ソロツーリストの旅ログ

あるいはライダーへのアンチテーゼ

振り返ってみるとオートバイがいちばん好きだった

紅葉がすっかり終わったせせらぎ街道を走り抜ける天邪鬼

2022年11月29日 | R100Trad (1990) クロ介
いつもこの時期

すっかりその美しい紅や黄の葉を振るい落として

初冬の気配を見せるせせらぎ街道を走りたくなる

天邪鬼にも程があるね



とは言え

一歩間違うと路面凍結で入れなくなる場所なので

タイミングを計るのが案外むつかしい

この日も

もう凍結の危険があってダメだろうと諦め

いつもの散歩走りに出かけたけど

途中の陸橋の上から見た青空にソソノカされ

高速上のヒトとなった



パタゴニアのフリースベストの上にユニクロのウルトラライトダウンで暑い

ときどき現れる気温表示も15℃

風もないし空には雲ひとつない

東海環状道から肩の上まで雪をかぶった峰々のパノラマ

御岳、乗鞍、中央アルプス木曽駒、恵那山まで

寿命が伸びそうな有難い情景をみせる

このごろは、景色を求め、感動を期待する人が多いが

美しい景色とはそもそも出会いだ

無償の美しさは見る側の感受性の豊かさを必要とする

言葉を失い、息を飲む景色を生むのは

間違いなくあなた自身なのだから

メディアですでに体験した風景に感動するのは

それは感動ではなくて感動という感情の疑似体験に過ぎない

平安貴族たちが

歌枕の情景に耽溺し渇望したように

行き過ぎた裕福さは時に心の貧しさを露呈する

価値観は多様であるというが

必ずしもそうではない

心の貧しさは

意識を持つヒトとしての存在そのものを否定している気がする



郡上八幡から国道472号線を経て

せせらぎ街道(岐阜県道73号線)へむかう

行き交うクルマやオートバイの少なさに冬を感じるが

ここまで来てもなお今日は暖かかった

道の駅パスカル清見を過ぎて

クロ介に鞭を入れる

ミシュラン ロードクラシックの旋回が楽しい

先日の車検で

キャブレターの同調とタペットクリアランスの調整してもらったけど

明らかにエンジンの調子が良い

スロットルOFFでのミスファイヤーも減ったし

プラグへのカーボンの付着も減っている

なにより回転の滑らかさがうっとりするほどなのよ



路面は乾いていて凍結の気配ゼロ

西ウレ峠でも気温10℃

せせらぎ街道は紅葉よりこのワインディングが好きだ







川の流れを眺めながら休憩

風が全くないので椅子にもたれていると日差しが暖かい



おそらく今年最後の遠出

もうちょっと寒くてよかったのにね

志摩リンに激しく同意・・・死語か

2022年11月22日 | R100Trad (1990) クロ介
ひと雨ごとに

気温は確実にひと段階ずつ下がって

色づいていた木々も徐々に色褪せ、葉を振るい落としはじめた

秋が深まり

冬の足音が聞こえてくるこのころ

オートバイで走りに行ける場所が減っていくのを実感する



とはいえ

クロ介はあの大きなカウル

真冬でもグリップヒーターどころか分厚いグローブも無用

爪先は、暖かいとまでは言わないけど冷たさは感じない

路面さえ凍らなければ

冬も悪くない

「虫がいない、汗かかない、他のライダーがいなくて静か」

「デカいカウルとフラットツインのエンジン熱が気持ちいい」

「空気が澄んでいて景色がきれいに見える」

「カップヌードルやコーヒーが旨い」

まるで志摩リンの冬キャンする理由と一緒だ

冷たい空気の中

紅葉が終わった閑散とした山道を

クロ介の大きなカウルに潜り込んで駆け抜けるとき

なぜだか胸が躍る



北陸道の木之本で降りて

紅葉の美しい河岸沿いに琵琶湖の北岸を走る

サクラの名所として有名だけど

サクラはもうすっかり葉を落としていて

その尖った無数の枝先が澄んだ秋の空を突き刺す



秋の盛りを過ぎたこの時期が好きだ

少し寂れて、美しさが際立つ







なんだか有名になりすぎたマキノのメタセコイヤへ寄る

もうすっかり観光地になった

「映える」景色はインスタの餌食



まあいいか

素敵な場所はまだまだ無限にある



高島から山へ入って

鯖街道を南下する

それにしても今年の人出は異常に多くないかい?

平日の鯖街道なんて今までだったら閑散としていたものなのに

今日は紅葉マークのクルマが列をなしている

でも観光バスをあまり見ないから

各々がクルマで繰り出してきてるのかも

オートバイも「ブーム」らしくて

平日なのによく見かける

「ブーム」ならそのうち終わるのかな

ひと冬越すごとに減るっていう印象あるけどね


朽木でいっぷくした後

鯖街道をさらに南下する

安曇川沿いは快走路でクルマの流れも速い

三橋節子の日本画を思い出させる花折峠

かつて険しかった峠も

今ではトンネルで越える


琵琶湖大橋を渡って湖東へ

しばらく湖岸道路を走る

琵琶湖と比叡山のパノラマが続く

ちょっとルートを間違えながら近江八幡市街を抜ける

間違えたおかげで

西の湖と水郷が見られた


国道421号線 八風街道で峠を越える

途中の永源寺ダムが紅葉の盛りで

とっても気分いいんだけど

ここもすごいクルマの列

中央線が破線になったところからガンガン追い越していく

鈴鹿山脈を貫く石榑トンネル

10年前まではこの八風街道の難所だった石榑峠

でっかいセメントのブロックで左右を塞いで文字通りの全幅制限していた

今ではこのトンネルで5分あれば越えられる

結局、鯖街道 朽木から4時間

ぶっ通しで走り切ってしまった(だから写真ゼロ)

クロ介はそんな頼もしい相棒なのだよ

ラリージャパンがいつもの散歩ルートにやってくる

2022年11月07日 | R100Trad (1990) クロ介
朝、テレビを付けたら気象予報士のおネェさんが

「今日は立冬です」と、きやがった

それでもって続けて云う

「けれど今日の日中は気温が上がるので、冬はまだ座っているでしょう」だと

クソ面白くもない事をニコニコしながら云いやがるもんだ



彼女の予報どおり太陽高度が上がるにつれて

気温もどんどん上昇している





先週車検から帰ってきたクロ介を引っ張り出して暖機させる

チョークをいっぱいに引いて始動させ

ストッパーを締めこんでスロットルを3000rpmくらいに固定する

「何を云っているかわからない」だろ?

ティクラーをカチカチさせてーー、が無いだけマシだけどね



ハーフチョークで走り出す

県道への合流点でクラッチを切るとまだストールの気配がある

スロットルをやや開けたまま止まり交差道路の安全を確認

エンストさせないように長めのミートで合流する



今週末いつもの散歩コースはラリージャパンのSSのコースになる

山へ入ると通行規制の予告看板

いたる所に規制用のテープが用意されていた





三河湖の腰掛山荘辺りではスタッフがブロアーをもって

路面の落ち葉を吹き飛ばしていた

それにしてもラリーってすごいな

いくらヤリスクラスの小型車だといっても

「ライン」なんて一本しか存在していない

あの狭く不規則に曲がりくねった、しかも路面状況なんて最悪な公道だよ

レーシングスピードで一発勝負



この交差点なんて、一旦停止して左にフルロックまで切らないと曲がれない

彼らはおそらくリアをドリフトさせて一瞬で向きを変える



羽生ダムの上へ通じるこのヘアピンを

レーシングスピードを維持したままドリフトしてクリアするんだろうな

この情景を思い浮かべてキーを叩いてるだけで指先が震えるほどワクワクしてくる



見に行きたいけど国際レースなので観覧席がめちゃエクスペンシブ

テレビ中継がしっかりあるからそっちで見るか

この土曜に額田、三河湖方面は基本は入れないから気を付けて



車検上がりのクロ介(BMW R100RSもどき)は

左右のキャブレターの同調をしっかりと取ってもらい本調子を取り戻した

低回転で出ていた振動も消え

スィートゾーン(4000rpmくらい)のエンジン音は痺れるハーモニーだ

購入して2年

ちょうど1万km走らせた

オドメーターは22000km

30年以上前の登録だけど途中15年くらい店番してたクロ介

問題はほとんどなくなったけど

プラグにカーボンの塊ができる原因がつかめない

左右のプッシュロッドの付け根からとニュートラルスイッチから

若干オイル漏れしているけど

それ以上にオイルの消費が激しい(まー1000km1ℓだから普通と云えば普通だけど)

今日乗ったときに明らかにミスファイヤーが無くなってたので

もう少し様子見だな

でも全体的にはまだ22000km相応の快調さは感じる

R100はクロ介で3台目なんだけど

みんなそれぞれ調子が違うとこがやっぱおもしろいね