ソロツーリストの旅ログ

あるいはライダーへのアンチテーゼ

振り返ってみるとオートバイがいちばん好きだった

「そういうの、信じる?」と確認されたことを思い出す

2023年02月13日 | 水溜まり探訪


暦というのは良く出来ていて

季節の事象だったり、人の体感だったりに

ぴったり嵌まっていることに感心する

正確な測定器や観測のデータベースなどなくても

ヒトの感覚器は気候の変化をつぶさに嗅ぎ分けてしまうということか

ボクがいくつになっても毎年「寒」のキビしさなどすっかり忘れてしまっても

その中に仄かな春の息吹を感じ取れるのは

人並みにも春を待ちわびる切実な心の為す技なのかもしれない



「春は名のみの風の寒さや」と歌われるとおり

微かな気温の温みを一網打尽にするような北西の風は

まだまだ強烈に冷たい

今日来たのは見事な堰提を持つ水溜まり「とよおか湖」だ



蒲郡市北部の高台に位置しているので

堤の上から三河湾の眺望が利く

蒲郡は地元なのであまり意識しないが

国定公園にも指定されていて実は風光明媚なところだ

凪いだ三河湾はまだ高度の低い冬の太陽に全面が反射して眩く輝く



浮かんでいる島は多くはないが

どれもこんもりと木々を茂らせ文字どおりポッカリと

小気味よいバランスで点在する

しかし景色が見渡せるということは風を遮るものが無いということで

緩くはあるけど常に冷たい北風に晒され寒い、ここ



せっかくの春の陽気なので今日はもう少し走ることにする

トラックだらけの蒲郡街道を車列に交じってノロノロ進む

さっきのダム提からもよく見えたけど

三河湾は西側の知多半島と南側の渥美半島に包まれた大きな水溜まりだ

内海であり水深も浅いのであまり大きな波が立たない優しい海だ

よく見ると本当に美しい景観を作り出している

豊川橋からバイパスに乗る

ここいらは交通機動隊の狩場だ

スピードだけでなく車間距離不保持なんかでもバンバン狩りまくる

クロ介のバックミラーはほぼ見えない(振動でね)

実用上問題はないけど、それがパトカーなのかどうかはわからない

振り返って目視したりするか、そもそもスピード出さなきゃいいって話か



豊橋港ICで県道2号線へ降りる

工業地帯を走るこの県道は面白みはないが走るのは楽しい

途中にある三河港大橋は船を通すために真ん中が盛り上がってカッコいい

橋の上からさっきまでいた蒲郡が良く見える

あっという間に反対側だ

トヨタ自工の田原工場が広がる埋め立て地の中をぐるっと迂回して

白谷の手前で旧道と合流する



以前は冬になって山に行けなくなるとよくこの辺りに走りに来ていた

いつも立ち寄るのはこの「サービスエリア」

前はトイレも使えたけど今はダメだ

自販機の数も減った気がする

道路を挟んだ向こう側がすぐ海で、釣りをする人も多い

ここからも向こう岸の蒲郡の街や山並みがよくみえる



ずいぶん昔のことだけど

オートバイを停めていつものようにここに座っていたら

ふいに一台のクルマが止まり、中年の女が下りてきた

まっすぐにボクのところに来て「何してるの?」と聞く

海を見て休憩してる、答えると

女は唐突に、あなたに良くないモノが憑いているから取り除きたい

「そういうの信じる?」と云った

ボクは胡散臭いものが嫌いだ、と云って笑うが

女は真面目な顔をして、手を出せと云い

云われるまま右手を差し出すとそれを両手で握って目を閉じた

どれ位そうされていたのか忘れたがしばらくした後

「ほら、軽くなった」と真顔で云った

「いや、ぜんぜん」とボクが答えると女は笑って

「じゃあ、ウチに来て」と云った

―――あれはナンパだったのか、除霊師だったのか



やくざに変なモノ売りつけられたり、ホモに痴漢されたり

病気みたいな客に脅されたり、霊能者を装った女にナンパされたり

・・・人生には本当に嫌なことが多い

しかもそのほとんどが「人」にかかわる事柄だ

もちろん良いことだってあるだろうよ

でも、ボクにとってはイやなことの方が遥かに多い



実は女の人はこの近くでカイロプラクティックの施術をしている整体師で

そっちの興味は大いにあるんだろうけど霊能者ではない、当たり前だけど

だから、正確にはナンパではなく勧誘(客引き)だ

白谷から一山越えて、田原の街外れに出る

ここにも大きな水溜まりがあって周囲が公園に整備されている

この「芦ヶ池」は東三河の農業の生命線といえる豊川用水の一部

どう見ても大きな川がありそうに見えないこの渥美半島の先端に

「初立ダム」という大きなダムがあるが

豊川上流部の宇連川からこの岬の先端まで

用水路で水を送り、ナミナミと貯めているのだから驚く

この芦ヶ池はその中間施設で平地にあるためダムはなく

本当に大きな水溜まりだ





ここも遮るものが何もない

だだっ広い水たまりの周囲だから当然だ

だから日差しはポカポカなのに冷たい風に常時晒されサブい

クロ介を風上において椅子を広げる

昼も過ぎたので、パニアに積みっぱなしのカップヌードルを食べて温まる



コーヒーを淹れ

椅子にもたれて目を閉じると

瞼の向こうで水面の照り返しがいくつも弾けた

霊能者の手技より、このキラキラのほうが何倍も除霊してくれそうな気がする

って、なんか憑いてんのか?

水溜まり巡りも好きだけど

その宿命として風当たりが強いところばかりでサブい

そろそろお山が恋しい立春の候かな

油で揚げて砂糖をまぶしたアレ 「油が淵」愛知県安城市碧南市

2023年02月02日 | 水溜まり探訪
大寒って、響きのいい言葉だ

「ダイカン」=固く強そうなイメージがする

サブいのは好きじゃぁないけど

季節の「底」みたいな感じがして縁の下の力持ち感がある

頂から底を俯瞰するより

底から天空を見上げる方がワクワクすることない?

これから迎える春や夏に思いを馳せ

今日は冷たい空気の中を走ろう



走り出すまえに道具を積む

アルコールストーブだったり

風防だったり

カップだったり

まぁそんなやつだ

燃焼音がほとんどしないアルコールストーブが好みなんだけど

この頃の寒波に燃焼がなかなか安定しなくなっている

トランギアにはプレヒート用のプリヒーターってのがあるけど

OD缶とかが寒すぎて使えないならいざ知らず

これくらいの寒さならガスストーブ使った方が速い

だから今日はスノーピークの古いチタンストーブを持っていく

秋に「ふもとっぱら」行ったときに一応買っておいた「金缶」もいっしょに

ふもとっぱらでは焚き火だけで済んだんで金缶は未使用

あと、油で揚げて砂糖まぶしたアレだ(あんドーナツな)



ボクの住まいは岡崎市の東部丘陵地帯にある

なので西へ向かっていくと丘を下りながらパノラマが広がる

真冬の冷たい空気は澄み切っていて視界はクリア

彼方にこのところの寒波ですっぽり雪をかぶった鈴鹿の山並み

右手の奥には伊吹山まで見渡せる

その手前に白い蒸気を吐く煙突

今から行く石炭火力発電所がバンバン化石燃料を焚いている

岡崎バイパスに乗ると北にはこちらも冠雪した御岳山

すっかり熱の回ったクロ介のクランクケースやシリンダーから

ほんのりと熱気が伝わってくる

今日もフラットツインは快調だ

矢作川を越えたあたりでバイパスを離れ

米津橋の向こうから県道46号線へ入る

信号も何もなく、ただ「46号→」とある看板だけが頼り

集落の中のほぼ1車線の心許ない路地を数百メートル

パンッと田んぼに出ると今度は2車線の直線路

たまには市街地も楽しい



行き慣れない碧南の街を彷徨って

ようやく今日の目的地「油が淵」

最近、公園が整備されて

大きな遊び場があるからかこんなに寒い日なのに結構子供たちが遊んでいた

おっさんはオートバイを停めて水溜まりを偵察

「油が淵」は溜池ではなく歴とした湖沼だ

二級河川らしい

子供のころ来たときはどぶ池で、見られたものではなかったけど

今や水質は改善し水際もよく整備され開発が進んでいる

一画にはボートレースの選手養成施設があって

胸がときめくモーター音が響いている







ベンチとテーブルがそこら中に設置されていたので

今日はそこを使わせてもらった

まあ、こんなサブいのにベンチに座ってのんびりしている変な人は

ボクしかいなかったんだけどね



スノピの金缶(スノーピーク製のプロイソOD缶)と

ギガパワーチタンストーブ「地」で湯を沸かす

純正のチタンでできたペラペラの風防を付けている

あれ、すごくよく出来ていて風にメチャ強くなる

着火すると

シューーーーーっとガスが気化する盛大な音と

ボォーーーーーっていう「やってる」感たっぷりな燃焼音をさせる

アルコールストーブの無音と対照的でガスストーブの良さもある



カモたちが午睡する油が淵の水面を眺めながらコーヒーを啜る

「油で揚げて砂糖まぶしたアレ」はコーヒーによく合うのだよ

おまけにコイツときたら中にアンコまで!

ウマッ!

むかし有料道路だったところを無意識に迂回するロートル単車乗り 「浜名湖」静岡県浜松市

2023年01月16日 | 水溜まり探訪


豊橋市街をぐるっとバイパスは迂回して進み

丘陵地帯を緩やかに上り下りしていると

間もなく県境を過ぎ、潮見トンネルに入る

このトンネルは下り勾配になっていて

前方出口の向こうに紺碧の太平洋が覗けてみえる

トンネルを抜けると世界は一変

見渡す限り続く遠州灘

黒潮の太平洋は真冬の低い太陽に照らされて波頭が無数に輝き

上空には冴え渡った空がどこまでも続く

今日は風もなく

彼方に見える浜名大橋の向こうにアメリカまで見えそうな程クリアだ

いや、アメリカは見えなかったけど富士山がはっきり見えた



馬郡ICでバイパスを離れる

宇布見橋を経て中州へ渡り、

緩やかに湾曲する浜名湖大橋を経て舘山寺へ

以前、浜名湖は有料道路だらけで

料金所に引っかからないように抜け道ばかり走っていた

そのころのクセが抜けないのか、つい脇道に逸れてしまう

貧乏性だ

けれどその方が湖に沿って走れることが多くて気持ちいいんだけどね

天気が良くてしかも風が無い

もともと静かな湖面だけど今日は一層穏やかだ

浜名湖って地図上で相当な存在感(汽水湖では日本一)があるけど

実はぺらっぺらな水溜まりで

平均水深が4.8mしかない

まあ上から見ている分にはそんなこと分からないんだけど

もともとは干潟だったてことなのかな



浜名湖の北端、気賀で折り返してさらに西へ湖岸を進む

天竜浜名湖鉄道の佐久米駅で休憩





ホームに出るとちょうど汽車が来ていた

たくさん集まったユリカモメたちがワッと舞い上がり

またすぐにホームや岸壁に戻ってくる

とてもかわいくていつまでも見ていられて去り難い





そのまま湖岸沿いに進み

「なでしこのおばあちゃんち」に巡礼





細長い岸が続く静かな湖岸

オートバイを停めてのんびりしたかったけど

停められそうな場所がなく断念

猪鼻湖へ出てクロ介を停めた



岸壁がちょうどよいので椅子は無し

セブンイレブンで買ったクッキーをつまみにコーヒーを淹れる



あー、と久しぶりの間抜けな溜息

山の方が好きだけど

水溜まりって、DNAが反応するんだろうな

水際でちゃぷちゃぷ云う音聞くと

カラダが喜んでるのがわかるよ

本当に疲れた時は「水溜まり」行ってくださいな



で、

このゴリラ、なに?





いくつになっても毎年夏の暑さを再確認する 「朝霧湖」愛知県新城市

2022年06月19日 | 水溜まり探訪
まだ気温は30℃程度だけど

湿度が高い

天気図で見ると梅雨前線が日本列島の南岸に横たわり

しっかりと梅雨だ

それにしても

経験しないとその本質は理解できないというけど

何度経験しても時間が経つとすっかり忘れる

冬の寒さがそうさせるのか

夏の暑さのイメージが毎年リセットされてしまうのはなぜか

そして実際にこの梅雨時湿度の高さには

毎年ゲンナリさせられる阿呆人間だ



水溜まりでも眺めてのんびり本でも読むか

と考えて出かけて行ったけど

なかなかどうして

梅雨時の空気は手強い

さわやかさの欠片もないのだよ

三遠南信道の鳳来峡ICの取り付きから県道519号線へ入る

この辺りは地盤が岩盤でできていて

急斜面の山と切れ込んだ谷が雰囲気のある景観を作る



ほどなく右岸と左岸の道路の分岐点に着く

右岸はダム提までは行けるがその先で工事通行止め(7/31までの予定)

道路はダム湖の奥でつながっているので

ほんとはどちらからでも問題ないけど

とりあえず左岸側の道路から一番奥の橋まで行ってみる

この大島ダムはこないだ行った新豊根ダムより30年くらい後に出来たダム

古いダムと新しいダムの大きな違いは河岸道路の整備具合だ

新豊根ダムもそうだけど佐久間ダムや矢作ダムの湖岸道路は

地図の等高線そのもの

尾根筋と谷筋を丹念にトレースしていく

この大島ダムの時期になるとトンネルと橋梁でまっすぐ繋いでしまう

どっちでもいいけど、楽には違いない





危険個所を回避するのが目的だろうけど

「おおげさ」とか感じるのは土木を知らないからだろうな





チェアリングできそうな木陰を探すけど見当たらない

休憩できそうな園地はいくつかあるけど日影がない

曇っているけど紫外線は強そうだ

ボクは日光アレルギーで

紫外線を浴びると全身に湿疹が出る

いつもは日焼け止めでUVカットしてるんだけど

今日はなんと忘れてきた

だから日影必須なんだけど無理そうだ

結局、駐車場の端っこにちょっとだけあった日影にグランドシートを敷く



ストロングスタイル

水溜まりに来てるのに一切見えないロケーション(日影優先のため)



THE 梅雨空

シナモンロール、うま!


4040万立方メートルって、どれくらい? 「みどり湖」愛知県豊根村

2022年06月05日 | 水溜まり探訪
ダムを下流側から眺めるとき

その巨大なコンクリート塊の無機質さに感じる厭な感じ

高さが100メートルを超えるようなダム提の上から

下を覗き込んだ時に感じる恐怖感

正直に言えば、ダムには畏怖の念しか湧いてこない



豊根ダムは下流側からのアクセスが土砂崩れの影響で今はできない

だから、上流側からじわじわとダムにアプローチしていく

116.5メートルもあるダム提にいきなり会うことがないので

ダム湖特有の違和感がやや少ないか


それにしてもこのみどり湖(豊根ダムのダム湖)

ぐるっと回りこんで、変な角度でダムが取り付いてるんだけど

左岸側からしかダムへ行かれないから

地図見てもらえばわかるけど

すごく遠い

途中、支流へも迂回してる

国道151号線から分岐した時

「豊根ダム 15km」

と表示があったけど

正直、そんなに?って感覚だった

でもね、きっちり15kmあったよ



湖岸の道路をクネクネと進んでいく

湖面は穏やかで、今日は風も弱い

いよいよ湖面が大きく広がりだすと遠くに浮沈フェンスが見えた

その向こうに洪水吐の大きなゲートが2門

やっとダム提にたどり着く





ダムより先はずいぶん前に通行止めになって以来不通のまま

だから100メートルを超えるこの立派なダム提を下から見ることはできない

まあ、この高さのアーチ式ダムは正直、恐怖心のほうが大きい

貯水量は4040万立方メートル

どんな量なのか理解できない数字

こんなに水を貯めて、ここで堪えているコンクリートの塊

人間ってすごいことするもんだな

この豊根ダムと山を挟んだ東側にある佐久間ダムへ

発電用の導水路が繋がっている





そのでっかい水門のところでチェアリング

サクラの木の下

サクラって特別扱いされてる木がほとんどだから

たっぷりした空間に大きく枝を張った木が多い

だから夏に出来る大きな木陰が最高だ



ほんとうにただただ「へぇー」としか言葉がない

だから頭が空っぽになる

所詮、ひとりのおっさんにできることなんて、こんなもんだ

叶うのならいくつの頃に戻りたいですか?  「三和湖」愛知県岡崎市

2022年05月27日 | 水溜まり探訪
晴耕雨読

ならぬ

晴走雨読の日々だ

というか、意外に朝起きてみると為すべきことが多くて

オートバイにのんびり乗ってなどいられないのはなぜか?

スカッと晴れて、清々しい空気

こんちくしょう、走ってやる

くらいの感覚で走り出さないと、仕事もないのに日常に埋もれていってしまう



今日は「水溜まり」へいく

雨山というプリミティブな名の地区にある

雨山ダムだ

ダムはしっかりとした規模があるけど

そこにできた「三和湖(みつわこ)」と名付けられた水溜まりは

こじんまりとして、箱庭みたいな雰囲気

実はとても好きな場所だ





久しぶりに来てみたら

昨今のブームとやらの影響か

スペースへの入口はどこも施錠されて

火を焚くな、の一点張りだ

ぐるっと回ってみたけど、どこへも入れないので仕方なくダム下の園地へ

ここだけなぜか開いていた

(多分、メンテ作業のためだと思う)

サクラの木陰でチェアリング

洪水吐からゆるく流れ落ちる水を眺めて風に吹かれる





「男はつらいよ」の車寅次郎が毎回エンディングで、柴又とらやに寄せる手紙

「思い起こせば恥ずかしきことの数々」

「今はただ、後悔と反省の日々を過ごしております」

一人でぼんやり考え事をしていると

取り返しのつかない色々が蘇ってきて暗澹たる気分になることがある

寅次郎と同じ気分だ



後悔は大抵の場合

理性を欠いた行動や判断の結果であることが多いか

理性?

理性とはなんだ?

正義感、倫理観、

だからか

理性を捨てようとすると

良心を咎められ

罪悪感に苛まれる

何度も後悔し

何度も反省するのに

ボクにはどうやらこの理性が無いような感じだ

ただただ後悔し、反省するばかり

長く生きてくるとそういった事が澱(おり)の様に心の奥に沈殿して

こうやって時折、意識の上に現れてはボクを責める

過ぎたことは取り返しがつかないから忘れてしまえ、とか

いい加減自分を許してやれ、とか

そういうのはボクにはもう無理だ

許されないし

許してもらえないし

そもそも、ボクがボクを決して許しはしないのだ



もういい歳だから、自分が死ぬことを考えることがあるけど

死んで、あの世で父や母に会うことが楽しみだ、と考えるようになった

父は37で死に

母は64で死んだ

ボクはもう父よりずいぶん年上になってしまったけど

あの世では父は年下なんだろうか?

ていうか、父や母に会ったらボクは必然的に子供なのかな

あの世では何歳になって生きるのだろうか

希望が出せるなら、何歳がいいかな

というか

今、叶うなら何歳に戻ってみたいですか?

もう一度やり直せるなら何歳になりたいですか?

ボクは多分、今と同じ歳でいいな

さっき言ったとおり、ここまで後悔と反省を感じるような日々だった

今は、本当に自分の思うように生きられている

理性は多分今もないんだけど

理性を働かさなくても生きていられる

この頃はそんな日々だ

これを自然体と呼ぶのか

何も持っていないけど

青空を見たり

雨の音を聴いたり

ツバメが来たと喜んだり

きれいな月に思わず見とれたり

それだけで幸せだ

あらゆる「欲」に手を伸ばすより

握りしめた自分の拳の中の「もの」を信じるべきではないかい?

中国から来たカブ 「不動ヶ池」愛知県幸田町

2022年04月10日 | 水溜まり探訪
スーパーカブ

俗に中華カブと云って忌み嫌われるJA10



ボクもこれ買うとき、ちょっと嫌だった

けど、テレスコピックフォークは魅力的だったし

タイカブも興味あったので

まあまあ気に入っていた


でも、もう8年

たぶんすごく気に入ってるんだと思う

こんなに長く乗ったオートバイは1150RTしかない

あれも相当気に入っていた、色も同じ青だったな


自慢だけど、カブ、ピカピカにしている

よく新車?とか聞かれるくらいキレイ

小傷ひとつない

今では珍しいスタイリングなのでいろんなところで「これなに?」ってきかれるけど

新太洲本田モーターへの生産移管からみっちり説明して差し上げる

中国製ですけど何か?

初めてチェーン引いたときにチェーンアジャスターがポキッて折れたな

タンデムステップの軸がひどくさびるし

でも中国製だからじゃないと思うけどね


久しぶりにメンテしてやった

純正オイルウルトラG3でオイル交換

高速域の伸びや燃費が悪いのでエアクリーナー交換した

キジマのエアーフィルター





外したらビシャと水が出てきた

ブリーザーしばらく掃除してなかったら満タンになってた

でもほとんど雨の中も走らんのにこんなに水溜まるんだな

チェーンもガチャガチャ云いだしてたので引っ張る

チェーン張るたびに思うんだけど

チェーンケースってすごい装備だよね

当たり前だけどチェーンが全く汚れないしオイルの持ちもいい

点検窓あるけど、ネジ2本なので下側だけ外した方が早い


天気がいいので試走がてら近所の水溜まりへ行く

エンジン音が小さくなって吸気音が良く聞こえるようになった

加速は変わらないけど、高速域の伸びは明らかに良い

燃費も上がったんじゃないかな



桜満開の不動ヶ池

家にあったラーメン持ってきた



うまっ

サクラってちょっと気恥ずかしくて苦手かも   「矢筈池」 愛知県豊根村

2022年03月31日 | 水溜まり探訪
春の嵐が過ぎると

とたんにサクラが満開

ちょっと出鼻をくじかれたせいか

一斉に咲き揃った



でも

サクラって

というか、ソメイヨシノって

キレイすぎて

キレイすぎて、眺めてると気恥ずかしさを感じる

何もあんなに躊躇なく咲かなくてもよい

これでもかってくらい「見せつけて」くる

そもそもサクラなんぞは目の端でチラッと見やるもので

たとえばオートバイで走っていたり、汽車で移動したりしてる時

「あっ・・・サクラだ」

これくらいでよろしい



矢作ダムの上流部へ行ってみようと走り出した

けれど国道257号線と151号線を間違える

これ、もう何年も走ってるのに偶にやる

どこでリカバリーしようかと考えながら

目前のコーナーを手繰り寄せては次々と斬り捨てていくうち

気付けばすでに豊根の道の駅

茶臼山の裾にも水溜まり、あったなー、と取り付きルートに舵をきる

にしてもだ

なぜか最近、水溜まりづいている

水溜まりハンターか

しかも人造湖ばっか

実は2,3日前にもカブのツーリング燃費を計りたくて山の中走ってきた

その時も水溜まりに寄っていた



茶臼山高原は1000mを超えていてさすがにサブい

腹が減ったので水溜まり見ながら湯を沸かしてラーメンを煮る

そのあと、コーヒー淹れてパズルして過ごした



池の向こうに見えるゲレンデにはまだ雪が残る

それでも高原のこの池のほとりにも春は確実に訪れようとしている

やはり満開のサクラに春を目の当たりにするより

冷たい空気の中、かすかにその存在を見せる春の息吹こそ心を弾ませる




高原道路を下って

途中から県道10号線へ入る

交通量の多い国道よりこの県道のほうが快適だ

下りのキツイ勾配なのでフロントブレーキのリリースからの強い向き変えが楽しい

この辺りは設楽ダムの工事が進んでいるけど

あと数年ですっかり景観が変わってしまうのだろう


そのあと国道を乗り継いで県道35号線で涼風へ向かう

工事の関係か天候の関係かわからないが

守義地区の通行止めが復活していた

山側へ迂回すると森の中でミツマタが満開







暗い針葉樹の森の中でひっそりと花を開くミツマタ

やっぱり、サクラは苦手だ

このミツマタの姿こそ息を飲むほど美しい

素直に美しいと感じる、受け入れられる

山の中、座り込んで、30分くらい無心に眺めていたけど

「熊、出そうじゃね?」って突然思ったら怖くなってすぐ逃げ出した



湖の春  「三河湖」愛知県豊田市

2022年03月18日 | 水溜まり探訪
目的はないけど

インターに近づいたとき不意に高速を走りたくなった

久しぶりに5速にギアを入れて

4000rpmで巡行する

途中、流れをリードするゴルフ ヴァリアントをかわす時

6000rpmを使った

このデチューンされたフラットツインは迫力に乏しいけど

いつでもスマートに涼しげに回る

大径化された(といっても38.5mm)フロントフォークと

Kバイク譲りのドライブユニットとモノサス

1日1000km

コンチネンタルツーリングが可能な最高峰の実用車だ



でも、

地図では見分けのつかないようなクネクネの林道様の道が大得意

大陸でなく山と海岸線ばかりのこの島国でこのオートバイが人気だったのは

実は250のオフローダー並みにストレスなく走らせることが可能だからだろう

現に車高を上げたGSは今でもフラットツインの中心的存在であることからもわかる



こういう道が大好きだけど

今ではどんどん減っている

全幅が1800を超える車が増えて、離合が苦手なヤツが増えた

道路は広くて真っ直ぐに作り直す

もちろん防災の側面もあって一概に言えないが

オートバイで走るならこういうルートがいいな



そしてまた水たまり

今日はもっと山の中のやつ

でもこれもダム湖

ゆるい西の風はもう冷たくない





湖の春

冬の終わり、山奥の湖には春の風が吹き渡っていました

youtube#video

 


里は早春の花が咲き始め

華やいだ気分

否が応でも春を感じる

でも、この枯れたダム湖の景色からも強く春を感じる

ボクの知ってる子に「こはる」って名前の子がいるけど

普通、こはると云えば小春とあてると思うけど

この子、「湖春」と書いてこはる

変わってるなって思ってたけど

今日のこの景色を見ると

湖の春、っていう言葉があっておかしくないように感じる



しばしチェアリング(気持ちワル、このネーミング)

ダウン着てるのは事実

でも頬を撫でる風の優しさよ!(気持ちワルい?)

コーヒーを一服

ポケットに忍ばせた「小分けのアルフォート」1個

おっさんの舌に優しく溶ける至福


水たまり、カップヌードルそしてチェアリング 「大井池」愛知県幸田町

2022年02月17日 | 水溜まり探訪


なんでもない山奥のなんでもない水たまり

灌漑用のダムでできた人造湖だ

子供のころから記憶にあるダムなので相当古いやつ

灌漑用としては県下最大らしいのだが

存在は地味で、まさに単なる水たまりが形容としてはふさわしいかな



こないだ寄ってみたら意外にも風が弱かったので

すっきり晴れた昼下がり、ふらっと出かけてきた

いつものように椅子を出して、湯を沸かし

めずらしくカップヌードルすすってみた

近くの枝にモズがとまってさえずっていた

風も思ったとおり緩くて日差しの暖かさが際立つ

外でメシ喰ってるだけなのにこんなモンでも旨いと感じるのはなぜか

いや、カップヌードルはいつ喰ってもどこで喰っても旨いということか

そのあとコーヒーを淹れてしばらく水たまりを眺めて過ごす

外に椅子を持ち出して、のんびり過ごすアウトドアを「チェアリング」というらしい

名づけるような行為なのか

椅子座ってるだけだよ



ぼーっと考え事してるといろいろ思うけど

なんだか今の世間は住みにくいと思う

ちょっと前まで、どこでも煙草プカプカふかして、痰吐いて歩いてた

「看護婦さん」と呼ぶことの何がダメなのか本当は理解できない

犬は店で買ってきて家の中に住まわせている

ウンコ集めて帰んなきゃいけない(シッコはいいのか)

所詮、不公平で不平等なのが人の世間だ

自分の折り合いは自分で決めないとな

自分の暮らしに不満たらたらなのか



こんな古臭いオートバイに乗って

カップヌードルが旨いとか思ってしまう自分

それ以上でもそれ以下でもない

ただ君より気楽な毎日なんだよ