ソロツーリストの旅ログ

あるいはライダーへのアンチテーゼ

振り返ってみるとオートバイがいちばん好きだった

ひこうき雲は雨を呼ぶ

2012年11月13日 | R100RS 2本サス (1981) 銀じぃ

山の方へ行くことが多いボクだけど



紅葉の季節の今、山はいわいる行楽シーズンだ。



都合いろんな人に道を訊かれる。



名古屋ナンバーのムルティに乗るナイスミドル。



息子さんが置いていったTWに乗る同年代おやじ。



軽自動車のばあちゃん二人連れ。



それにしても今日はずいぶん暖かい。



天気も良くて文字どおり小春日和だ。



それもそのはず明日は冷たい雨の一日になるからだろう



ひこうき雲がずんずん成長していく空だ。



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すっかり刈り取られた田んぼには、ひこばえと呼ぶには立派な二番穂が実をつける。



のんびりとお日さんに照らされて、トンビが空高く上って行くのを眺めてた。



縦横無尽にひこうき雲が空を埋めていく。



こんなに天気がいいのに、これじゃあ明日は間違いなく雨だな。



それにしてもオートバイってうるさいな。



自分で乗っておいて云うなよとも思うけど、



うるさいね。



特に後付けのマフラーは酷い。



週末の早朝にあれが山里の静けさを切り裂いてると思うと



オートバイ降りたくなるね、ごめんなさいって。



いつも休憩する酒屋のお父さんも云ってた。



朝っぱら暴走族(たぶん普通のライダー)がすごい勢いで走ってるから



道路を横切るのが怖いぞぉん。



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大好きなオートバイを、ひとからこんな風に見られてどうだい?



道路脇に民家が見えたら国道であってもそこは生活道路。





出来るだけ静かにスムースに走り抜けようではないですか。



じいちゃんやばあちゃんが走らせてる軽自動車を追い越す時は



一度後ろについて、こちらに気付くまで抜くのはやめようではないですか。



気付いたなと思ったら、ゆっくりと回転を上げずに追い越して



笑顔で会釈しようではないですか。



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お邪魔します、なんて挨拶は21世紀の日本では死語か。



南洲太郎なんて知らないか?



休みにオートバイで邪魔しに来てると、ちょっとは思ってもいいんじゃない。



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最近、うちの近所でウマを見つけちゃった。



開田まで見に行くのと同じ木曽馬だね。



毎週会いに行くもんだから、覚えてくれて



行くとすぐに寄ってきてくれる。



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やさしい目。



六兵衛太、牡4歳。



ロク!あしたは雨だよ。




ドイツの寒さを知る

2012年10月11日 | R100RS 2本サス (1981) 銀じぃ

朝晩ぐっと気温が下がるこの頃



早朝に走りに出る日は着るものが難しい。



ちょっと着込んで出て、日中は我慢して走り切るか、



逆に朝や夕の寒さはぐっと堪えて走るか、



まあ、暑くなったら脱げばいい訳だから、でも脱いだものが荷物になるしなーとか



男のくせにぐだぐだと考えあぐねる秋の朝。



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そこへ来ると我らが銀じぃ(R100RS Twinshock Model)の



インテグラルカウル(BMW命名)の稀有な防風性能はこれからの季節が本番。



なんせ真冬でも厚手のグローブは滅多に必要ないほどで



電熱ウエアもグリップヒーターもBMWモトのくせに



まったくもって出番がないのだ。



余談だけど、銀じぃの頃の純正グリップヒーターは



グリップのゴムの色がグレーでとても気持ちが悪い。



まあ握っていれば見えないんだから関係ないけど、



あの妙に明るいグレーを握っていると想像するだけで



気分はブルーになること間違いなしだ。



今朝の冷え込みがちょっとキツかったとはいえ、



銀じぃなら高速に乗って飛ばしても、やっぱりそれ程でもない。



それくらいBMWのふるさとドイツは冬の寒さが半端ないのだ。



オートバイの工場があるミュンヘンなんてだいいち冬はオートバイで走れない。



だから、あんなに対候性にこだわるんだなと思う。



銀じぃに乗るとドイツの寒さをなんだか分かる気がする。



日本の秋口なんてこのカウルにかかれば屁でもないのだ。



むしろシリンダー真後ろのつま先は今日もすでに熱い。



4500rpmで巡航する。



久しぶりなのでちょっと振動が苦になる。



が、それも僅かな間で、すぐに慣れる。



カウルの防風性は本当は160km/hくらいがいちばんいい。



120くらいではバリアが少し小さくて背中に風を巻き込む。



中津川ICで下りる。



高速は100kmくらいの距離が丁度退屈しない。



国道19号線は空いていた。



結構なペースで流れていて、あっという間に元橋まで来た。



今日は王滝川を辿って御嶽へアプローチし、田の原まで登る。



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天気はいまいちだけど、空気が乾いていて清々しい。



スキー場の下で気温が14℃。



まだまだ上る。



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カラマツの樹林帯を抜けるといよいよ高山帯。



森もなくなって中央アルプスのパノラマが広がる。



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ナナカマドやヤマウルシが真っ赤に色づいていた。



雲が広がっているけど、寒気による雲なのですごく高いところにある。



3000mの御嶽の峰よりずっと高い秋の雲だ。



田の原はもうすっかり色付いて秋真っただ中だった。



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初登場のミニテーブル。



ストーブを安定させられる台が欲しくて実戦投入。



あったかい珈琲がうまい季節だな。



田の原を後にして、三岳へ下りる。



県道20号線(長野県・上松御岳線)で開田へ出た。



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本当の目的はこっちかも?



木曾馬たちに草をやりながらすごす。



しかしよく喰うなー。差し出せば差し出しただけボリボリ喰う。



ウマ、かわいいな。



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結局いつもの「霧しな」で蕎麦を喰う。



ぽよよーんもちが食べたくて定食にした。



辛み味噌をのせた蕎麦豆腐でほんとは一杯やりたい。



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国道361号線で19号へ戻り、木祖から権兵衛トンネルを抜けて伊那谷へ出た。



伊那谷は低い雲が出ていて、アルプスは見えなかった。



午後はさすがに気温が上がる。



ブーツを脱いで休憩。



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今日は500kmを越えそうだな。




フレディのいのちの旅は終わる

2012年10月02日 | R100RS 2本サス (1981) 銀じぃ

彼岸を過ぎて、今年の秋も本格化し

山の緑は日々その勢いを無くして、

山里には今年も木犀の香りが充満し始めた。

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いつもの木陰でオートバイを停めて休んでいると

次から次へと枯葉が舞い落ちてくる。

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おい、フレディ

今年も日陰をありがとう。

ボクたちは、どこから来て、どこへ行くのか。

それはこの「葉っぱ」が教えてくれる。

ボクたちは、一瞬、何かの役目で形を与えられ、

そして、それが終われば、また形を無くす。

ずーっと、そこにいて、これからもずっとここにいるのだ。

いのちの過程を、旅になぞらえたりするけど、

旅と同じで、それはひとときの淡い喜びにすぎない。

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            〇

最近ちょっと気になることがある。

譲ってもないのに、黄線で無理やり追い越して

前に割り込むなり左手を挙げてるやつがいる。

「失礼」とでも云いたいのか。

ホントに失礼だ。

流れに乗って走ってる先行車を黄線で追い越すのはワイルドな行為だ。

ワイルドならワイルドらしく非礼で行けや。

本来左手を挙げてサインを出すのは

「譲ってくれてありがとう」の場合だけだ。

先に10台以上連なっている車列を抜かして行くなら行けばいい。

ただしそれは無法者のすることで爽やかさんのすることじゃあない。

エチケットを気にするなら、そんなケースで追い越しをかけるなよ。

喧嘩を売る行為に等しいことをわかっているなら買うけどね。

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(焼け色つけてるなんて、わかってるね!この缶のデザイナー)

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気持ちのいい秋の日に、気持ちよく走っていると

なんだか馬鹿らしくなってくる。

この意味のない行為がボクにもたらすものが

如何ほどのものであるのか。

考えれば考えるほど馬鹿らしくて馬鹿らしくて

とても贅沢で、無駄で、そして、とてつもなく愛しいのだ。

ヒトがその歴史の中で、ガソリンエンジンの2輪車に乗っていたのは

おそらくごく短い一瞬の出来事になっていくのだろう。

こうしてその愛おしさを綴ることの意味も、実はほとんど意味のない事だ。

けれど、意味のない事は不必要だとは云えない。

それはボクらの命が無意味なのと同じことだからだ。

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雨の森を行く(愛知県道435号線その2)

2012年09月06日 | R100RS 2本サス (1981) 銀じぃ

雨が降ると、森がいきいきとして見えるのは気のせいだろうか。

雨の中をオートバイで走ると、いつもより路面に気を使う分、

周囲の様子に対する観察眼がおろそかになりがちだけど

雨の時の森が、実に生命力に満ち溢れていることは

なんとなく以前から感じていた。

だからやっぱり気のせいなんかじゃあなくて

森は雨をよろこんでいるんだと思う。

それにしても森は不思議だ。

雑然と木々が生えているようで、実はそこにきちんとした秩序がある。

淘汰されていくものもあれば、しぶとく光を受けて生き残るものもある。

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この県道は中央に苔の帯がつづく。

雨に濡れると思わぬ挙動にひやっとすることもある。

オートバイとはいえ、軽自動車との離合も困難な道幅だ。

2速ホールドで慎重にカーブをこなす。

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県道435号線で寒狭川を渡り、海老へ抜ける峠を越える。

周囲の国道や県道(主要地方道)へ廻った方が楽なので

大抵の人はこのルートへは入らない。

何度か走ったことがあるが、海老へ出るまでに

クルマと擦れ違ったことは・・・ないかな。

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途中、大きな朴ノ木が上空で枝を広げていた。

1本生えているだけなのに、枝を広げた姿は巨大で

多くの木々がひしめく森の中での存在感は特別だった。

秋になるとその大きな葉っぱをすべて振い落して、根元に積もらせる。

朴の木はアレロパシーと呼ばれる他感作用によって

樹冠下の他の植物の発芽を抑制するため

この木のように独立してそそり立っているものらしい。

大きいものだと高さが30メートルにも達する巨木種だ。

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ヨーロッパ大陸のアウトバーンを疾走する雄姿の面影も薄く、

極東アジアの林道を這いずり回る銀じぃことR100RS。

前にも書いたけど、このオートバイは実はこういう道も得意で

そんな性格が日本人に愛されている理由なのかもしれないと

ボクは信じている。

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この日何度目かの雨宿り。

ずぶ濡れの銀ジィと、ずぶ濡れのカッパを着たおっさん。

黄昏色の時間が流れる、そんな雨の一日。

県道435号線その1の記事はこちらから


夏の盛りの風だにも

2012年08月06日 | R100RS 2本サス (1981) 銀じぃ

今年も暑い夏だ。

夏は暑いに限る。

白い雲が伸び上がって行く、真っ青な空。

耳鳴りのように響く蝉しぐれの森。

その中を駆け抜ける時、無意識に身体が喜んでいることを感じる。

といっても、

明日はもう立秋だ。

あーそうか、とも思う。

山里の日陰の空気がひんやりとし始めたと、

ボクたちオートバイ乗りは知っているからだ。

猛スピードのボクと猛スピードの赤トンボたち、ぶつかりそうになったしな。

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最近は真夏でもライディングジャケットを着ている人が多いけど、

やっぱりTシャツ1枚で、そいつをバタバタと風にはためかせて走るのが気持ちいい。

むき出しの腕が真夏の太陽に焙られて、ジリジリと焦げていく音が聞こえる様だ。

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オートバイを木陰に止めて、川で遊ぶ子供たちを眺めていた。

どいつもこいつも、ほんとに楽しそうで、ほんとに自由に見える。

子供はバカでイヤだけど、

子供は自由で素直でうらやましい。

大人はほんとにバカだけど、

大人は周りに気をつかってばかりでげんなりする。

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カラスがかーかー。

なんか用か?

あ、ボクじゃない?

ただ鳴いてみたかっただけ・・・か。

 


何も無いと見るか、豊かであると見るか(愛知県道435号線その1)

2012年07月03日 | R100RS 2本サス (1981) 銀じぃ

もう何年も前からそこを通り過ぎてきたはずなのに

県道への分岐があるなんて、ちっとも気付かなかった。

しかもそれが県道435号線(愛知県・作手保永海老線)の南の入口だったなんて。

地図を見てだいたいの見当をつけて向かったが、

あっさりと見落とし行き過ぎ、道を失した。

国道を本宮山スカイラインの南の入口付近まで進んで引き返した。

苦笑いしながら、分岐を分け入る。

それほど距離のある県道ではないけど、435号線には珠玉の趣がある。

小さな集落の中を心細い道筋が伸びている。

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さらに上るわけでも下るわけでもなく、道は巴川に沿って深い森の中を進む。

巴川は西三河の矢作水系と東三河の豊川水系両方につながる複雑な流れだ。

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時折、森が開けて集落が現れる。

集落にはやはり田畑が拓かれ、人が暮らす。

赤茶色の陶器瓦が特徴的な家が多い。

日曜の早朝、それほど大きくない銀じぃの排気音だけど、

それでも少し気が引けるような静けさが山村を支配する。

地盤が固いためだろうか、川は山奥であるにもかかわらず、あまり深い谷を作らない。

むしろ少ない高低差を求めて、もがくように蛇行を繰り返しているように見える。

流れも緩くはないが、烈しく岩を噛むことも無く、行方の定まらない不思議さがある。

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リアサスのダンパーのシールが抜けて、

ショックまるごとリプレイスした。

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外した純正とリプレイス品を並べてみたら

リプレイス品の方がちょっと短かったので、

また足つきが良くなるな、と思ってたら、

取り替えてすぐ跨ってみてビックリ!

全然足が届かない。

雑誌なんかで、RSはシート高が高くて足つきに難がある、と書かれているけど、

いままでちっとも感じたことなくて、

やっぱ現代っ子(?)のオレさまの足の長さは西洋人並みなんだ、と思ってた。

つまり、世間知らずのアホだったということだ。

30年たったバネは当然ヘタリまくってたって訳だ。

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この「ikon」というブランドのショックは、

赤いボディの「KONI」のライセンスを買い取ったオーストラリアのメーカー製。

動きも悪くないし、外観も純正に近くて、リプレイスには最適だと思う。

性能も良すぎないところが、RSのバランスにマッチしてくれると考えている。

ただ、他のブログでは耐久性に関して酷評されているので、

どれ程持つかが正直ちょっと心配かな。

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県道436号線との重複区間を過ぎると、

島田川の最上流の集落を最後に急激に高度を上げ、峠を越える。

峠の向こうにはまた別の集落。

斜面に貼りつく集落の中の細い道筋をたどって、慎重に谷へ下りていく。

やがて、豊川のたおやかな川筋にあたって、県道は国道257号線に合流する。

県道は南に下がった北貝津から東へ山を越えて、海老の街へ続く。

「貝津」という字名が多く見られるけど、何を意味しているのだろう。

「津」とは船着き場を意味することが多いが、

川津がなまったか?萱津か?

いずれにしろこの辺りは歴史的にも古くから人の気配が濃いところだ。

国道の合流点で、標識に従って一旦停止の後、

銀ジィの鼻ズラを南へ向けた。


オートバイの孤独

2012年05月31日 | R100RS 2本サス (1981) 銀じぃ

孤独を傍らに置けないオートバイ乗りは

真の意味でその楽しさを知らない。

徒党を組んで走るばかりでは、ただの烏合の衆だ。

何が悪い?と云うならば敢えて云わぬが、

そんなのオートバイ乗りではない。

得体の知れない不安から逃れるために仲間を求めても

そこには何の解決の答えはない。

あるとすれば、それは一時の気休めで

それが証拠に、ひとりになればまた云いようのない不安に苛まれる。

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オートバイに乗ることは、ひとりであることを確認する行為だ。

ひとりであることに安堵できれば、ひとりであることは何も怖い事ではない。

むしろ、わずかな共通点でつながる仲間の方が危うくて恐ろしい。

「絆」という言葉が流行した時、そこにあるそこはかとない気味悪さに寒くなった。

「絆」とは断つに断てない絆し(ほだし)のことだ。

元々は牛馬をつなぎとめる綱の意。

絆されるとは、束縛を意味する。

災害で窮地に陥った人々との絆を求める。

なんという違和感だろう。

一億火の玉。

あんなにも毛嫌いするイデオロギーに人々は安易に飲まれる。

オートバイを愛し、オートバイを日々傍らに置くものが

安易に集団に飲まれてはいけない。

ボクたちは世間から浮き上がっている分、もっと冷静に風の流れを読めるはずだ。

いや、そうで無くてはいけないのだ。

愛する女を決めるより、仲間を認めるのはむずかしい。

物分かりが良すぎるのも、どうかと思うぜ。

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リアサスのシールが抜けた銀じぃ(R100RS)で走りに出た。

元々すでにヘタっているから、走りに大きな違和感は感じない。

まだジンワリにじむ程度でそれ程でもない。

オーバーホールと云う選択肢は無いようなので、リプレイスするしかない。

ヘイゴンか、アイコンか、オーリンズか。

未再生であることにこだわっている訳ではないけど、

性能がリファインされるのは望んでいない。

R100RSが本来持つキャラクターを無くしたくはないのだ。

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アイコンくらいがいいのかな?

その昔、赤いショック(アブソーバー)のコニーと云えばなかなかどうして

その性能もさることながら、おしゃれなリプレイスパーツだった。

今になってKONIにお世話になるとは・・・・・・感慨深い。

といってもまだアイコンに決めた訳じゃあない。

関係ないけど、オーリンズって「オー」って云ってる部分は

オーウムラウトなので、正確には「(ォ)エーリンズ」だよ。

どうでもいっか?

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物分りがいいってことは、それはひとつの才能だし、

こんなめんどくさい世の中では、大切な資質なのかもしれない。

ただあまりに簡単にオーム返しの木偶の坊に成り下がってはいないか。

たとえ不利益を被っても、守るべき自我はないものか。

エゴでは飯は喰えぬ、とこないだ自分で云ったのだけれど、

やせ我慢が必要な時もあるだろう。

「自分を褒めてやりたい」とはオリンピックメダリストの言葉だが、

どこまでいっても自分を甘やかしてはいけない、とボクは思う。

なぜなら自分に甘いのが人間の常だから。

オートバイに乗っていると、

ボクはなんて自分に厳しいのだろう、と思うことがある。

真夏の太陽に焙られ、冷たい雷雨に打たれ、木枯らしに指の感覚を無くす。

そしてその度に、ああこれが生きるということかと、改めて気付かされる。

そんな時、ひとりである不安は木端微塵に砕け散り、

真の意味での孤独を手に入れることができる。

ひとりでも生きられるが、ひとりでは生きられない。

ひととはそういう生き物だ。


ファッションでひとは死なない

2012年05月22日 | R100RS 2本サス (1981) 銀じぃ

カッコいい服を着てそれがもとで死ぬことはないけど、

カッコいいつもりでオートバイに乗っていて死んでしまうことがある。

オートバイはファッションじゃないからね。

カッコいい、ってだけじゃあ後悔することもある。

死んでもいいとは思ってないけど、死ぬこともあると覚悟している。

そんなオートバイが好きだ。

だから路上では、すべてを見切って走ることが大切だけど、

このごろ、稀に勢いだけでコーナーへ入っていく自分に気付いて、

齢をとったな、と我ながら呆れている。

もっとスピードを落とさないとすべてを見切れなくなってきている。

とはいっても、キミよりはまだ速く走れるけどな。

ムルティストラーダでイン側の足出してるヒマあったら

ノーマルのダブルにちゃんとついてきなよ。

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銀じぃ(’81R100RS)が車検から戻ってきた。

そうそう前からお願いしといた6速クロスミッション。

やっと念願かなって取り付けてもらったよー!

って、頼んでないし・・・

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いつの間にか6速ミッションになってました。

車検っていい加減だよ。

このシールが無いと車検に通らないのに、貼ってあれば何でもいいんだから。

RTのシールなんて逆さまに貼ってあって、レーサーのパターンになってたよ。

今回はフロントフォークのオーバーホールがメイン。

前にいつ換えたかわからないオイルを交換して分解整備してもらった。

ホイールベース位の長さの窪みにはまるとバゴーンと吹っ飛んでいたんだけど、

シュコンッ、と一発で収束してやり過ごす、サスペンションの機能を取り戻した。

これには正直ちょっとびっくり。

リアサスはオーバーホールできないのでどうしようか?

なんて思ってたら、上手い具合に(?)シールが抜けてオイルだらだら。

いよいようれしいリプレイスの予感がしてきた。

というか、リアサス交換しなければ(must)だよ。

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元ディーラー(今はカワサキのショップ、なのにダブルを赤男爵で買っちまって、ボクの株

だだ下がり)で引き取って、そのまま浜名湖方面へ走りに出た。

タペットの調整をしてもらったので、メカノイズに耳を澄ましてそれを記憶する。

左側がちょっと詰まっていたらしい。

冬にテックモーターサイクルでタイヤ換えた時にも「詰まってるかな」と云われたから

そうなんでしょう。メカニックはすごいね、音で聞き分けるんだから。

たしかに、今日はいいメカノイズ出してる。

4000rpmのタペット音はうっとりする響きだ。

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のんびり浜名湖を流した後、山へ入る。

県道303号線(静岡県・新城引佐線)でくねくねと奥山を経て、

その先の県道81号線(静岡県・豊橋下吉田線)で鳳来を目指す。

九十九折ではそれ程感じなかったけど、どうもタイヤの空気圧が高いッポイ。

少しスピードの出るワインディングでそれは確信に変わった。

深くバンクするとちっとも起き上がってこないのだ。

すごく寝たがるけど、バンキングだけでは舵角を付けず、

旋回しだすと、こんどは起き上がろうとしない。

これは空気圧が高すぎるときの特徴だ。(メッツラーのパーフェクト19インチ限定)

オートバイに積んでるペン型のゲージで計ってみたらリアが2.4くらい入ってた。

その場でシュパーーーーーーッと抜きまくって1.8まで下げる。

フロントは2.2くらいなのを1.9へ下げた。

うーーーん、これこれ、やっぱグニャグニャくらいが丁度いい。

バンキングと舵角の付き方が自然で、なによりコントロールしやすい。

低すぎるかなとも思うけど、/7系のマニュアルにも

ヘインズにも記載のある数値なので、一応、ノーマルなセッティングとも云える。

あ、そうそう山の中のワインディングでR100Sのリミテッドエディションと擦れ違った。

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ボクの持ってる洋書には、not great succes(すんゲェー成功とまでいかない)

とまで解説に書かれていたけど、なかなかどうして、

極東アジアの山の中で見ると、なんとも素敵な塩梅ですよ、あれ。

OHVのRって、じいさんに良く似合う。

白いアゴヒゲが良く似合う激シブGGライダーだったな。

うらやましい。

オートバイのカッコ良さって、ファッションじゃあない本物のカッコ良さだ。

憧れだけでは手に入らないし、ましてや何処にも売ってない。

お金で買えないもの。

本当に手に入れるべきものは、お金では買えないものだ。

カーナビでも、ブルートゥースインカムでも、ハンディカムでもない。

走るように生きること。

生きるように走ること。

オートバイ乗りは生涯をかけて走ることの意味を探し続ける。

ボクたちはなぜオートバイで走るのか。

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先日、JRのリニア鉄道館へ行ったとき、

古い機関車たちが幾重にも塗装を塗り重ねられて

みんなに大切に使われていた姿にものすごく心打たれた。

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銀じぃもあちこちに錆が出てきている。

表面の錆を削って、ペンキを塗り重ねる。

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見栄えは悪いけど、なんとなくボクは気に入っている。

あと何年、銀ジィに乗ってやれるのか分からないけど、

ボクと銀ジィの寿命は似通っているような気がする。

まさにいい相棒だ。

いつまでもダサいおっさんだけど、いつか御前のようにカッコ良くなって見せるぜ。

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冬の日差しにまどろむ「銀色のヤツ」

2012年01月09日 | R100RS 2本サス (1981) 銀じぃ

年が明けてだいぶ経つけど、乗っていない。

正確に云うと、ほとんど乗っていない。

仕事が一般の人相手のものなので、人が休みの時は忙しい。

加えて、今週は大きな機械の搬入と設置が予定されているので、体力温存に必死だ。

こんな時に、足腰を痛めたり、風邪でも引こうものなら、大ヒンシュクは免れない。

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ガレージに差し込む冬の日差しに銀ジィは惰眠をむさぼる。

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冷たい空気が入り込んでいる様だけど、

日差しが思いのほか強くて、その陽気に誘われた。

きのう一日充電器に繋いでおいたにもかかわらず、

銀ジィ(81年式R100RS)は目覚めが悪い。

セルモーターが一瞬たじろぐけど、

それでも良好な始動性に助けられて

ふたつのピストンはすぐにジャブを打ち始める。

ヘルメットを付けて、グローブをはめ、

ひとしきり肩や腰を解してから、おもむろに打ち跨り、ゆっくりと走り出す。

肩を入れるようにして、RSの独特なポジションに身体を馴染ませ、

シートへ意識して体重を預ける。

軽く重心移動してリーンさせ、フロントの追従に感覚を合わせ、銀ジィと一体になる。

一体式のクランクケース全体に熱が回るまではゆっくり行く。

けれど熱が回ってからのこのエンジンは、明らかにフィーリングが変わる。

今の高性能エンジンたちの軽い廻り方とは異なる「軽やかさ」だ。

この感覚のためだけにOHVフラットツインを走らせる価値がある。

これをすべて時計仕掛けでやっていることが、さらにそれを愛惜しく感じさせる。

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行くところがないので、岡崎・知立バイパスを走って行って、

豊明から伊勢湾岸道に乗って岡崎へ戻る。

刈谷ハイウェイオアシスで意味もなく休憩。

空が真っ青で、空気がピリピリと冷たかった。

外のベンチに座ってコーヒーを飲む。

少し離れて銀ジィを見ていると、

モコモコに着込んだじいさんが二人、銀ジィを囲んでベンベベンベと騒ぐ。

一人は詳しいらしく、シリンダーを指して「水平対向は振動がない」と力説する。

正確に云うとバランサーが無くても、ラバーマウントしなくても

他のレイアウトに比べて振動は少ない、だ。

今度は、若いお母さんが運転するメルセデスベンツC250が停まり

後ろから小学生くらいの男の子が降りてきた。

その子は銀ジィを見つけると駆け寄ってきて(シリンダーに触るなよ!やけどするから)

「おかーさん!ボク、大人になったらバイクが欲しい!」と叫んだ。

今どき珍しいガキだ。(でもきっとメルセデスに乗るんだろ?)

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いや、そのガキの言葉を信じよう。

少年よ、オートバイは素晴らしいぞ。

きっと自分のオートバイを手に入れて、自分の道を走って行けよ!

            〇

正月明けのブログに「北海道へ行く」みたいなことを書いたら、

なんとなく自分でもその気になってきて、

5年前に行った時の地図や資料を引っ張り出しては、

あれこれと懐かしんだり思い出したり・・・

こりゃホントに行くかもな。

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遅ればせながら新年のご挨拶を

2012年01月03日 | R100RS 2本サス (1981) 銀じぃ

あけましておめでとうございます。

相変わらずの内容かとは思いますが、今年もどうぞよろしくお願いいたします。

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年頭にあたって、今年の抱負とか、目標とか、

ここで一発ブチ上げるのが、前向きな社会人としては重要なのでしょうが、

いつ辞めても、どうサボっても、誰にも咎められないのが趣味の良いところ、

どこそこへ行くとか、どれ程走ってやるとか、

正直、知ったこっちゃない、というのが本音です。

「マネージメントサイクルを趣味に持ち込むな!」

これはボクのジィちゃんの遺言です。

自由であること。

孤独であること。

つまり、これは生と死の狭間に身を置くこと。

社会にまみれる実生活とのバランスをとるために

オートバイでの走りが必要なのだな。

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できれば、と前置きして書かせていただけば、

北海道へ行きたいな、とは思っている。

とは云うものの、これは毎年考えることなので、あまり現実味がないですね。

でも、口にすると実現する、というジンクスがボク的にはあるので、

「北海道へ行きまーす!」

と宣言することにしときます。

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ではみなさま、今年もガツガツ走りませう!

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