ソロツーリストの旅ログ

あるいはライダーへのアンチテーゼ

振り返ってみるとオートバイがいちばん好きだった

サクラはどれもみんな美しい

2021年03月31日 | R100Trad (1990) クロ介
新東名で新城まで行って国道へ降りた

151号線で飯田まで行ってくる


今年は春が早くて、もうすでに春の装いだ

クルマも少なくてそれなりのペースで距離を稼ぐ




豊根の道の駅を過ぎると人の気配はなくなり

新野の峠へ向けて大きくワインディングしながら高度を上げる


OHVボクサーのコーナリングは少しコツがいる

バンキングを始めるまでにスピードをスタビライズさせておくことが大切

そこからバンキングしながらコーナーの出口に向けてスロットルを開け続けていく

フルバンクに向けてスロットルを開けていく方が安定する

だからちょっとアンダー気味に旋回するのを

上体をインに加担してスロットルを開け続けると個性が生きる


低い回転から大きくスロットルを開けてトラクションをかける

ビックボアでもツインプラグ化した効果が出て吹け上りは軽い

もちろん速い訳ではないがコーナリングは楽しい



峠を降りていくと風が強くなった

道の駅 信州新野千石平

今年のサクラは山里にも早い訪れ

さすがに新野はまだだったけど

500メートル付近まではサクラ前線は上がってるようだ


その先阿南へ降り、下條に入るとサクラは満開

とても贅沢な季節だ


そのあと飯田から高速に入って帰ってきた

初めて300kmを超える連続走行だったけど

全く問題ない走りだった


それにしてもサクラがきれいだった

ボクの町にもサクラの並木がある



とてもきれい

でもサクラってホントにどれもきれいだ

有名なサクラもあるけど

街に咲いてるサクラもいい


金子みすゞの詩に好きな一節がある

極楽寺のさくらは八重ざくら、

八重ざくら、

使いにゆくとき見て来たよ。

横町の四つ角まがるとき、

まがる時、

よこ目でちらりと見て来たよ


のんびりサクラを眺めるんじゃなくて

使いの途中に、四つ角曲がる刹那に

よこ目でちらり


サクラの美しさがうっとりするほど伝わってくるな









ステムのロックナットを締め直す

2021年03月29日 | R100Trad (1990) クロ介
ちょっとした段差やギャップを超えるとき

フロント周りからガタガタ、カタカタそんな音がしだすと

ステムナットの緩みを疑う


R100RSというとウォブルが持病のように云われるけど

ステムベアリングが正常ならウォブルが出るなんておかしいと思ったほうがいい

神戸ライダースクラブの千石さんもいっていた

BMWがそんなバイク作るわけがない、と


ステムのロックナットは36mmと特大サイズのナットだ

だからオートバイ屋さんでやってもらいなさいと技術書なんかに書いてある

でも、経験上このステムに関しては意見がまちまちで

いつも侃々諤々の議論や詰り合いになる部分だ

だから経験が多いメカニックほどここの締め付けに信念を持っていることが多い

でもね、大概「緩い」

締め付けが強いとベアリングを痛めるのでギリギリの弱さで締め付けたいようだ

国産車だとステムをダブルナットで締めていることが多いように思うが

R系はステムナットの上に薄いトップブリッジを乗せてナットで締め付けている

ここがいろんな意見が出てくる問題の個所だけど

ウォブルが出ているならメカニックとよく相談したほうがいいと思う

でもプライド持ってる人が多いから素人としては言いにくいよね

「もっと締めてよ」なんてね


だからステムが正常ならこのナットの締め付けを自分で試すのも手だと思う

手で回るほどゆるゆるだとちょっと危ないけど

ちょっとずつ締め付けて試すのがいいと思う

何度もいうけど(大事)ステムが正常というのが大原則



中央のナットがステムロックナット

まずハンドルを外す



36mmのナットを外す

すごい力で締まってるはずだからオートバイを倒さないように注意してね



スピナーハンドルで慎重に回す

外してもいいし、外さなくてもいい

フォークのトップナットも少し緩める



信じられない薄さのトップブリッジの下に見えるのがステムナット



フックレンチでいったん緩めて

そして締め直す

ここの締め付け具合に指定トルクはないらしい

というかリングナットだから無理なのか

でもここの締め付けに明確な答えはない

面倒だけど

強く締めたときのステアリングの重さ

緩い時のステアリングの動き

これはもう自分で試すしかないと思う

無責任な言い方だけどいろんな話を聞けば聞くほど

答えどころか方向性もわからなくなってくる箇所だ

まあ、一番多いのはこれ

「強すぎず弱すぎず」

ステムを締めたらフォークのトップナットとステムロックナットを締めつける

そして最後はトルクレンチで規定トルクで締め上げる



107Nm

これが一番重要


さてそしたら試走に出よう

ウォブルなんて無縁だ

スピードへの渇望が消えるとは…

2021年03月24日 | R100Trad (1990) クロ介


かつてオートバイの開発目標はモアスピードだった

もちろん存在意味もスピードだ

200km/hを超え

ほどなく300km/hさえ手中に収める

「どこでそのスピード出すの?」と野暮なことを云う奴もいる

エンジンパワーはいうなればオートバイにとって「凄み」だ


H2Rや隼はまだまだ進化を続けるが

SRは息絶えた

SRのようなオートバイは先進技術を取り込み延命を図れば図るほどその魅力が薄れていく

隼はさらに進化し、一層その凄みに磨きをかけた


21世紀を目前にした2000年

ボクはカワサキZX12Rを買った

3速でもフル加速でフロントが上がってくる強烈なパワーに心が震えた

でもその時同時にこれはもう自分のコントロールできるモノじゃあないとすぐに気付いた

リアに履く200サイズのラジアルタイヤがボクを守ってくれていた


CB750Fの怖ろしく効かないディスクブレーキや

GPZ900Rの超高速でのヨーイング

限界域での帳尻合わせが必要だったころのオートバイは一見危険そうだが

「これ以上はダメ」と言ってくれているようだった



初めて自分でフロントタイヤを着脱したので

正直おっかなびっくり走りに出た

岡崎から23号バイパスをつないで豊明まで行き

伊勢湾岸道で戻ってきた



バイパスも高速もクルマが多くて走りずらかった

それにしてもこの頃のクルマは速いね

ボクがいま乗ってるマツダ3も155PSしかないけど高速はかなり速い

静粛性も高くてサスペンションも高性能

クルマはみなスムーズに走っていく


こっちはといえば1000ccもあるのに60PSしかない

まあ60PSあればそれなりに走るけど

120km/hも出ればもう4000rpmは回っている

スナッチには過敏に反応するし

当時としては優秀なブレンボのダブルディスクも初期制動は甘い

外乱には耐えるというより受け流す、だからちょっと収まるのに間がいる


けれどR100は、まあ贔屓目だけど

堂々と流れに乗って走る

こいつが生まれたころでさえすでに時代遅れだったけど

そんなこと微塵も感じさせずに

ただただ前へ前へと走っていく



残念ながらすごく気持ちがいい

スピードが大好きだったボクからすっかりその渇望が消えていた

ちょっとがっかりだけど

いまはずっとこいつに乗っていたいと思う時代遅れのおっさんなのだ


R100TRAD 「RS」化プロジェクト その3

2021年03月16日 | R100Trad (1990) クロ介
その3回目

無理やり続けてますが、これが最後かもです

ほんとにあっさりすべてが順調ですよ



この間に黒っぽい純正フロントフェンダーをヤフオクりました

ストラトスグレーという珍しい色のやつなんですが

クラシカルブラックがなかなか出てこないので(落札した後すぐ出ましたけど)

1回見送って、2回目で我慢できずに落としてしまった

よーーーく見れば微妙に異なるけど、まーよく似てるね


メーターとウインカー、照明の電装は心配したけど一発で点灯




今回は現状の問題点と今後の課題


1:配線が赤と黒でかっこ悪い   せめてきっちり結線してすっきりさせたい

2:立派なバーエンドがフルロックでカウルに当たる 走ってみたらやっぱりグリップヒーターいらないので純正グリップに戻す



3:ホーンがカウルに当たっている   移設ですな ついでにツインホーン化



4:車体色のチグハグ感が半端ない   やっぱり全塗かな

5:以前につけていた純正シングルシートを装着したい  簡単だけど色が銀色なのでさらに車体色がめちゃめちゃ

6:ブレーキラインが適切じゃない  RS純正のラインにするか

7:ハンドルのセットバックが違和感がある  銀じぃの時はノーマルで乗れてたのでデフォルト位置に戻してパッドをつける

8:アンダーカウル装着にはオイルクーラーが邪魔  純正オイルクーラーに戻すか



9:言い出すとキリがない  パニアケースがあれはダサい  クラウザースタイルが欲しい

10:ところでこのまま車検通せるのか


              
配線をきっちりと結線して、グリップをノーマルに戻した

ホーンはツインホーンの材料が揃うまでステーを曲げてやり過ごした



ここで余談

フロントフェンダーを交換しようとあれこれ見てたら

なんとフロントフェンダーの裏側が油と泥でべたべただった!

自転車のチェーンカバーの裏みたいな感じでオイルは粘度が低そうだった

フォークのカバーを外してみてもオイル漏れはなかったし

ブレーキキャリパーやラインも異常なさそうに見えた

すぐにオートバイ屋に行って診てもらったがこれといったオイル漏れはやはり見つからず

一度きれいに掃除して再発具合を観察することになった

その時、フロントフェンダー交換の方法をそれとなく聞いてみたら

「フロントタイヤ外さないと取れないよ」と

「まじですか、フロントタイヤ取る技はないな」とボク

そしたら軽く失笑された

まーそうでしょうよ

でもこっちはただのオートバイ乗り

万が一自分や他人に危険が及ぶかもと考えてタイヤを含めた車輪とブレーキはさわらないと決めていた

でもあの何気ない失笑で(いや、なんの含みもなかったと断言できますけど)やる気スイッチが「ON」カッチーンと入った



そんでもって外してやったわさ

黒いフェンダーやっぱり合う





朝一でカーマへトルクレンチ買いに行きましたけど、何か?

R100TRAD 「RS」化プロジェクト その2

2021年03月10日 | R100Trad (1990) クロ介
プロジェクトと大見得切った割に

案外あっさり進む「RS」化


某プロジェクトXなるTVプログラムでは

無理とも思える局面を懸命に打ち破る様が感動を呼ぶが

やってるこっちもあっさり過ぎて

「プロジェクト」の看板を下ろして

「顛末記」くらいにしようかしら、と考えるこの頃



以前に手に入れたモノサス商品群の取説に

R80とR80RTの配線図が付いていて

老眼の上に酒が入った状態でグルグル線をたどった結果



カウルレス車にはメーター拡張用のコネクターが用意されていることが分かった(図中13のコネクター)

バッテリー直結のライン(rt)

イグニッションを経由しスイッチに対応するライン(gnsw)

ポジションライトから来るパーキング対応のライン(grsw)

そしてアースライン(br)

実物はライトケース内のこれ(中央の白い4Pの丸いコネクター)



全体的にアースは基本、茶色のケーブル

バッテリー直結のやばい線は、赤だ

RTの配線図と現物のメーター類をにらめっこして

出来上がったのがコレ



プロジェクト用配線図!

これですべてが上手くいくはずだった(田口トモロヲ風に)プロジェクト・エックス!


カーマ(近くのホムセン)にはエーモンのケーブルしかなくて

被覆が「赤」か「黒」しかない

(前にウインカー配線したときそのせいで混乱しまくった)

嘆いている暇などなかった(田口トモロヲ)プロジェクト・エックス!



実際結構大変で、途中ちょっと鬱になりかけたり

手や指が攣ったりしそうになったり

首、肩、腰はバキバキに凝りまくったよ



カウルを仮付けして

恐る恐るスイッチをひねるが

またもやあっさりすべてが作動

30年以上前の機械がこうもあっさり作動するのにちょっと感動するが

まあ、機械とはそういうもので

こうすればこうなる、というわかりやすい論理

ついでにいうと、このころの機械はそれで成り立っていたとも云えるかな



機関車のコックピットみたいだ

これが好きなんだからしょうがない

カウルのネジを本締めして試走に出る

ビビり音が出ることもなく

ミラー(前期型の小振りなタイプをヤフオクった)もよく見える



次回は配線の整理と問題点の洗い出し







R100TRAD 「RS」化プロジェクト その1

2021年03月03日 | R100Trad (1990) クロ介
R100RSのカウルは市販車初の試みだったので

衝突したときのことまで考えて

相当強靭なつくりになっている

素材は当時のレースでも使われていたグラスファイバー製で

補修が利くというメリットもあった

重量は確かに相当なものだが

どこを持ってもほとんどたわまない程の強度がある



こんな頼りないステーだけで、あのデカいカウルを支えている

甲殻類みたいに外装(カウル)自体が強度を持つ「殻」なので

最小限のネジで取り付けることができるようだ


話が逸れるけど

このR247くらいまでのBMWモトは

日本製のオートバイを見慣れていると

うん?と感じる部分が多々ある

トップブリッジは鉄板の打ち抜きみたいなやつだし

エンジンもたった2本の棒でフレームに固定されていたりする

このカウルステーも実際に取り付けてみるまで

ほんとにこれだけ?

と、ちょっと頼りないくらいのパーツだよ





ライトを落として、その後ろに露出したフレームの浅いネジ穴に

M8X12mmの頼りないボルトで頼りないステーを固定する

「付くのか?」なんて思う間もなく、あっさり取り付いた





ライトも配線の長さなんかに問題もなくポン付け

「RS」化プロジェクト、とか大見得切るほどの改造じゃあないのかも

前にアップしたようにこの後アッパーカウルを仮付けしてみたけど

ほんと何の問題もない



ハチ

蜂みたいだよね

フェンダーを黒にしたらタンク黄色でもいけるかも、なんて思えてきて

写真を黒く塗ってみた



悪くないね


アンダーカウルまで取り付けるとなると

オイルクーラーが問題になる(カウルにぴったりポンの穴が開いてる)

とりあえずアッパーカウルを付けて

夏の間は「半ズボン」でいく、かな


次回はサプリメントメーター類の配線を作るよ