ソロツーリストの旅ログ

あるいはライダーへのアンチテーゼ

振り返ってみるとオートバイがいちばん好きだった

峠をためす

2017年04月21日 | BMW以外のオートバイたち
4月下旬だのに、ほんとうはまだサブい

ジジィはやっかいだ


エストレヤの60~80km/hはトップギア5速でおよそ4000~5000rpm

振動はほとんどなく、けれどレスポンスは悪い

少し昇りにかかるととたんにエンジンからキリキリと音がでる

ギアを落とし大きくスロットルを開けると「らしさ」がでる




県道334号線(愛知県千万町豊川線)は10%を超える昇り勾配で続くワインディング

エストレヤの最大トルク(大したトルクじゃないけど)は5500rpmででる

タコメーターは真上が丁度5500

こういう「符号」を最近の人は知らないね

まーいい、時代は移り行く


エストレヤのシングルエンジンはここからレッドゾーンまできれいに吹き上げる

あえて云うけど、まーそれでもかなり遅い

下山(しもやま)まで走って小休止

手袋の中の指先がかじかんで爪が紫色だった

こんなことはじじぃならではだな



桜が満開

県道337号線(愛知県作手菅沼平瀬線)

林道上がりのこんな県道がエストレヤは大好きだ(いやこのジジィが好きなのだ)

シングルエンジンの短いクランクシャフト

あー250のオフ車の感じだな



こういう森林の中を行くととても気持ちがゆったりするけど

それは木々が出すフィトンチッドという物質が人も癒すのだそうだ


久しぶりのこのルート

ずいぶん変化があってもっとのんびりしたかったけど

サブ過ぎてサブ過ぎて

おなかがピー



でもこの桜だけはゆっくり眺めた


どうやってこんなに大きくなったんだろう

すごい命のエネルギーだね


冬を越えて

2017年04月17日 | BMW以外のオートバイたち
桜が散って、いよいよ峠へくりだせる

冬の間、サスの調整や、タイヤの空気圧をいろいろ試してみた

スロットルの開け方や、ギアの守備範囲も試す

ワンテンポ待って大きく開けると、ダッダッダッと隠した本性を見せる

ちょっとづつ手を入れて、いまこんな感じになった



バンクしてからスロットルを開けても、舵角がつかずに旋回に移っていかなかったんだけど

サスをみるとプリロード最弱!

ちょっとずつ試しながらプリロードかけていったら、結局最長(体重があるしね)

もともとバンキングに素直に反応するフロントだけど

強く旋回させるためにはそれなりのバンク角が必要だ

そうなるとエストレヤのすべてが足らない

まーエンジンパワーがないから、そこそこのところでバランスするんだけど・・・



かっこいいからいいか

手の冷たさに異常に弱い、と知った日のこと

2016年12月12日 | BMW以外のオートバイたち
むかし、BMWのオートバイに乗っていたんだけど

BMWを意識したのは、ひとつは教習所のロートル教官が云った一言

「ベンベの乗り心地は最高で忘れられない」

それとその後に雑誌なので知った装備のすごさ(当時としては)

「パニアケース」と「グリップヒーター」だった

特に「グリップヒーター」は憧れだけでなく

実際に手にしたとき「あーまさにこれだよ!これこそBMW!」と感激したのを

昨日のことのように思い出すね


大学生だった35年前、40キロ離れた大学までZ400GPで通っていた

後期試験の朝、いまにも雪に変わりそうな冷たい雨の中

安物のカッパとスキーグローブで出かけた

すぐにグローブはずぶぬれで指先は走り出して10分も経っていないのに

感覚がなくなっていた

けれどその日の試験は「必須課目」の心理統計学

奥歯がガチガチなるのを必死で食いしばり

指でクラッチが引けないので手の平まで突っ込んで腕を引くように操作していた

しかし、限界はすぐに来た

「・・・もうだめだ」

路肩に停めたオートバイのスタンドもかけられず、エンジンも止められず

雨の中、動けなくなってしまった

今思えば低体温症一歩手前のやばい状態だったと思う


それからというもの冬にはハンドルカバーを付けて通学していた

GPZ900Rにさえつけてたことがある(かっこ悪い)

「いつかBMW買ってやる」と念じながら

まーほんとにBMWを手に入れるまでにはそれから20年ぐらいかかったけどね


と云う訳で最近では手に入れたオートバイにグリップヒーターを付けることから始めるおっさんなのだ


エストレヤのヒーター取り付け記事って案外少ないから

参考なるかどうかわからんけど、写真とってみた

(詳細を知りたい方はコメントに入れてください、できる限りお答えします)


まずタンクを外す



どんなオートバイでもタンク外すといろんな作業がしやすいから

自分のオートバイのタンクを外す技はぜひ身につけたい

ボクなんてそんなにオートバイいじり得意じゃないけど

そんなボクができるんだから誰でもできると思う

ガソリンかぶることがあるから、火にだけは気を付けないとね


たいていのオートバイはシート側にボルトが1、2本あってそれでフレームに留まってる

そいつを外して軽く持ち上げると、つながってる(外さなきゃいけない)ホースやパーツが見えるから

よく確認して、一個ずつ外していく

コツはただひとつ

「楽しい!」って思ってやれば絶対できるから


エストレヤの場合、コックをOFFにしてインジェクターにつながってる太いホースをまず抜く

ガソリンが結構出るから下に受け皿を置くほうが安心だね

あとホースが2本、右サイドにある



何だか知らないけど、たぶんオーバーフローとインジェクションの何か

こいつらはガソリン満タンでなければ何も出ない

グリップヒーターつけるのにタンクを外すのは

配線をフレームに沿って伸ばすためだ

エストレヤはトップフレームの右サイドに配線を通すガイドが二か所あった



グリップを外して、ヒーター付きのグリップに換装

ちなみに取り付けしたのはキジマのGH-08



配線をすべてライトケースの中に入れて、カプラーをつなぐ



電源はオートバイが稼動中だけヒーターに電気が行くよう

どこかの回路に割り込ませる、でないとキーをOFFにしても通電しちゃう

回路図があればコードの色分けを見て直接分岐させられるけど

最近はフューズに割り込み線がついたものが売られているので

それを付けたほうが早くて間違いがない


フューズボックスをみるとホーン回路が支障なさそうなので

そこのフューズを割り込み線付きのものに変える(黄色いフューズ、プラス側の端子にコードが出てる方を差す)



アースはシートの前側のブラケットのすぐ後ろにまとまっているのでそこへ挟んだ

これで取り付けは完了

ヒーターの動作を確認して、コード類を整理してタイラップでまとめる



冬の準備、完了




オートバイを分解するよろこび

2016年12月05日 | BMW以外のオートバイたち
この週末はすごくいい天気で、あったかだった

近くの競馬場の開催が始まったから今年も見に行った



ビールを飲んだり

ハンバーガーをかじったり

サワーを飲んだり

馬券を買ったり

また、ビールを飲んだり



硬いレースだと思ったけど、無理矢理穴馬に流して買った

したらば、やっぱり固く決まって

まーいいや買った分は返してもらったし、と思ってあらためて馬券を見たら

100円のつもりが1,000円も買ってた!

そういえばさっきアナバで5,000円入れて、戻ってきた釣りを見なかったな

ラッキー!

祝杯じゃー


翌日の日曜は行かなかったけどGⅠレースの日

サウンドトゥルーとアスカノロマンがいいな

でもやっぱりアウォーディーには逆らえないよ

なんていってたらパドックで暴れるアウォーディー

んなら、二人引きで闘志マンマンのノンコWITHムーアに乗り換え

でもこれ失敗

アウォーディーは連を外さないんだよ

ノンコにしなければ、

サウンドアウォーアスカで万馬だよ



さて、今週のエストレヤは

バラバラ

手の冷たさに異常に弱いボクはグリップヒーターが必須です

久しぶりのオートバイ分解に萌え萌え

インジェクションのパイプ外してガソリンかぶったり

ガッチガチのネジを外したり

あー生きてるなーって

やっぱオートバイなぶり、最高だじょ!





走る音

2016年11月28日 | BMW以外のオートバイたち


エストレヤで走りだすと、その意外な排気音におどろく

後部がぷっくり膨らんで、先っぽがまた細くすぼまった形のマフラーを

キャブトンマフラーと云ったりするが

もとはメグロのライバルだったみずほ自動車製作所のオートバイの名前で

そのマフラーのスタイリングにノスタルジーを感じる(見たこともないのに)らしく

リプレイスだけでなく、オリジナルでも採用されてる

まーこいつがスタイリングだけでなく

いい音をたてる




小振りでも存在感たっぷりのピストンは、たったひとつ

久しぶりのおっさんはスロットルの扱いにまだ不慣れで

ただでさえ敏感なのに、入れ方、抜き方にいちいちつっかかってくる


けれど、コーナーを抜けるときにみせる

トラクションの気持ち良さはなんだ!

その一発一発で路面を蹴りつけ

うっとりしているおっさんに流し目で小悪魔のように微笑む

いや、ちょっといいすぎた


いままでいろんなオートバイに乗ってきたけど

オートバイに性別を感じた事はなかった

でも、こいつは間違いなく女性だ

というか女性的だ


だから排気音におどろくのかな

女の出す音じゃない

けど、その轟のうちに凛とした潔さを感じる


ほんと、いい音だ

リスタート ー「星」という名のオートバイー

2016年11月21日 | BMW以外のオートバイたち
オートバイにつるんで乗って、集団でバカ騒ぎしたり、ドヤ顔してのさばるやつらが気味悪くて

なんだか感じのわるいやつらばかりだなオートバイ乗りは、なんて思ってた。

大きな音を立てて山の中を走ったり

ものすごいスピードで迫ってきてところかまわず追い越していったり

地べたに座り込んでげたげたバカ笑いしたり

何十台もオートバイを束ねて国道や高速を練り歩いたり

空気読めないとは、オートバイ集団走行と書くんだろうな。

あー、でもボクもその一味と同じオートバイ乗りなのかと思ったら

急にオートバイに乗ることが嫌になって、大好きだったはずのオートバイたちまで売り払ってしまった



でもあれから3年

あたりまえのことだけど、ひとのことなんてホントにどうでもよくなって

ひとのこと気にして、考えてることがホントにバカらしくて

気がつけば、もう一度オートバイを手元に置きたくなった

もちろんこの3年の間まったく2輪の乗り物に乗ってなかったわけではなく

カブの110に乗ってたんだけど……

きびきび走らせることに夢中になっちゃう性格のエンジンだし

そもそも「磨けない」んだよな、あいつ


季節の空気を切り裂きながら

ピストンの、クランクの、存在を感じながら

スロットをとおして内燃機械の精密さを感じながら

オートバイと会話しながら走っていたい



大きいやつはそれだけで尊大だし

外車も主張しすぎる

小さくて主張しないやつがいい


そうやって何か月もかかって出会ったのがこの「新しき相棒」

5年位前に「大平峠」に響き渡るエキゾーストにしびれた

こんなにちっこいのに立派な存在感



それはこいつがオートバイそのものだから、だと思う


秋の空気をひとり吸い込む

2012年10月23日 | BMW以外のオートバイたち

妻籠宿から清内路を上がって、峠の手前から県道8号へ入る。



この飯田南木曽線はどの季節も良いが(冬は閉鎖)



やはり秋の紅葉の頃が格別だ。



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去年とほぼ同じ頃合いだけど、今年はやや色付きが遅いか。



さっきまでの秋晴れが打って変わって今にも降り出しそうな曇り空。



でも、ここの寂れぐあいには曇りが良いかも。



ただし標高もあるのでかなりのサブさだ。



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先週取り付けたばかりのヒーテットグリップが大活躍。



ライディングコートは着てきたけど、中はロンT一枚でサブいことサブいこと。



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大平宿でピクニックシートを広げてコーヒーを淹れる。



木々の気配を感じながら、ゆっくりとすごした。



ここはほんとに静かで、宿場の水路のせせらぎが耳にやさしい。



名前の分からない鳥のさえずりに耳を傾け、



色付き始めたカラマツの上を流れていく雲を眺めた。



孤の時間が人を育てる、と何かで読んだことがある。



特に男には孤の時間が必要だとボクも思う。



ひとりであること、孤独であることがボクの原点だ。



もう死ぬまでこの性向は変わらないのだろう。



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飯田側へ下って行くが気温がちっとも上がらない。



伊那谷はリンゴがたわわに実ってた。



ひと雨来ると、そのあとアルプスには雪が乗るのかな。



飯田街道を下って、稲武から田口へ抜ける。



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作手のいつものところで今日最後の休憩。



秋の陽はつるべ落とし。



ダブルの長い影が伸びていたよ。



う―――――サブ!



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たまにはちゃんとダブル(W800)のこと

2012年10月16日 | BMW以外のオートバイたち

ボクの住んでるあたりでも、



朝夕、めっきり気温が下がるようになって、



そろそろ、本格的に衣替えをしなくてはと感じるようになった。



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とは云うものの、先回記事にしたとおり



ドイツの好好爺「銀じぃ」(R100RS Twin Shock)は



サブくないのが売りな訳で、もともと冬仕様だな、あれは。



で、



関西のチョイ悪おやじ「ダブル」(W800SE)は



カッコばかりで対候性など一つもない色男。



乗ってるボクはと云えば、手の冷たさに異常に弱いらしい。



若かりし頃、ベンベのオートバイにはグリップヒーターなるものがあって



真冬でもちっとも手がかじかまないのだよ、と何かで知って



日本のオートバイにも付かないかな、と思ってたことを思い出す。



腑抜けばかりが増えたおかげで、こういった軟弱なパーツが増えた。



しかもヒーターグリップなんて5000円も出せば買えちゃう。



こういう世の中を素直に良い世の中だと云うことにしよう。



           〇



と云う訳でグリップヒーターである。



と云うか、ヒーターが内蔵されたグリップなので、ヒーターグリップだ。



どうでもいい?



あ、そう。



キジマの商品で、Webikeで買った。



マイナスのハーネスをボディに止める。



キットのハーネスに端子が付いているので楽ちん。



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プラス側をどこから取ろうか、配線図もないのでちょっと迷ったけど



ETCの割り込みがあったハーネスに同じく割り込ませてみたら



ちゃんと電圧が出たので(テスターでね)こんなかんじにつないだ。



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配線はフレームの内側に沿わせて、先端の端子をライトケースに入れる。



写真にはないけど、ほんとはタンクを取ってきちんと配線してる。



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ハンドルバーからグリップを外して、



ヒーターグリップを装着。



キジマのこの製品は内径が細いのと太いのがあるから



細い方を左に、太い方をスロットル側に取り付ける。



スロットル側は接着剤が必要だね。



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スイッチの位置とか、配線の取り回しを考えてから



カプラーを接続して、タイラップでハーネスを固定すればおしまい。



タンク外しても1時間半くらいで出来るね。



            〇



このキジマのヒーターグリップ、



素でグリップを握ってみるとちょっと違和感があるけど



実際に装着して走ってみると、まったく問題ない。



肝心の暖かさも十分だし、5段階の調節も可能。



しかも、オートバイのスイッチをONOFFしても



直前のポジションを覚えていて、入れ直したりする必要もない。



取り付けは簡単だけど、初めてつける人は注意する点があるよ。



まずは、スロットル側のハーネス。



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カッコ悪いけど、5000円だからね。



こうしてハーネスを余しておかないとグリップが回せない。



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左はウインカーの操作がやり易い位置にハーネスを持って行かないと



いちいち親指が引っ掛かってストレスになる。



            〇



ダブルを買った時のキャンペーンで無理やり買ったウインドシールドだけど



こいつ案外防風効果が計算されていて、さすが純正品と思わせる。



グリップ辺りや膝の辺まで風をスポイルしてくれる。



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ただし、取り付けをいい加減にすると140km/hくらいから



風の影響でハンドルが揺れ出す。



ボクも最初いい加減につけてて、こりゃあひどいなと思ったけど、



左右に流れる風の速さが違うからなのかも、と思って



しっかりと左右均等に取り付けてみたら、ほとんど風の影響はなくなったね。



揺れて困ってる人は、時間をかけてでもじっくり調整するといいと思うよ。



最初このシールドってやっぱカッコ悪いなと思ってたけど、



冬は意外にあるといいのかもと、最近思うようになった。



            〇



おまけ



ダブルのメーターってきちんとデザインされていてカッコいいんだけど



スピードとタコの間がテラテラのプラスチックで質感がゼロ。



なんかいいパーツが出ないかな、と思ってるんだけど出ないから作ってみた。



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ウッドパネル風。



素材がこんなのしかなくてイマイチ。



けど、あのテラテラの黒より断然気に入ってる。




天高く、馬肥ゆる実りの秋

2012年09月20日 | BMW以外のオートバイたち

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気が付けば、コンビニに「中華まん」ののぼりが立っていた。

季節はもうすっかり秋の装いだ。

稲刈りが迫った田んぼからは、刈入れが迫った独特の匂いがする。

青々としていた葉の色が黄色味を増し、稲穂が重たく実って首を垂れる。

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生き物にとって実りの秋は格別な季節だ。

秋の田の匂いを胸いっぱい吸い込むと、身体が悦んでいるのを感じる。

そして秋はその実りに感謝する、祭りの季節でもある。

オートバイで山里を走ると、そこかしこで秋祭りに出会う。

今日途中で通り過ぎた「水窪」は、天竜川の上流部にある山里。

中心部は大きな集落で、人も多い。

水窪はその日、秋の祭りで、そこら中で人が集まり

いつになく華やいだ雰囲気が充満していた。

ところかまわず出てきては、曲がって行く軽四の動くパイロンたち。

もちろん、ここは彼らのテリトリー。

郷に入っては郷に従うのが、旅人の掟。

細心の注意で街を通り抜ける。

まだまだ日差しは強くて勢いがあるけど、

夜の間に冷やされた空気は昼になっても涼やかだ。

           〇

兵越峠を越えて、遠山川の深い谷底へ下りていく。

下りても下りてもなお小刻みにターンを繰り返して高度を下げる。

分断された国道の北側へ合流しても、さらにくねくねと道は谷へ続く。

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今日はここが目的地。

遠山郷の「かぐらの湯」

上空には高い秋の空が広がる。

ここの風呂は広々とした浴槽なのに、あまり人が多くないのがポイント。

ゆっくり湯に浸かって、ソースかつ丼を喰って、広間で午睡をむさぼる。

開け放たれた掃き出しの広い窓から涼風が迷い込んで

あまりの心地よさに熟睡してしまった。

            〇

どっかで風呂にでも入ってのんびりしようか・・・

と思いつくと、大概ここへ来るのだけれど、

如何せん、家からこの遠山郷はちとばかし遠い。

しかもクネクネ道が大好物なので、性質が悪い。

午睡のつもりが爆睡になっちまったから、起き抜けの身体が重い。

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国道へ出ようかどうか迷いながら、まだもうちょっと走りたいなと、

よせば良いのに県道1号線(長野・愛知県飯田富山佐久間線)に流れ込んだ。

平岡から佐久間までおよそ45km。

さすがに楽しくはなかったかな。

富山からの長かったこと長かったこと・・・

途中、秘境駅の大嵐(おおぞれ)駅に寄って休憩。

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天竜川に架かる大きな吊り橋で流れを見てたら

どこか近くの拡声器から広報放送。

「水窪まつりの仮装大会の結果をお知らせします」だって。

まさか、あそこでそんな催しがあったとは・・・

見てくればよかったか?と後悔したとかしなかったとか。

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行く夏に名残る暑さ愛し

2012年08月28日 | BMW以外のオートバイたち

走っていれば風の涼しさが増しているのがわかるけど、

やはり止まるとまだまだ日差しは真夏とさほど変わらない。

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さらけ出した腕にジリジリと夏が突き刺さる。

よく休憩する酒屋さんが休みだったので、

シャッターを閉ざした店の前、軒にできた小さな日陰にオートバイを入れて停めた。

日陰は50センチくらいの幅しかなくて、

ボクもシャッターに貼りつくようにして、その中に入り込む。

日陰と日向、この50センチで体感温度が全然違う。

黒いラベルのコカコーラをやりながら

近くの田んぼ上空で繰り広げられる、カラスとトンビの喧嘩を眺める。

必死に逃げ回るトンビに、3羽のカラスがかぁーかぁー喚き散らす。

カラスってトンビが嫌いだね。よく追い回してるのを見かける。

           〇

突然、酒屋のシャッターがガラガラと開いた。

顔を出したおかあさんに「すぐどかします」と詫びながら云うと、

「いいですよ、暑いからねー」と返す。

「まだ昼間は暑いですねー、ほんとに」

「日差しがねー、強い」

「オートバイで走ってると、日陰の涼しさが変わってきたように感じますよ」

「でもね、陽が傾くと、さーっと冷えて来るよ」

「そうですか」

「今朝、散歩してたら、その先の温度計が18℃だったわ」

おかあさんはそう教えてくれた。

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処暑を迎えてなお暑い日々、とニュースは盛んに伝えるけど、

山里には暦どおりの秋が忍び寄る。

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田んぼでは稲穂がこうべをもたげているし、

よく見れば、色付きを見せる葉っぱも見かける。

こんなキノコやどんぐりが足元には見られる。

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作手の高原ではもう秋の使者が風に揺られていたよ。

こうなると素肌を射す夏の強い日差しもなんだか愛惜しく感じる。

今年も暑い暑い夏をありがとう。

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