥き出しのエンジンやマフラーからは容赦なく熱が襲い

水冷オートバイなんてことになると

渋滞で嵌まっている時にかぎって冷却ファンが止まらない

股間をマジで火傷することがある

走っていられれば良いのだけれどね

およそ市街地を炎天下に走ることは避けたい



けれど見方を変えれば

夏の暑い時期に太陽に焙られながら

オートバイで走るのも実はそう悪くない

(でた!アマノジャック!)

走り出した瞬間の涼しさは格別で

「ああ、夏だ」

と実感させてくれるし

夏の暑さは冬の寒さと一緒で

厳しければ厳しいほど楽しい

実際、ヘルメットの中を伝い落ちる汗に思わず笑ってしまうなんてこともある

やれ水分補給だ、やれこまめな休憩だ

ヤイのヤイのうるさい昨今だけど

これくらいの暑さを乗り切れるくらいの体力と健康は持っていたい

良く食べ、良く汗をかき、よく眠る

これは良い生き方、良い人生にもつながる

「異常気象」とか云ってないで健常者なら普通に乗り切れ

ましてやこんな夏にオートバイで走り回りたいならなおさらだ

ライダーは身体が資本

このあいだ北海道へ行ったとき

フェリーで乗り合わせたライダーはご多聞に漏れず

ほぼ中高年だったんだけど

長年乗り続けた彼らの年季の入った相棒といい、その無駄のない立ち回りと云い

みなベテランの雰囲気が好ましかった

そしてやはり一様に大柄でがっしりとした身体つきをしているように見えたが

これこそが長くオートバイに親しむための資質なのだと改めて感じた

ロートルライダーたちがライディングの腕を磨きながら

老いていく身体のケアにも努力しているとはよく聞く話だ

燃料、荷物を含めて250㎏超の車体を

坂や段差にも対処しながら押し引き出来る筋力は必須だし

一日中炎天下や風雨の中を走り切る体力気力もいる



クロ介(BMW R100)

ジェネレーターのコイルが死んで交換した

修理に出す間にタイヤの交換もしてもらった

ミシュランのバイアスタイヤ ロードクラシック

現在のタイヤの選択肢は基本的にはこいつかブリジストンのBT46の2択

ミシュランは今回2回目だ

少し操縦感にクセのあるタイヤで気に入っている



口コミなんかを見るとファーストインプレッションで

切り返しや起すのが重いとか

セルフステアが強いといった

おそらくネガティブな感想が多い

たしかにいつもどおりコーナーに入ろうとすると

身体が反応しないうちにフロントが切れてそのまま切れ込もうとする動きを感じる

またその動きに身体を追従させると今度はそのあとにリアが妙な動きをする

する、というか感覚的に受け入れがたい挙動に感じるみたいだ

けれど、もしそう感じるならフロントの動きを少しだけ弱めて

リアが旋回するリズムにフロントを追随させると

目からウロコの旋回を見せてくれると思う(RSC=リアステアクラブ員なもんですから)

フロントの動きをコントロールする(ステアトルク制御)というと難しく聞こえるけど

これは感覚的にできる動きなので

無意識ではなくそれを意識的にやる気になることが大切だ

(実際は意識するだけで特に何もしなくても、そうなってくれることが多い)

旋回のはなしがしたいけど、ちょっとここで飛行機のはなし


(自衛隊HPから画像拝借)

旋回する飛行機が空中でバンクしているのを見たことがあると思うが

体重移動でバンクしてるわけでなく(当たり前)

エルロンという補助翼を使ってバンク(ロール)させている

ラダー(方向舵)を操作するだけだとヨー方向に機体をよじるけどほとんど曲がらないが

機体を進みたい方向へバンクさせながらラダーを切ると滑らかに旋回していく

パイロットは横滑り計(ボール)をみて(ベテランは感覚的に分かるけど)

バンクと旋回の効率を最適化(バランス)させている(実際にはエレベーターも使う)

すなわち飛行機の旋回はロール、ヨー、ピッチすべてを同時にコントロールすることで成立しているのだ。



バンクするだけ、舵を切るだけ、では旋回しない

そうオートバイと同じだ

オートバイもバンクだけでは旋回できず舵角が必要

さらには遠心力の反力であるグリップ力(内向力)なんてものもある

しかもセルフステアとバンク角がリニアにリンクしているわけではなく

ともすると寝かせれば効率が上がると思いがちだがそれがそうでもない

やはりスピードとバンクと舵角の関係は複雑なのだ

だからバンクさせ遠心力につり合い舵角をつけて旋回する一連の動きは

すべてがほぼ同時に進行していく

どこでバンクを止めどこから旋回を強め、とコマ送りのようには進まない

けれど人間のセンサーは案外正確で

効率の良い旋回は気持ちいいと感じられるような気がする

そしてそれを繰り返すことでこの複雑な力学を無意識に操れるようになる



舵が切れる力(セルフステア)を舵を保持すること(保舵)でコントロールする

その動きはそのままリーンアングルをコントロールすることになる

カウンターステアとか逆操舵とかいう怖ろしい言葉とやっていることは同じだけれど

リーンアングルを作るための体重移動と保舵はみな無意識にやっていることだ

けれど路外逸脱や正面衝突の事故の記事を目にするたびに

ただ何となく曲がれているライダーが多いのかも、とも思ってしまう

前にも書いたけどライディングテクニックの記事の用語はかなり危うい

「加重」なのか「荷重」なのか「反力」なのか

感覚を言葉にする難しさが未消化のまま

プロライダーの肩書でそれらしい造語を使われると

それだけでその意味不明な用語がまかり通ってしまうように見える

「イン側のステップに荷重をかける」

これ、意味わかります?

もっとひどいのだと「イン側のステップを踏む」って書いてある

ステップを踏んずける?

どこを支点にして踏むの?

椅子に座った状態で言葉のとおり試してみればわかるけど

右足で床を踏むと左の尻が硬直する(左足が浮くかも)

この時右足に掛けた力と左の尻にかかった力は釣り合っているはずだ

これでは体重移動にならない

だから「イン側のステップに荷重をかける」では伝わらない人がいるってことだ

まともな人ほど頭の中が「?」でいっぱいになる

(イン側ステップへ荷重するのはないと思うけど、基本ぶらんぶらんでしょ)

「タンクに当たった外側の膝を内へ押し込むように荷重する」

これも一緒だ

そもそもやり方が分からない

片側だけニーグリップを強めるのと何が違うのか?

コーナリング中に外側の膝に力を入れてタンクを押している人がいると思う

膝を内側に閉めると爪先が外にけられるから

そうね、これもプラマイゼロで荷重はのらない

(でも深いバンク角ならここへの荷重は実はかなり強い)

そもそも「荷重」って何?

構造物にかかる力(重さ)のことだ

だから荷重は間違ってない

ただ「加重」はちょっと違うかも



とにかくコーナリングはすべてが同時進行する

同時進行だけど進入と旋回では明確に異なる

ツインリンクもてぎのダウンヒルストレートから90°コーナーを見ていると

フルブレーキングからコーナーに向けて進入する動作から

ある一点で急にバンク角を深めグリっと向きを変えるのがわかる

セルフステアを殺しながらコーナー深く進入し

一気に保舵を緩めて(0ではない)セルフステアを優位にして旋回力を強める

ここがまさに向き変えポイントになる

 

なんかロードクラシックの性格を説明したかっただけなのに

メンドクサイ話になってしまったな

ロードクラシックのやや強いセルフステアを活かすには

コーナー進入での保舵(ステアトルク制御)を少し意識的に強め

いつもより少し奥へ向き変えポイントを設定してはどうか

そうすれば旋回ポイントでそれを一気に解き放った時

持ち味の鋭い旋回力を活かせませんか?という提案だ

スーッと弧を描くようにフロントが意外な速さで回り込んでくる感覚は快感を伴い

リアタイヤと車体の動きにリンクした効率の良い旋回を生んでくれる

これをわかってもらいたいな、と思っただけなんだけどね

とにかくクイックな向き変えばかりを意識していると

ついそのタイミングが早くなりがちだ(インに付くのが早すぎる)と思う

このロードクラシックのセルフステアが強いのは事実なので

それをしっかり活かす組み立てで走れば

BT46なんて味も素っ気もないと感じると思うけどなー



レクティファイヤーかローターコイルなのか、はたまたステーターか、いやワンチャン球切れもあり?

2024年06月30日 | R100Trad (1990) クロ介


雨の季節に入ったようだね

田んぼの稲たちもこれまでは疎らで頼りない葉を風に揺らしていたが

ここに来てずいぶん株がしっかりとしてきたように見える

ねむの木に鮮やかな桃色の花が咲き

夏の野草も次々と花をつけている



路傍にこんなでかい実をつける木を発見

なんだと思う?

これ、クルミだってさ

硬いタネは馴染みがあるけどこいつは知らなかった

それにしても梅雨とはいえ

オートバイで走ると風の涼しさが際立って

さわやかな心地がする夏の入口

列島に横たわる梅雨前線の位置を見れば

いまの空気が爽やかなのかジメジメモワーんなのかすぐにわかる

そう、今日は前線の北側にいるんだね

雨の合間を縫って

少しでも走っておこうと

天気が回復すればすぐに山へ向かうのだが

もちろん雨のすぐ後は実はあまり楽しくはない

山陰(やまかげ)や森の中は路面が乾ききらず

落ちた枯れ枝や流れ出た土砂で気をつかう

山水(やまみず)が洗い越す場所も多くて

すね辺りがびしょ濡れなんて目にも合う

第一、 オートバイが泥でキチャなくなるじゃん



今日は久しぶりにクロ介(BMW R100)

20日ぶり

最近SRに乗ることが多くて

下半身がSRに馴染んでしまっているらしいのか

走り初めに一体感を試すコーナーでさすがに違和感を感じた

いま履いているミシュランのロードクラシック

少しクセがある

腕と上半身、それと下半身の動きが

ロードクラシックの接地点の移動のスピード(速い)に合っていないと

カラダがオートバイを異常と感じて

アタマが「?」てことになる

それに加えて路面状況が悪いとくれば

なかなかブランクを埋めることが出来ず

家に戻るころにやっとアジャストできたかな、なんて感じだ



それと今日はもう一つ心配な症状が出た

ひとつ峠を越えた先の直線路で

電圧計の針が11.0Vを指していることに気付いた

うん?と思いライトを消してみたが11.5Vくらいにしかならない

4速に入れて回転が3000rpmに落ちた時

チャージランプがうっすらと点灯しているのを見つけた

「レクティファイヤーだな」

おそらくしっかり充電されておらずほぼバッテリーだけで走っている

ここから家まで40km弱

ぜんぜん行ける距離

クロ介の発電ユニットは発電量を制限するレギュレーターと

発電流を整流するレクティファイヤー(ダイオードボード)が別になっている

レクティファイヤーはエンジンケースの中に置かれているが

熱に弱いレギュレーターは別にしたかったんじゃあないのかな

どのみち素人の推察に過ぎないのでどうでも良いことだけど

で、そのレクティファイヤーも定番トラブルのひとつ

レクティファイヤー自体よりそれを固定するためのステーが問題

電装パーツなのでやはり振動や熱は大敵

あのエンジンケースの中では条件は最悪かとも思うが

R90リリース時に増える振動の対策として

BMWがステーをゴム脚に変更した

これが多分失敗

失敗ではないか

いずれにしてもゴムなので30年を超えて耐えられる訳がない

劣化してくると振動で折れ(ちぎれる)

そして脚が折れて倒れたボードからリークしたりショートしたりして

レクティファイヤーが壊れる(ダイオードが死ぬ)



けれどそんな症状もその後すぐに何事もなく元に戻った

何やねん?

で、翌日テックMCに相談に向かったらまた壊れた

今度はイグニッションONでチャージランプが付かない

こうなればワンチャン(?)球切れの可能性も出てきたが

ローターコイルの断線なんて最悪もある

このローターコイルの断線は意外と定番トラブル

実はボク、この充電系のパーツはほぼ中古品を持っている

ローター、ステーターコイル

ブラシとバネもまだまだ使える

レクティファイヤー、レギュレーター

もちろんチャージランプの球は予備がある(意外にレアなワット数3Wジャスト)

だから球はすぐに試したんだけど

残念ながらダメだった

まあローターかなー?

ということでクロ介はしばらく入院になりそうだ

手持ちの部品と一緒に預けてきた



でいつも仕事の速いテックMC

結果もう帰ってきたクロ介

次の日には原因もわかって修理完了連絡

果たしてローターコイルの断線による発電不能だった

手持ちの中古部品で修理できたので工賃だけで助かった

でもついでにタイヤ交換もお願いしといたので

そっちが悲鳴の金額

タイヤ

ヤバいくらい値上がりしている

そして新品になってタイヤのプロファイルもしっかりデフォルトになった

ミシュラン ロードクラシック

やっぱり最初は手強い

すごくリーンしたがるし、その割に起き上ってこない

でも起き上がってこない(重い)と云うのは実は感覚的なことで

アクション(ハンドルやステップへの作用)を与えれば即座に素早く反応してくれる

SR400みたいに車体が反応してない重さとは質が違う

因みにSR400でリーンの深いコーナーから

すぐに逆方向の深いコーナーに切り返すような場合

最初のコーナーを捨てて切り返しからの次のコーナーに照準を合わせるべきだね

1個目の進入で遅くなって後ろから突かれても

素早く切り返して逆方向の2個目で強く加速脱出する方が楽しいし

その方がSRらしい

ああ、どうでもいいか

とにかく、しっくりこない感じがさらに強まったことは確か

タイヤの慣らしも含めてじっくりまた乗り込むしかないな



暗く湿ったフェリーの船倉で待つアイツを思うと少し気が晴れた 北海道のこと その4

2024年06月15日 | SR400(2019)


本州に住む者にとって

北海道とその他の地との決定的な違いはここだ

自宅の前の道路にオートバイを出して

いつもの路地を抜け、幹線の国道へ出る

そのまま野を越え山を越え

いつかの街を行き過ぎて

海を越える大きな橋を渡ったり

まだ見ぬ地につながる道路を走り抜け

そしてもうここより先に道はないと辿り着いた先に

ぽかりと浮かぶ海の向こうの大きな島



ツーリングをしていると

ずいぶん遠くまで来ちまった、と感慨に耽る時があるが

それは家の前からこんなところまで「道」はつながっているのだ

という事への感慨でもある

そして最果ての岬の先に浮かぶあの大地へは

その「道」はなんと繋がらないのだ

北海道とそれ以外の地の決定的な違い

それは「道が繋がっているのか、いないのか」だ





北海道が島ならば船に乗り込む必要がある

北海道を目指す長距離フェリーの航路にはいくつかあるが

愛知に住むボクには名古屋港から出る太平洋フェリーが馴染みだ

全長が200mもある巨大な船

4層の船倉の上に4つのデッキがある

家から名古屋港のフェリーターミナルまでは約50kmで1時間強

ごみごみした名古屋へのアプローチと工業地帯の通過で案外疲弊する

しかもフェリーへの積み込みの都合で出航時刻90分前の集合が課せられている

ここからすでに「待ち」の過剰債務だ

乗船手続きが午後5時前に終わるとすると

苫小牧港で下船するまであと42時間もある

今回は午後6時過ぎの乗船だったので

外界とシャットアウトされた「禁固41時間」の刑だ

なにを大袈裟な、と思うだろうが

翌朝、房総半島沖を航行するフェリーから太平洋を眺めてみればわかる

海以外のものは何も見えず、視界にはただ水平線だけが左右に広がる世界

この海の向こうは「アメリカ」なのだよ

身体の奥深くから湧き上がる正体不明の恐怖

「広場恐怖症」というこころの病があるそうだが

そうでなくても自分が置かれている状況の怖ろしさに不安になるだろう

左舷を見ればかろうじて陸地が見られる

けれど2kmはあるかな、あの岸まで

ボクには絶対泳ぎ切れない



かく云うもののこんな巨大フェリーの船長は実は相当信頼できる

海技士1級免許を持つ者しか船長にはなれない

パイロットもそうだけど、こんな危うい乗り物を

信頼に足る乗り物にしているのは彼らのおかげだ

だからもちろんフェリーは心配ではない

問題はあまりに暇すぎて心に変調をきたす程だという事

ボクは気にならないけどモバイルの電波もあまりつながらない

(携帯電話の頃よりはずいぶん改善されたけどね)

それにエンジンなのかスクリュ―なのか

ずーっと小刻みに縦揺れがある

それは乗り物だから当たり前なんだけど

電車やバスと違って2日間ブッとおしの振動

これ案外慣れない

あと、立つとよくわかるけどやっぱり長い周期の揺れが絶えず来る

印象では房総沖がいちばん揺れる

潮目の関係ではないかしら(知らんけど)

とにかく閉じ込められ逃げ場を失いながら

延々と縦揺れをかまされるとやっぱりメンタルの弱いボクは

得体のしれない強迫観念に襲われて

落ち着かなく不安定な感情に陥ってしまう

北海道への着岸が待ち遠しいというより

どうしてわざわざこんな目にあいながら北海道へ行くのか

もう自分でもわからなくなってしまうのだ



けれど気分転換に大浴場へ行ってみたら本当に気分がすっきりし

食堂でバイキングを楽しみながらビールを空けると元気になった

まー所詮その程度の落ち込みだ

そうして我慢に我慢を重ね

延々と時間を浪費すること41時間

薄暗い船倉のかなたにぽっかり開いたゲートから

本当に「空っぽ」な気持ちで北海道の大地へと

オートバイを走り出させる

「ただいま、待たせたな北海道、約束どおりまた来たぜ」とつぶやく

そして5分後には支笏湖へ続く樹海の中の真っすぐな道にいるのだ

芽吹いたばかりの新緑の木々

少し冷たく感じる空気と青い空

「ああ、やっぱり北海道は特別だな」と

その時唐突にそして改めて感じるのだ



答えになっていない?

そうだね、ぜんぜん意味が分からない

道が繋がっておらず

フェリーに40時間も揺られて廃人同然となって送り込まれる大きな島

でもこれ以外に北海道がその他の場所とは違う特別さは思いつかない

だって、これってやっぱり特別じゃない?

フェリーの中でぼんやり音楽を聴いたり本を読んだり

ご飯を食べ、酒を飲み、寝台でテレビを眺め

そんなさなか、ふと暗く湿った船倉で

同じように時を待つ相棒のこと(オートバイね)を考える

起きてるかな?それともずーっとウトウトしていやがるのかな?

大きな荷物を積んだまま置いてきたから身体が痺れたとか文句云うかな?

こんなオートバイとの濃密な時間は北海道ツーリングならではと思うけどな



もう北海道へ行くこともないだろうと走り始めたが

やはり機会があればもう1回は行きたい

まだ道南が走れていないのと能取岬へ行けなかった(コンディション最悪のため)ので

少し心残りがある

機会があれば、なんて云ってる年齢ではないか

うん、なんとかしてここ数年内には計画しよう

北海道は楽しかった



北海道と名付けられ150余年、けれどその遥か昔からそこに在ったと自然はボクに迫ってくる 北海道のこと その3

2024年06月10日 | SR400(2019)


羊蹄山(蝦夷富士)

元は後方羊蹄山と書いてシリベシヤマと呼ばれていた

あの美しい山容を眺めながら

「で?どこが羊の蹄?」

「前方の羊蹄山はどれ?」

とアタマを傾けたり写真をひっくり返したりして

心当たりを得ようとするが実際見当もつかないだろう

それは全くのお門違いだからだ

今とは正確な地域は異なっているのかもしれないが

元は日本書紀に記述のある「後方羊蹄」の地名に由来している

田畑の畔によく見るギシギシのむかしの云い方が「シ(之)」というそうだが

そのギシギシの漢名(漢方薬名)を「羊蹄」と表すことから

「後方=シリベ」「羊蹄=シ」と宛てた

シリベシの地にある山ということから

「後方羊蹄山」と書いて「シリベシヤマ」と読んだ

(因みに現在シリベシは「後志」と表記される)

その後昭和の中ごろに地元の人たちからの要望があって

すでに云い慣らされていた訓読みの羊蹄山(ようていざん)へとすっきり名前を変えた



手前に少し低いが同じく美しい山容の「尻別岳」がある

アイヌの人たちは尻別岳を雄岳、後方羊蹄山を雌岳と対にして信仰していた

雌岳の方が高くて立派だな、ということに違和感をもった人は

武家社会の慣習がしみついた人だ

元来自然信仰の日本では命を生み出す女性の方が遥かに畏敬される

日本の神様の最高峰は天照大神

女性の神様だ

アイヌの人たちも同じような思考の民族だったのだろう



美笛峠を下り国道276号線を喜茂別へ進むと

正面に不意に羊蹄山が現れてハッとする

そしてその視界の左に尻別岳

富士山に代表される美しい三角形の火山を以前はコニーデ型と云ったが

日本にはこの種の火山が多いことから同じコニーデ型の火山を

「〇〇富士」と呼んで地元に親しまれてきた

この羊蹄山も「蝦夷富士」と呼ばれている

北海道にはその他にも利尻富士がある



東北の岩木山(津軽富士)

関東の榛名山(榛名富士)

山陰の大山(伯耆富士)

四国の飯野山(讃岐富士)

そして九州の開聞岳(薩摩富士)

日本各地でどれもみな素晴らしい郷土富士を実際に見てきたけれど

羊蹄山の美しさは群を抜いている、とボクは感じる



ニセコへ向かいながらどんどん近づく羊蹄山にますます心が躍る

この日は山に一片の雲もかからず感謝したくなるようなコンディション

北海道初日だったけどもうこれが見られれば今回の北海道ツーリングは

大成功だったなと感じる程だった

言葉にするととても陳腐なんだけど

何度も羊蹄山に向かって

「あーりーがーとーうー!」

と叫んだのだよ

この天邪鬼のひねくれ者がね

自分でもびっくりするくらいね



まぁいいさ



雪が積もった美幌峠を寒さと恐怖の中恐る恐る越え

弟子屈の神ドラッグ「ツルハ」で「桐灰カイロ マグマ」を買った

(この時期北海道といえどもコンビニにはカイロはないらしい)

ツルハ「神」ドラッグストアさまには棚2枚にかろうじてカイロが残る

しかも桐灰のマグマ

店内ですぐに高温注意のマグマを7枚貼った



因みに屈斜路湖川湯のこの日の9時の気温は5.3℃

風は北北西から4.9m(湖畔は倍くらいだったけどね)

自販機にはすでにホットの設定が無いところが多く

持って行ったポットに熱いコーヒーを調達しながら走っていた

けれどさすがに「マグマ」

その後はポカポカとは云わないが寒さは感じることが無くなった



開陽台を出てすぐに一時的に雨に降られる

止む気配が無いのでカッパ装着

さすがにフリースインナーにマグマ7枚張り、ウルトラライトダウンベスト

ナイロンジャケットからのカッパ

これは暖かかった



野付半島の付け根から道道950号線へ入るころには

雨もすっかり上がって日も差していたが

風が強くまだ寒そうだったのでカッパのまま走った

野付半島は根室海峡から続く野付水道に頼りなく突き出した砂嘴で

厳密にいえば半島ではない

砂が堆積してできた洲が長く連なっている

ほぼ真っ平で砂嘴が狭い場所では視界の左右に海が見えるほど細い

この現実離れした景色こそここ野付半島の魅力だ

砂嘴の付け根から道道950号線が先端の野付灯台まで伸びる

その長さおよそ18km

右手の野付湾にはいくつも短い砂嘴が伸びて

時折大きなミズナラの林も見られる



しかしそのほとんどは海水によって浸食され立ち枯れ

荒涼とした風景を見せる

以前は枯れ朽ちたトドマツの根が水辺に散見されたようだが

道路から見る限りではそれらはもうほとんどが朽ち果て消えてしまっている




道は先端でどん詰まりなのでそのまま国道へ引き返す

根室水道の向こうには国後島の山並みがはっきり見える

その左手は知床半島

まだ雪をかぶる羅臼岳が良く見えた

オートバイを停めて草むらにカッパのまま座って眺めるが

ふと気づくと多くのシカがすぐそばで草を食んでいた

中に立派なツノを持つ雄もいる



シカの群れ、漁に使うカラフルな浮子、そして国後と知床

羊蹄山の景色に劣らぬ忘れられない情景だった



今回のツーリングを計画するとき

羊蹄山とニセコ連山を巡る道道66号線

そして巨大な砂嘴に伸びる道道950線がとにかく目的だった

この2箇所は西と東に直線距離で400km離れていて

いくら日程が5日あるとはいえかなり行程に制限が出てしまった

けれどどちらも天候には恵まれ(気温は内地で云えば冬並みだったが)

良いも悪いも成功も失敗もないのだろうが

満足度はかなり高いものとなった



そこでまた例の問いだが

だから北海道を走ることがボクにとって特別なのか

いや、やはりこれも違う気がする

羊蹄山もニセコも

野付半島も

特別ではない

実はこう書き進めるうちに自分の中で答えのようなモノが見えてきた

次回はその辺りについて書いてみたい



と云うことでもう少しお付き合いいただきます、北海道

わざわざ40時間もフェリーに揺られて着いた彼の地にボクは何を見たのだろうか 北海道のこと その2

2024年06月05日 | SR400(2019)


どんな走り方が好きなのか、と問われれば

ただただ黙々と距離を稼ぐような走り方だろうか

若いころから健診結果の数字が悪くて医者からあれはダメこれは控えて

と云われるうちにすっかり食べることに興味を失い

いまでは土地の名物もインスタの映え飯にもちっとも食指が動かない

美しい景色とかすごい景色とかの類いも

片っ端から名所を回るうちにすぐにトキメかなくなっていった



だからボクにとってツーリングは普段の散歩走りとあまり変わりがない

けれど散歩していてもとても楽しく満足できるので

本当は遠くまで行ったり泊りがけで走ったりしなくても

いいと云えばいい



なのに北海道を走ることは特別だと感じるのだ

それを説明しようと自分自身の頭の中を分析してみたけど

どうにも答えらしいものは見つからない

見つからないのに特別だという感覚は

いったい何に、はたまた何処に、起因しているのだろうか



ツーリングに出た時、必ず決めているのは

旨いものを喰う事でも道の駅に寄る事でもなく

または温泉につかったり城を巡ったりすることでもない

ただ1日1回はオートバイを降りてのんびりすることだ

単にそれだけ

場所は・・・どこでもいいだろう

時間もいつだっていい

ただ心に響いた時と場所で、ただただオートバイを停める

もちろん逆に名所だからとか観光スポットだからと云って

わざわざ避けたりすることもない

富士山の見られる海岸だって停めてぼんやりすることはある



この写真の場所は浦幌町の道道1038号線

後で地図で見たが「オタフンベ海岸」という浜らしい

オートバイを停めた場所の陸側には小高い丘があり

オタフンベチャシと呼ばれるアイヌの砦があったのだそうだ

鎌倉時代頃というから1000年位前だ

写真の背面側へ辿ると襟裳岬へつながる長い馬の背状の海岸線が遥か彼方へ伸びている

オタフンベとはアイヌの言葉で「砂ークジラ」の意

砂を集めて打ち上げられたクジラを模した故事による地名のようだ

敵を謀るために打ち上げられたクジラをまねて砂をかたどり、そこに兵を忍ばせた

食料不足の敵は打ち上げられたクジラと信じ武器も持たずに駆け付けたところを一網打尽にされた



見渡す限りの太平洋とそこから繰り返し止めどなく打ち寄せる波

浜には少し冷たい風

アイヌの男たちの壮絶な戦い

空はその日も青かったのかな、なんてふと考える



ここは国道273号線 糠平国道

糠平温泉の手前の旧国鉄士幌線音更第3橋梁跡の写真だ

鉄橋ではなく素材にコンクリートを用いたのは

砂利が現地調達できたことによる費用低減と

国立公園内の景観に調和するデザインをという意図がある

いちばん大きなアーチは32mもあり

全橋長は71mにも達する立派な橋だ

この橋梁の成功により日本各地でアーチ橋が作られるきっかけになったり

建設資料が詳細に残されていることなどから学術的な価値も非常に高いのだそうだ

竣工は1936年

この後行った「タウシュベツ川の橋梁跡」は1937年竣工

あちらは11連アーチの全長130メートルだ



それにしても近代国家の交通インフラに対する熱意は激アツだ

悲しいかな今ではクマとシカとキツネの住処に成り下がった

人の気配など微塵もない

ただ森を切り裂く国道を時折猛スピードでクルマが走り抜けるだけだ



この日は冷たい冷たい雨が降る最悪のコンディションだった

クマ出没注意の看板にビビりながらも

森と巨大なアーチ橋とシカの群れが不思議なコントラストだった

カッパを着こみヘルメットをかぶったまま

アーチ橋が見渡せる橋の上にしばらく佇んでいた

1987年に士幌線は全線が廃止

それからすでに37年がたつ

この先の幌加にも終点の十勝三股にもすでに町は無く

コンビニなど云うまでもないがあっても良さそうなガソリンスタンドもない

そしてクマやシカにまで普及すれば別だが

モバイルの電波もここにはない



ここは夕張

炭鉱の町だった

北九州と並んで日本の近代を支えた化石燃料「石炭」の産地

今ではもう国内の炭鉱は釧路に1か所だけだが

最盛期にはここだけで年間500万トンを採掘していた

その当時、夕張には16万人が暮らしていたのだ(現在の夕張市は8600人)

今は建物もほとんどなくなって

山の斜面や谷筋の平地がすべて草木に覆われてしまっているが

かつての賑わいがいかほどであったかは容易に想像が出来る

ここに健さんの映画「幸せの黄色いハンカチ」のロケ地が残っている

撮影当時からあった理容店が喫茶店になり管理棟として残る

相手をしてくれた施設の人が丁寧に当時の状況を教えてくれた

平らになっているところにはすべて住居があった

「みんな何処に行ってしまったんでしょうかね?」

とひとりごとのように呟いたボクのつまらない問いかけに

彼女は遠くを見たまま乾いた笑いを返してくれた



これがボクのツーリングのひとコマなのだ

けれどやはりここには

北海道が特別だと感じるモノの姿は見えない

いったい全体何なんだろうねェ・・・

ますますわからない



ツライ記憶の方が強く残るのはヒトのサガ、それともボクのサガ 北海道のこと その1

2024年05月30日 | SR400(2019)


人間の記憶とはおよそいい加減なものだけれど

「快」の記憶より「不快」の記憶の方を優先的にしかもしっかりと

アタマの何処かに仕舞い込むような傾向があるような気がする

そしてその「不快」の記憶も

それを体験している時とは印象がまるで違ってしまっていて

記憶の中の「不快」は辛く苦痛を伴っているはずなのに

逆になぜだか愛おしいような瞬間に感じさせてきたりしないだろうか



5月の20日から一週間

北海道を走ってきた

十数年ぶりの北海道はやはり素晴らしく感動的で

苫小牧でフェリーを下り

支笏湖へ向かう樹海の中の国道を走り始めた瞬間に

普段とは違う自分になったように感じる程の高揚感に包まれた

青空に叫び

森の木々に叫び

すれ違うライダーたちに手を振った

こんなの自分じゃないな、と笑ってしまう自分が愛おしいほどなのだ



けれど5日間 1700kmを走った結果

もっとも印象に残っているのは

季節外れの寒気に包まれ一日中雨に降られた3日目なのだ

今まで信頼していた防水ブーツには1時間で裏切られ

新調したレイングローブは2時間持たなかった

気温は一桁、6℃とか7℃

北海道で最も高い三国峠(1132m)は霧

留辺蘂へ峠を下って行く時

指先はパンパンに腫れ上がって痺れ

身体の震えを呼ばないように何度も止まってはオートバイを下り

駐車場を歩き回って体温を上げた



もう何度もツーリングに出ているが

その中でも5本の指に入る辛さだった

雨には慣れているが浸水した手と足の指先が

10℃以下の気温で凍るような経験は初めてだった

「辛いなー」と呟きながら

こころのどこかでそれを楽しんでいた

ロングツーリングの醍醐味は

陳腐な言い回しかもしれないけど

過酷な状況に身を置くことなのだ



何とか凌いでその日は美幌にて投宿

そして4日目の朝

美幌峠は積雪

峠の入口の掲示板に「美幌峠 凍結 夏タイヤ通行不可」と出ていた

気温は10℃くらいだったが風が強い日だったので

陽があたれば行けるんじゃないの、と根拠もなく考えながら

ずるずると峠に近づく

路肩のフキの葉が風でめくれて白く見えているのかと思ったら

その白いものは葉に積もった雪だった

思う間もなく周囲の森の木々は綿帽子をかぶり

路肩にもうっすらと雪が残る

現地でもニュースになるほど珍しい積雪だったようだ




結果的には何事もなく通過できたが

やっぱりこういう経験は強く心に残っていく

人間の本質はマゾなのか

いや

こんな目に二度と会いたくないからしっかりと記憶して

次に備えるようとする防衛本能みたいなもんだろうか

でもそれが楽しみでもあるとするなら

やはりマゾヒスティックなのか



昨日自宅に戻ったばかりなので

北海道については次の機会にもう少し書きたいと思う



泥の塊になったSR400

朝から爽やかに晴れ上がったので

まずは水洗いしてやった

そのあと外せる部品を外したりして

中の中まで入り込んだ泥を落とす

夕方までやってたけどまだ2,3日かかりそうだ

それにしてもこんなに晴れると

オートバイに乗りたいなー、と考えるボクは

バカなのでしょうか?


たとえリスクを上回る楽しさがあるとしても、君を想う人がいることを決して忘れるな

2024年05月13日 | 日記・エッセイ・コラム


毎週週末が近づくと

また誰かが死ぬのかなと漠然と思う

そして実際に週末のオートバイ事故のニュースを目にして

その度に暗澹たる気分になるのだ



自分では注意しても防ぎきれない事故はある

けれどカーブを曲がり切れずとか

自分で防げる事故もとても多い気がする

白バイ隊員が右直事故にあったニュースを見て

右直事故の難しさを痛感したが

右直事故(側道、駐車場からの進入を含む)こそ

ボクたちライダーが最も気を付けるべきもので

経験と意識と技術がとても大切になってくる

しかし、かく云う自分だって

今日右直事故にあわないという自信はない

自信はないがこれは防げる事故だと思っている



オートバイに乗り始めた頃

走るたびにドキリとしたりヒヤリとしたりしていた

けれどまずはこの体験がものを云う

急に横からクルマが出てきたことにドキッとするとは

全くそのクルマの存在がノーマークだったということだ

けれどその時、ドキッとしたクルマの存在に本当に気付けない状況だったのか

自問することが重要だ

警察のネズミ捕りにあって

「汚いやり方だ」と抗議したら

レーダーの見える場所まで連れていかれて

「隠してないでしょ」と云われた

警官が云うとおりレーダーは100m手前から確認できたし

それが小さな子供だったり進入しようとするクルマだったら

見逃しているということと一緒なのだとも云われて何も返せなかった

追尾してくる白バイだってそうだ

良く周囲を確認していれば白バイはミラーで確認できる

こういった体験からの気付きが「経験」になっていくのであって

最悪なのはシビアケースに会っているのにそれに気付いてもいないこと

ヒヤリとしてもそれから学ばないこと

それではいつになっても事故のリスクを減らしていけない



そして実際に交差点や路面に店が並ぶ幹線道路を走る時

ボクはいつも「右直右直」と声に出して意識するようにしている

そういう場所ではなるべく自分と他の交通との位置関係を変えずに

(身軽なことを逆手に取ったすり抜けや急な進路変更は最も危険だ)

出来れば回避できる場所を常に意識する

F1パイロットの中嶋悟がレース中は常に自分の位置を

上空から俯瞰するように捉えていると云っていたが

まさにそれが理想だ



その上で急制動の技術を上げておく

リアの意識的なロックや

ABS搭載車なら確実にABSを効かせられるレバー入力



経験と意識と技術



それに比べて単独の自爆事故は原因がはっきりしている

脇見か技術不足だ

運転中に前方を注視するのは大原則だ

周囲の状況を(俯瞰する如く)確認しながら

前方に常に意識を向けていれば事故はかなり防げる

とにかく自分が事故の第一当事者になってはいけない



そして自爆事故

もちろんコーナリング中が多い

路外に逸脱するだけでなく

反対車線の交通を巻き込んだりもする最悪の事故だ

そこで問いたい

「あなたはオートバイをどうやって曲げていますか?」

どんな方法でもいい

自分なりのコーナリングメソッドははっきりさせておくべきだ

カーブが苦手なんて臆面もなく云ってるやつはどうかしてる

曲がり方が曖昧なのによくも公道で走ってるな

スピードのコントロールもコーナリングの内だ

リアブレーキ使えてますか

ブラインドの先に自転車いたらどうしますか

濡れたマンホールがライン上にあったらどう回避しますか

こんなことも出来ずに今まで公道をおしゃべりしながら走ってたなら

それはただただ運が良かっただけだ

そしてその運はいつ不運に変わるのかもわからない



もちろん最初にも云ったが

事故は防げないケースも多い

だからどんなに経験しても意識しても

どんな技術を身に付けても

事故にあう可能性はゼロにはならないだろう

ボクだってこんなに偉そうに事故を語っていても

今日オートバイで事故にあうかもしれないのだ

けれど防げる事故も必ずあると信じる

毎週毎週オートバイの事故のニュースなんて見たくないのだ



ロングツーリングに出掛ける前日だけでなく

明日オートバイに乗ろうかなというと

なぜだか漠然とした不安感が少し心の隅にあるのをボクは感じる

心配性だなんて恥ずかしいなと思ったこともあるけど

これが事故に対する不安からのものならば

この感じはとても大切なことだと今は思っている

オートバイに乗ることはとても楽しい

リスクを上回る楽しさが確実にある

けれどキミを心配してくれている人のことを絶対に忘れるな

キミはたとえ事故で死んでも後悔すらできないけど

キミの死が残された者のその後の人生をも左右することもあるのだから



さて

いよいよ来週は久しぶりの長旅に出ます

事故に気を付けていってきまーす

ACCOLADO(アコレード)をSRに履かせてみる

2024年04月28日 | SR400(2019)


一日の寒暖差が大きいのが厄介でもあるが

よく晴れた日の昼間はとても爽やかで

本当に気持ちが良い季節

落葉樹たちの芽吹きも盛んで

山は一気に生気を取り戻した



タイヤの状態が悪くて交換を迷っていたSR

やはり北海道へ行く前にタイヤ交換しておくことにした

いつものテックモーターサイクルへ相談に行くと

いろいろ提案されたが

結局ブリジストンのアコレードに決めた



ブリジストンのHPを見ると

クラシックなパターンもさることながら

グリップ性能にも特化させているようで

この手のタイヤに見られがちな

「ウェットグリップ性能を向上させ」という文言ではなく

ストレートに「高いグリップ性能」と謳っていて好感が持てる

フロントタイヤが純正指定と同じサイズの設定が無く

一回り小さい90/90-18サイズをチョイス

スペック表によれば

純正指定タイヤ ブリジストン バトラックス BT-45(90/100-18)と

このアコレード AC-01とでは

外径で-14mm、トレッド幅で-4mmの差がある

アコレードの方がほんのわずかに小さい

この差は数字だけ見ていると無視できそうだけど

実際のタイヤを見ると明らかに「ひと回り」は小さく感じる

フェンダーとの隙間が「スッカスカ」だと感じるレベル

正直あまりカッコよくはない

でもタイヤはやっぱり性能の方が大事

一皮むいた後、空気圧を指定値に合わせてワインディングへ繰り出す

もちろんそもそもがSRなので

真の意味(限界性能とか)でのタイや性能はあまり問題ではなく

いかにSRが持つ「気持ち良さ」をしっかりと支えてくれるか

この性能がいちばん大切で気になるところ

要するにSRを構成する「部品」であって欲しいのだ

指定空気圧に合わせたアコレードは

舵角の付き方がとてもナチュラルだ

それは「とても」一つではなく

「とても、とても、とても」くらいナチュラル

旋回初期に良く曲がる今時のオートバイを経験すると

倒し込んだだけ曲がらないと逆に違和感を感じるものらしい

だから「フォークオイルが」 とか

「フロントのバネが」 からの

「フォーク突き出し量が」 までいく

でも、そこを求めるならそもそも乗ってる車種を変えろ

と云いたい

最近はやりのモトブログ見てると(ステアリング越しの走行動画ね)

オートバイが傾いてから少しも旋回してないのをよく見る

気持ちはレーサーらしく

倒し込みは「クイック」が命らしい

後姿の映像なんかだと

クイックに倒し込んだ後上半身が付いていけずに反り返っているのさえ見かける

残念ながらリーンからのフロント追従は持って生まれた性格に等しいので

フォークを付きだしたくらいでは多分変わらないし

変わったとしてもバランスが崩れているだけでちっとも良くはないだろう

そもそもスポークホイールだよ

それにあのスイングアーム

どこに標準が合わせてあるか推して知るべし だよね

それでもそれを面白くさせてあるところがヤマハのすごいところ

そしてSRに惹かれるところだ

そんなSRに惹かれたはずなのに

ワインディングでクイックダンスしたいならお門違いだ

SRにはSRのコーナリングがある

勘違いしてはいけないのは

それは決して「つまらないモノではない」という事だ

大切だからもう一回云っちゃうかな

「SRのコーナリングは決してツマラないモノではない」!

むしろ気持ち良い

アコレードはその面白さを全く邪魔せず

しっかりと構成パーツとして仕事をしてくれた

良いタイヤだった



とは云えオートバイのモディファイは楽しみ方としてもちろん「あり」だ

そこに求めるモノがあるなら試すしかない

そういう考え方には賛同する



タイヤ交換作業の合間代車貸してくれた

こないだまでウチの子だったカブ

今ではテックモーターサイクルの小僧におさまった

大将の足として、代車として活躍しているらしく

ODOメーターの数字が信じられないくらい伸びていた

SRが来て置き場が手狭になったことや

SRが下駄代わりにもなるので売却したのだ

久しぶりの里帰りにクロ介との会話が弾んだとか弾まなかったとか



それはさておき

このところウキウキしながら北海道行きの準備に明け暮れる日々だ

北海道も順調に春を迎えているようだが

アメダスで現地の気温を日々チェックしては一喜一憂している

気温に相当ばらつきがあってウェアの選択が難しいのだ

とりあえず夏も冬もある程度想定が必要かなと考えている

もちろんまだひと月先なので出発の頃にはもう少し安定していると思う

気候と云えばたまたま北海道放送のこんなサイトを見つけた

HBC情報カメラ・いまの狩勝峠(リンクあり)

この中に「各峠カメラ」という情報カメラがあった

北海道の主要な峠のリアルタイムの映像が見られる

なかなか見かけない峠の気温と路面温度の情報まである

これを見る限り国道の峠は全く問題なさそうだ

それにしてもつくづく良い世界になったと思う

いや単純にね

ITいいね

とりとめもなく桜の下で悪態をつくイヤなひと

2024年04月13日 | 日記・エッセイ・コラム


開かないのかと思ったら一斉に咲きだして

咲き始めたと思ったら

春の嵐に一気に散ってしまった

今年のサクラは本当にあっという間に通り過ぎて行った

山を見渡せばすでに木々は萌黄色の芽を吹き

一年でいちばん気持ちの良い時期に入った



北海道へ行く準備をぼつぼつ始めようかと思うが

フェリーの予約をしてしまうと

もう他にあまりやることはない

大まかなルートは決めてみたけど

一日に300kmか400kmと考えると

なかなかにしっかりとした行程は組めないものだね

前にも書いたけど

野付半島の道道950号線と

神威岬には行きたい

あとタウシュベツの橋梁がもう崩れそうなので見ておきたい

そうだな、前に食い損ねた豚丼は帯広辺りで泊まれば食いに行くか

雨のことは考えても仕方ないけど(カッパを着るだけ)

時期的にまだ寒いんじゃないかという心配はある

まあ都市部にはイオンSCとかあるのでどうにもならなければ現地調達だ



SR400はというと

タイヤが少しあやうい

特にフロントにはヒビが見られる

間に合えばタイヤとチューブは交換しておこう

暇を見ては各部の締め付けをチェックしているけど

工具は持って行った方がいいな

チェーンオイルも持参だ

本当に荷物は最小限と思っているけど

やっぱり1週間、2000kmとなると

そうはいかない部分も出てくる

任意保険のロードサービスは100km無料

さらに修理後の搬送も全額無料

なんと帰宅旅費までもらえる

これはありがたいし頼りになる

もちろん本当にお世話にはなりたくないけど



国道でなく出来るだけ道道を走りたい

帯広から釧路そして別海、標津へ続くルートを見つけた

あと能取湖からサロマ湖、留辺蘂へ抜けて上士幌なんてのもある

どこを走っても北海道は平均速度50kmで予定が組めるから

見つけたルートをその日の感覚でつなげて走れる

その日毎の目的地(宿泊地)を決めれば

あとは10時間くらいで走れるルートを作る

途中2回くらいのんびりしても400㎞くらいは走れるかな

天気が悪いと逆に距離だけ伸びるけどね

そういう日は移動日と割り切って走ることにする



それにしてもフェリーで足掛け3日というのは何とも遠い

ちょっとした異国感覚だ

アイヌ語もじりの地名も雰囲気を盛り上げる

事故にだけは気を付けて

久しぶりのロングツーリングを楽しみたい



あんまり話題が無いので唐突だけどこのごろ気になる2題

とは云え批判的な悪態だけど



名古屋モーターサイクルショーに行ってきた

去年久しぶりに行って

もう次はないな、と思ったのにね

新車の展示会なので当然だけど

あまりオートバイの本質には出会えない所だ、あいかわらず

利益と妥協の狭間で生み出されるオートバイは

どんどんつまらない乗り物になっている

商品が顧客のニーズの反映であるならば

今のライダーはとってもつまらない楽しみ方をしているように見える

誰かが、どこかのメーカーが

「王様は裸だー!」と叫ばなくてはいけない所まで来ている

ボクにはそう見える

年寄りのボヤキではない

オーディオ、写真、と趣味を奪われた経験から云っている

物が売れるかどうかが頼りの資本主義経済の弊害

資本主義は間違いなく多様な人間性という部分でその本質を軽視する

多様性とは程遠い経済至上主義




キャブレターの外見に似せたインジェクター

エンジンフィンを持つ水冷エンジン

カウルの中のコストカットエンジン

ギアポジションインジケーターなんて素人臭い装備

燃料計?信じたことないね

そんなものいるか?

そしてその方がクールだ

人間の感性と適応力を活かした方が趣味にふさわしい

SR400のキックインジケーターなんて

仕組みがわかればもう見ない

因みにSR400のキックスタートに必要なのは

踏み抜くことではなくキックスピードだよ

まさにキックだ







ライテクの話

ライテクと云うとみんなちょっと身構える

おそらくどこまで行っても確信が持てないからだろうな

それがスポーツ性であり趣味性につながっている訳で

ボク自身はオートバイに乗る意味はここにしかないと思っている



最近ヤマハの元エンジニアとか元GPライダーとかが

プッシングステア(ステアトルク制御)とか非セルフステアとかいって

「逆操舵」を喧伝しているのをよく見るけど

あれ、やばいね

云ってることはもちろん間違っていないけど

ライテクを語る時にそれらしい造語を出すと誤解を与えることが多いと感じる

40年くらい前にオートバイ誌で盛んに云われた外足荷重とか

抜重、荷重もそうだね

逆操舵って雰囲気ではわかりづらい

でも、下りの小さなコーナーが続くワインディングでは

おそらく誰もがやっていることだ

多分あれのことだと思う

シケインの切り返しなんかで

GPライダーが素早く切り返すためにハンドルを抉ることはあるけど

あれとはちょっと違う(原理は同じか)

下りコーナーで意識すればわかるけど

逆操舵というよりIN側の保舵に近い

肩と肘を畳んでIN側のグリップをホールドする

逆操舵のタイミングでフロントの接地点がIN側へ移動すると

キャンバースラストが生じてオートバイがリーンするというけど

リーンしただけではオートバイは曲がらない

車体がリーンしたことで遠心力が発生するが

それとタイヤのグリップによる反力がバランスする

このリアの内向きのタイヤのグリップ力とキャンバースラストに

フロントがセルフステアすることで曲がっていくのだ

舵が切れないと曲がらない

極端な例を挙げれば極低速なら左にリーンしながら右へ曲がることが出来る

これは舵が切れているからだ

リーンはコーナリングで発生する遠心力に効率よくバランスするためで

遠心力を受けた車体がタイヤのグリップという反力を受けて曲がっていく

キャンバースラストよりこちらがメインだろう

そして車体の行き先はフロントの舵が決める(スリップアングルが付くけど)

とはいうもののコーナリングはそんなに単純ではない

スピードやコーナーの曲率

重心位置や車体の姿勢などすべてが常に異なっている

IN側への体重移動の準備をしながらブレーキングし

IN側のグリップを保舵すると

ジャイロモーメントによるバランス状態が一瞬破綻して

車体がリーンを始める

(これを逆操舵と云っているようだ)

リーンと同時に車体には遠心力がかかるので

それと同時にOUT側の踏ん張りを解いて

IN側へ圧し掛かるように体重移動するとグッと旋回を強める

スロットルとリアブレーキで加速力を調整しながらトラクションを高め

さらに内向力を高めるため頭を低くして加勢してもいい

エンジニアの人もリーンを終えたらセルフステアに移行すると云われている

けれどそのあとリーンアングルをさらにプッシングステアで調整するとも説明されているけど

それって単に話を複雑にしていないですか

結果的にはそうであっても意識をそこへ持って行くのは

実際のコーナリング状態では危険だと思う

やってみればわかるがプッシングに気を取られすぎると

スピードコントロールが後手後手になる

スロットルでトラクションと遠心力を探りながら旋回していけば

無意識下でもステアリングの保舵力は調整されている

この「無意識」こそが真の意味でのライテクであって

身体の動きや操作をすべて分解して名前を付けるのがライテクではないと思うが

どうですかい



けれど「逆操舵」とか「プッシングステア」の言葉はどうかと思うけど

プッシングステアは皆が大抵やっていることだ

だから理論的には絶対に正解で間違えではない

ただ単に逆操舵だけを意識的にするのは結構危険だと思う

逆操舵は結果であって反対側にハンドル切るっていうニュアンスとはかなり違う

オートバイはあくまでリアタイヤを主に考えるべきで

フロントを何とかして、はやはり危うい

同じ2輪の乗り物「自転車」みんな乗れると思うけど

初めて補助輪を外した日に

何かすごい理論を理解した訳じゃあない

「バランスをとるとは」を身体が理解したのだ

今それを乗れない人に説明しろと云われてもできない

「右に倒れそうになったら左へ逆操舵するんだよ」

これでは絶対に理解できない

名前を付けて理論ぽくしたいのはわかるけど

(カッコいいからね)

頭で考えるより身体で感じる方が大切

Don’t think.Feel.(by ブルースリー)

余談だけど

縦置きクランクのフラットツインは

スロットルの抜き差しでこのジャイロモーメントの抜き差しが出来るよ



はー、熱くなりすぎたよ


いくら安いからと云って2か月後の予定を立てるなんて、どうかしてる

2024年03月29日 | R100Trad (1990) クロ介


朝、外へ出てみると

ゼンマイをギリリッと巻くような特徴的な鳴き声が聞こえた

反射的に空を見上げるとはたしてそれは南国から帰ってきたツバメたちだった

まだ冷たい早春の空気を切り裂いて

3羽のツバメが滑るように飛び回っていた

いよいよ、春だ

さーて、今年はどこへ走りに行こうかな?



それにしても3月の半ばを過ぎて思いの外寒い日が続いた

結局最近ではいちばん春がのんびりに見える

ふくらみ始めた桜のツボミも少しこれには様子見

一足先に咲き揃ったモクレンやコブシも

少し花付きが悪く見える

つまりはそういう年もあるということか

どんなに気象予報にスーパーコンピュータを用いようとも

「自然」は、当たり前だけどそれを顧みない

それが「自然」というものだ

もともとボクたち日本人はそのことをよく知っているはずの民族

だから古来から自然やその営みを畏れ崇めてきた

人間の想像を超えることなどきっとこの宇宙にはたやすいことだ

浅はかで傲慢なこの集団は少し謙虚に過ごすべきではないのだろうか

アタマを使いすぎていることに気付かない

自分とは誰のことなのか

自分とは何を指していうのか

ちっともわかってないのだ

自分とはこの天然の身体のことだ

だから自分のことはこの身体に任せておけばよい

この世界の美しさや不思議さを理解できるおそらく唯一の存在として

謙虚に生かしてもらうだけで良い



そして今日はついに激しい雨と雷の一日になった

冬と春の最後のせめぎ合い

そして春がその勝利を高らかに告げる

「春雷」はそんな春の勝利を告げる合図だ



まだ少し寒さが残るかもしれない

と思いながらも北海道へ行く5月のフェリーを押さえた

本当は行き当たりばったりがボクのスタイルだけど

「早割り」なるものの価格がメチャ安なのだよ

だから協議(ひとりですけどなにか?)の結果

雨でも寒くても何でもいいじゃないか、と主張するビンボー族に押し切られ

予約ボタンをクリックしておいた

安いからという理由で2か月も前に予定を立てるなんて

我ながらどうにかしてる



ついでに云うと

こいつもビンボー族案件なのだけど

400ccであるSRが使用機体に選出された

クロ介(980ccオートバイ)とのフェリー代差額がなんと7500円

これはとても看過できない金額だぜェ!と奴らが食い下がる

ビジホに1泊、往復分なら2泊分は浮いてくるんですぜェ!と

フルドレスのハーレー何某とかフルパニアのR-GSなんかと比べれば

クロ介なんぞ中型とさほど違わぬのに

乗船時に車検証まで見たがるなら重量で料金設定して欲しいね

まあここでグチっても詮無い事ではある



細かいルートや日程を決めるつもりはもちろんない

まだ行っていないニセコパノラマラインと野付半島の道道950号線は走りたい

そして今回はオロロンとエヌサカはあきらめておく

決まっているのはこれだけ

荷物も「寅次郎」に倣ってミニマムにしたい

下着、着替えは2着くらい

地図とipadと充電器

タオルとポリ袋くらいかな

あえてコーヒーセットは持って行こう、のんびりするために

イスはやめてピクニックシートだな

あれならどこでも寝ころべるし

北海道だからと云って特別に期待するものは何もない

十数年ぶりに北海道の道たちに会えることだけが

ただただ楽しみだよ

照るも良し、渋るも良し

それこそボクが望むオートバイの旅というものだ



春雷の一日が明けて

久しぶりに青空が広がった

激しい雨に空気中のチリが流されて視程が良い

高いところへ昇って行って景色を眺めるには最適な日だ

クロ介を引っ張り出してそそくさと支度する

暖機を始めるがやはり仕上がりが早い

寒いといってももうそこまでではないのだろう

迷ってライトダウンを羽織ったけどこれはもういらなかった

汗かくかな、と思いながら久しぶりに高速に乗る

縦置きクランクのフラットツインは今日も快調

春の空気を切り裂いて滑るように走る

何度も云うけど

一度この縦置きクランクは経験しておくべきと思う

それくらい独特な感覚がある

BMWかモトグッチ

ああホンダのゴールドウィングもあるか

グッチは90°V型だからちょっとフィーリングが違う

ドリュウウウウウウウーと軽やかに吹き上がる

でも気持ち良さは少し似ている



浜松SAのスマートICで下へ降りる

この辺り、引佐の山は硬い岩でごつごつして険しい

都田川にぶつかって風車が立ち並ぶ山へ登っていく

狭くて急な取り付け道路をゆっくり上ると展望台に着く



ここから遠州平野が一望

その向こうには遠州灘が広がり

東に目を凝らせば伊豆の山並みまで見渡せる

視程は約100km

夜景がきれいそうだけど

夜中にここへ来るのはちょっと大変かもしれない

本当にこの風景以外何もないところ

もちろんこの景色があればそれでよい



そのあと久しぶりにオレンジロードへ行ってみた

むかしはシュワンツとかドゥーハンが煙を吹いて走っていた

そういうボクもガードナーとか思っていた節がある

いまはむかし、だ

もちろんもう峠を攻めるなんてしないけど

あの頃より確実に上手くなっているとは感じる

滑らかでスムーズな走らせ方が出来る

そしておそらくマージンが増えた

ワインディングで大切なのはマージンだ

それが自分だけでなく周りの人の安全にもつながる

安全に走ることが何より最優先だ



やっぱり春は気持ちが良い

ベタな言い方だけど生まれ変わったような開放感がある

もうすぐ桜も咲くだろう