ソロツーリストの旅ログ

あるいはライダーへのアンチテーゼ

振り返ってみるとずうっとオートバイがいちばん好きだった

山はもう紅葉の時期 着るものに気を付けないと死ぬ

2022年10月24日 | R100Trad (1990) クロ介
秋が来た

山へ行ってその色づきを確かめてきた



東海環状道で北上する

トンネルを一つ抜けるたびに気温が下がり

「サビーーーー(さむいーーーー)」

と、震え上がる

ライディングジャケットの下にスウェットでは無理か

でも、もう遅い



富加関ICで高速を下り

県道58号線でさらに北上する

国道41号線に比べて流れが良い

抜け道的なルートなのでみんなペースも早い

飛騨金山で国道に合流するが、ここまでくると交通量も適度でストレスはない

下呂で休憩してたら高山線を新型のHC85がきた



ボディーの白色が真っ白けで微妙だな

ボディーラインも丸すぎだ

んーーーイマイチ





その先、飛騨小坂の街で国道を離れ

いよいよ鈴蘭スカイラインへ向かう

鈴蘭峠までは比較的よく整備されているけど

濁河温泉方面へと県道441号線を入るとルートは一気に荒れる

紅葉もこの辺りまで来るとかなり進んでいた

クネクネたどり尾根の南に出ると鈴蘭スカイラインの白眉







御岳山から流れ出た溶岩が作ったダイナミックな景観に息を飲む

ここはもうサルやシカの住処

彼らのすぐそばをオートバイで通り過ぎても逃げようともしない

敵意も感じない、ぽっかーんって感じだ

ごめんよ、ちょっとお邪魔するね



濁河峠から日和田に向けて下って行くと

北風が強まった

それがとてつもなく冷たい



その風に乗ってカラマツの細かい針のような落ち葉が飛び交う

それが容赦なく顔にチクチク刺さって痛い

でも、これもあり

季節を感じる瞬間だ

閉鎖中のチャオ御嶽の駐車場で寒さをこらえながらコーヒーを淹れる





それでもあまりもの寒さにカップヌードルを食べることにする

ガタガタ震えながら(気温何度やねん?)

アルコールストーブに火を点けて湯を沸かす



それにしても季節は確実に進んでいた

山の中の1.5車線路

ちょっと濡れていて落ち葉なんか落ちていて

緊張しながら

それでも少しずつ確実に先へ進んでいく



そして、出会った景色の美しさ

ゴロワーズブルーのYZR500 C.サロンを思い出す ~ミシュラン ロードクラシック

2022年10月16日 | R100Trad (1990) クロ介
ミシュランである

いまでは権威主義的な匂いのするミシュランガイドのミシュランと同じミシュランだ

タイヤのサイドウォールにきれいにビバンダム君が浮き上がっている



これまでメッツラーの「かたぶつ」さが感覚に合うような気がしていた

だからラジアルでもバイアスでもメッツラーばかり履いてきた

けどここへきて「レーザーテック」廃番の宣告

もともと選択肢が少ない旧車なのに

しかも一番のお気に入りを選択肢から外さなくてはいけなくなるとは…





ミシュランが市販車用に初めてラジアルタイヤ(A59・M59)を出した時

当時乗っていたZXR750に履かせたことがある

ダンロップの強烈なグリップ感に慣れていたので

しなやかにグリップする感じのミシュランは掴みどころが無くて

どうにも信頼できなかった記憶しかない

そのあと銀じい(81年式R100RS)にマカダムを試したことがあるけど

そのときもレーザーテックに比べてお節介で

そのくせ路面の状況を掴みづらかった

メッツラーのタイヤのいちばん好きなところは

路面状況を正確に伝えてくれるところだったような気がする



けれど廃番となれば仕方がない

しかし!

しかーし!なのである

このロードクラシックはすごかった

マカダムやレーザーテックっておそらく、ずうっと金型は変わってないので(多分)

ゴムの進化はあっても直進性や旋回性は多分変わってないんだと思う

でもこのロードクラシックは「新設計」

つまりタイヤのプロファイルやグルーブのデザインが「最新」ということ

そもそもオートバイにとってタイヤの性格は

オートバイそのものの性格をも変えてしまうけど

それはネオクラシックだけでなく本物の旧車にも効果がある「最新」のようだ



まず感じるのはフロントの向き変えの強さ

レーザーテックの感覚だと身体が置いて行かれる

けれど乗り手がラインを決めるとそこでビターっと安定する

リアはもっと顕著で

フロントの向き変えだけで旋回できないコーナーは

リアが強いグリップ感を供なって旋回を強めてくれる

何もしなくても、つまり乗り手が加勢しなくても意思を伝えるだけで

安定して旋回を維持する

コーナーの進入でアウト側のステップを支点に重心を移動させておけば

あとは視線の移動だけで旋回が始まる

気を付けるのは旋回(リーン)に遅れないようにイン側への荷重を意識するだけだ

しかもリーンインのような荷重は必要ない

イン側の脇腹で支えている体重をイン側の尻に荷重していけば事足りる

文字どおり「グイグイ」「クルリ」と旋回していく

まるでリーンウィズの魔術師「クリスチャン・サロン」になったような感覚だ

アメリカンライダーたちが深く腰を落としたハングオフでコーナーへ進入する中

美しいリーンウィズでコーナーをクリアしていくあのクリスチャン・サロンだ

ゴロワーズブルーのYZR500を知っているかい?



強いて欠点を上げるとすれば

安定性が強いのでリーンの状態から起きるのがやや重い

ただ、そういうものだと思って操作すれば全く問題ないし

「クセ」と思えればかわいくも感じるレベル


フロントの初期旋回の強さからは真逆に感じるが

直立時の直進性もすこぶる高い

フラットツインの特性と相まって極低速から超高速までビタッと直進する

BMWのRシリーズやグッツィに乗ってる人は履く価値ありだ

おまけに取り回しが軽くなる、っていう副産物もあるよ

もういい歳なのに毎年こんなにも心奪われるアレ

2022年10月06日 | R100Trad (1990) クロ介
彼岸も過ぎて

今年も秋がやってきた



北寄りの乾いた風に

青い空を高い雲が案外な速さで流れていく

ボクの住む辺りではすっかり稲刈りも終わり

はざ掛けされた稲がずらりと並ぶ



農業の経験はないけど、「百姓」の記憶があるのか

そんな光景を見ているだけで幸せな気持ちになる

不思議だな



サクラはすっかり葉を落とし

柿はたくさんの実を付けてゆっくりと葉を落とす



また冬がやってくる

秋はその序章にして、しかもクライマックスだ

その幕開けを、不意に、しかも確実に伝えるのは「あの」香り

山里の集落を駆け抜けるとき

それは唐突にくる 

そして、「!」っと声にならない声を上げる

もう何年もこうして走っているのに

毎年、不意打ちを喰らったような衝撃だ

キンモクセイ



これ、毎年書いてるんだけど

ほんとに毎年このキンモクセイの香りだけは特別だね

オートバイ乗りの特権とさえ思う



クロ介(BMW R100Trad)

早いもので納車からもうすぐ2年になる

車検が近い

油脂類の交換やバルブの点検を自分でやって費用を浮かす

オイル交換はエンジンだけでなくて

ミッション、シャフトケース、ファイナルドライブケースと

他のオートバイより多い

オイルフィルターも交換したかったので朝から始めたんだけど

久しぶりってこともあって半日かかっちゃたね



そのあと、テックモーターサイクルへ行って車検の相談

「RS化」とかいってカウル移植したりシングルシートにしたりしてるから

構造変更になるかどうかってところだ

結果、車検時にシートをダブルにかえておけば継続検査だけでいけるとのこと

でも、前後のタイヤがかなり微妙なので先に交換することになった

ここで問題発生

いま履いているメッツラーのレーザーテックがいよいよ廃版らしい

余計な事してこないあのもっさり感が好きなんだけど

廃版だから仕方ない

選択肢はもちろん狭い

けどね、逆にバイアスのこんなホっそいタイヤよく出してくれてるな、と思う

しかも、ミシュランなんか16年ぶりの新設計だよ

でもミシュランはずいぶん前に一度だけ履いたことあるマカダムのイメージが強すぎていまいちのっていけない

テックMの山本さんはブリヂストンは欧州車にどうかな、って云う

まあここはアドバイスを受け入れてミシュランってことにしてみた

どうあがいてもメッツラーは無いんだからね



ミシュラン、すごかった!

というか

レーザーテックなんて80年代の設計だからね(もちろん中身は現行の技術)

でもこのミシュラン ロードクラシックは新設計だ

タイヤのインプレはまたの機会に記事にするよ

あんまり楽しいから次の日お山へ行って「皮むき」終了させた


ついでにもう一個

前に紹介したアライヘルメット クラシックエアーがとってもいいんで

別デザイン買っちゃった