ソロツーリストの旅ログ

あるいはライダーへのアンチテーゼ

振り返ってみるとオートバイがいちばん好きだった

調子っぱずれの穏やかな日曜の午後

2012年01月23日 | R1150RT (2001) あお号

起きた時はまだ弱い雨で、路面も濡れ濡れだったのに、

午前のうちにすっかり晴れて風も無く、

気温もぼんやりするほどあって、なんとなく走りに誘われる。

けど、どうせ今日も天気悪いだろうと思ってたもんだから、

昨夜、飲みすぎて頭がズキズキ痛い。

二日酔いの痛みって硬質だよね。

ガンガン、ガキガキ、ダンダン、いやそんな感じだ。

でも、ボクは知っている。

アッキーナのノーシンピュアが劇的に効く。

さっき朝食後に飲んだノーシンピュアが実はもう効果を発揮しはじめている。

            〇

とはいうものの、どこに行くというあてもない。

銀ジィを引っ張り出して、そそくさとプラグを交換。

近所の用品屋では品揃えから外されてたから

わざわざディーラー(いや元ディーラー)まで行って手に入れた。

Kさんが純正あるよ、とか云うから結局純正もらってきた。

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ボクと相性の悪いBOSCH。今までのはNGK。

「BOSCHの(点火)コイルにはBOSCHの(点火)プラグでしょ」

Kさんの「ススメ」のことばにだまされて、あー、そうかもね、と貰って帰ってきた。

NGKプラグは止めたり戻したりで、たぶん1万kmくらい使ってしまった。

交換の効果は抜群で、明らかに低速の力が強く、ピックアップが良い。

純正のBOSCHも1本680円。

次はもっと早めに換えよ・・・

           〇

近くの道の駅まで行って、コーヒーを一服。

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その後、知多辺りを回ってこようかとも思ったけど、

「こりゃ暖かで、メンテ日和だな」と考え直し、

踵を返すが早いか、さっそくあお号のオイル交換にかかった。

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今回はオイルフィルターも交換する。

なんと純正のフィルターレンチを買ってしまった。

だって元ディーラーメカのKさんが、欧州車用なら使えるけど他のはどうかな?

なんて真顔で云うからだ。

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純正のフィルターは他の車種用でもそうだけど

「オイルチェンジキット」という形でパッキング(ワッシャー)も付いてくる。

でも、おもしろいモノ見つけたよ。

写真に写ってる楕円形のパッキング。

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どこに使うのかなとちょっと考えたけど、たぶん不良品だよね。

有り得ない品質管理。

でもこういうユルさが、もっと許されてもいいのかもしれない。

ドレンプラグのパッキングは16―20。

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今回もホームセンターの特売品カストロールFormula RS 10w-50

ヘインズのマニュアルどおり3.75リットルでぴったり。

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オイルが抜けきるまでの合間に

RID(Rider Information Display)のカプラーの掃除もしてみた。

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表示の不具合いに効き目があるらしいのだけど、

実際ぜんぜん効果はなかった。きれいになったからそれだけでも良いんだけど。

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あとメーターパネルの裏まで掃除できたし・・・

それにしても大寒なのに調子はずれの穏やかな日曜だ。

作業が終わって、ぼんやりしてたらご近所さん(GPZ900R A11)がやってきた。

彼のNinjaを実際に間近で見たのは初めて。

いろんなとこに地味に手が入っていて、好感が持てる。

自慢じゃないけどオートバイオタクなもんだから(以前自分でもA7に乗ってたし)

ひとつずつ改造箇所を間違い探しのように当てていった。

おもしろかったのは「樹脂レンズのライト」

「劇的に旋回性が変わった!」のだそうな。

回頭性を上げるためにライトを交換するセンスに3000点!

いやー、ボクたちってバカだなーとつくづくうれしくなったよ。

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伊勢参りとボクにとっての稀有な存在

2012年01月16日 | R1150RT (2001) あお号

いつもは大寒に、つまり一番寒い時期に

伊勢まで参宮することを、走り初めにしてきた。

ここんところ、それが習慣だ。

今年は年明けすぐから仕事が立て込んで、

大寒頃に休みを取れそうもなかったので、

先週、わずかの隙間に伊勢へお参りに行ってきた。

            〇

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あお号(01年式R1150RT)は一晩中充電器に繋いでおいたから

相当冷え込んだ朝も力強くセルを回して、一発で目覚めた。

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西の空には消え残るお月様。

まだ日が昇ってこない。

その日の最低気温は日の出直前に記録される。

出掛けに確認した天気予報では愛知県、三重県各地に低温注意報が出ていた。

大寒より実はサブいのかもしれない。

岡崎インターから高速に乗って、すぐにヒーターベストに火を入れた。

シールドを立てて、冷たい空気を切り裂く。

東名阪に合流するまで全線3車線の伊勢湾岸道を

6速4500rpmでスロットルを固定して巡航する。

HC4バルブフラットツインエンジンは心地よい音を立てて、

通勤時間帯の速いクルマの流れをリードする。

名港トリトンを越えて、長嶋へ近付くと、行く手に鈴鹿の山並みが迫る。

三重県は緯度も低く、あっても標高は1000m程の山並みなのに、

すっぽりと全体に雪を被っている。

その山肌を覆う落葉樹の林は雪面に微妙な陰影をつけ、まるで墨絵のように見える。

とてもきれいだ。

            〇

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参宮超特急は90分ジャストで伊勢西インターに到着。

いつもどおり豊受大神宮(外宮)からお参りするよ。

風もなく穏やかだけど、ここ、すごく空気が冷たい。

境内には弩級の樹木がズゴーン、バゴーンと聳えてる。

生えてる樹は、建物の方が避けるなんて素敵だね。

お伊勢さんらしいな。

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そのあと、皇大神宮(内宮)へ向かう。

内宮は昨今の二輪虐待都市と違って、二輪にやさしい。

年末年始の交通規制を二輪車は一切受けないから、

いつでも宇治橋目の前まで乗り付けられるよ。

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例年どおりの穏やかな神宮。

来年はいよいよ式年遷宮の年だ。

去年架け替えられた宇治橋のツルツルの欄干にはまだ霜が溶け残っていた。

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今年もお伊勢さんはまっこと流行っておった。

去年は参宮案内所がきれいに建て替えられててびっくりしたけど、

今年は参集殿(休憩所みたいな所)がきれいになってたぞ。

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お伊勢さん、儲かってるー!

            〇

あお号(01年式R1150RT)との付き合いもすでに10年目だ。

次々発表される新型車に目移りするのは事実として隠せないし、

消耗部品の交換や、経年劣化でランニングコストも確かにかかる。

自分の経済力で複数のオートバイを維持するのは正直難しい。

あお号ともそろそろ終わりなのかなと、考えるようになっていた。

けれど、

これは乗る度に、

走らせる度に感じるのだけれど、

R1150RTというオートバイは、大袈裟でなく、乗る度にボクに感動を与えてくれる。

初めて乗った日に「あーこれだ。これがボクが捜していたオートバイだ」と思った。

そして乗る度に「うーん、すごいなこいつ」と感じる、感じ続けている。

その感動は、そのまま「無くてはならない」という気持ちにつながるのだ。

10年も乗り続けて、なおそう感じるオートバイが他にあるだろうか?

いや、きっと存在するのだろう。

けれど、いまこれを手放してまでそれを探す気にはなれない。

大型オートバイを新車で買おうと思うと、

100万から300万円ほど必要だ。

新型のRTだって、250万はする。

この先10年であお号の修理や維持に250万円掛かるとは思えない。

乗り慣れてるからとか、別に不満はないから、というネガティブな動機じゃなく、

乗る度に感動をくれるR1150RTが好きだから、

まだまだ走らせたいからと、ポジティブに考えている。

こんなオートバイに出会えたことに素直に感謝している。

最近は銀ジィ(81年式R100RS)ばかり乗ってるけど、

今年はあお号も乗り倒していこう。

北海道へ行くなら、やっぱりあお号だしな。

            〇

ということで、今年も無事お参りを済ませてきたよ。

毎年買ってくる「干支守り」

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今年の「辰」もなかなかの造形だね。

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紅葉のニシキ、神のマニマニ

2011年11月14日 | R1150RT (2001) あお号

土曜日は、いつも通るたびに気になっていた県道へ行った。

県道365号線(愛知県・田峯三都橋線)だみね みつはし せん

赤沢弁天を横目に、栗島川に沿って道は段戸山まで続く。

ちょうど裏谷原生林の辺りに出る。

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きのうまでの雨がまだ路面を濡らしている。

荒れた路面と濡れた落ち葉は「ゆっくり行け」と誰かに云われてるみたいだね。

栗島川の作る弁天谷は狭い谷で、昼でも陽が射さない。

淀んだ冷たい空気と、鬱蒼とした木々の精気。

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写真を撮っていたら、125ccの女の子が通り過ぎて行った。

「こんなルートを選ぶなんて、若いのにセンスいいな」

1150ccなんてのに乗ってるおっさんの方がなんだか気恥ずかしくなる。

確かに身の丈に納まる小型オートバイの方がここにはあってるね。

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楽しみにしていた裏谷の森はすっかり落葉していたよ。

森を歩きながらメシでも食べようと思っていたのに、目論みが外れた。

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地図を眺めて、近くの神越渓谷へ廻ることにした。

それにしてもいい天気で、走っているだけで気分がいい。

「真っ赤な秋」のヘービーローテーション。

♪~真っ赤だなあー、真っ赤だなあー

  蔦の葉っぱが真っ赤だなー

  紅葉の葉っぱも真っ赤だなー

この歌大好きだぉ!

実際は黄色紅葉が多いんだけどね。

加茂広域農道を伝って、神越渓谷へ出たけど、まだあまり紅葉していなかった。

ちょっとの高度の違いで、紅葉の進み具合に微妙な違いがある。

なんだか止まる気にならなくて、そのまま国道473号線で下山辺りまで来てしまった。

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和合という集落にあるお寺の境内の銀杏が色付いて見事だった。

2本の銀杏の巨木。

枝振りがそれぞれ異なっている。

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オートバイを停めて、ひとしきり写真を撮ってから、

誰もいなかったので、そこで昼メシにする。

のどかな山村風景と2本の銀杏の巨木を眺めて、ニンマリしながら湯を沸かす。

そこへトコトコと枯葉マークのラウムがやってきて、ボクの脇に停まった。

ラウムからは足元もおぼつかないようなジィ様が降りてきた。

目が合うと軽く会釈。

つられてボクも。

ジィ様は三脚付のEOS Kissを取り出して、件の銀杏を撮る。

構図を決め、露出を定めると、ファインダーを手で覆ってレリーズでシャッターを切る。

「できる!」とボクは唸った。

レリーズでシャッターを切るときはファインダーから顔を離すから、

ファインダーからの逆入射光を遮らないと露出が狂うのだ。

ボクは駐車場の入り口にある出来損ないのコンクリートの仕切り(?)に腰かけて

カップ麺が出来る間、ジィ様の様子を眺めていたのだけど、

5カット位撮っただけで、戻ってきて、当たり前のようにボクの横に腰かけた。

そして、ポケットから出した煙草に火をつける。

ジィ様くらいになると「吸って良いか?」などと無粋なことは訊かない。

「いいのが撮れたかい?」とジィ様はボクに訊く。

「段戸山の裏谷へ行ってきましたけど、もう葉が落ちていました」

ジィ様は耳が遠いようなので、ゆっくり大きな声で話した。

額田の祭りに写真を展示してきたこと、

下山の祭りにも写真を出して欲しいと云われて、それを撮りに来たこと

などをのんびりと教えてくれた。

「ご自分でパソコンに入れて、プリントされるんですか?」と訊くと

「これだけは出来る、メールとかインターネットは出来んのだが」と笑った。

そして、クルマの中から常備しているのか、または、たまたまだったのかは分からないけど、

分厚いクリアファイルを何冊か出してきて、写真を見せてくれた。

案山子と祭りの子供たちを写した写真を選んで「これが好きです」と伝えると

その写真は地元の雑誌にも載ったのだと、その雑誌も見せてくれた。

自分の写真に俳句を合わせているものもあって、

彼岸花が休耕田に咲き乱れる様を対比して読んだ句が目に付いた。

「いいじゃないですか」と素直に声にすると、

「それはおーいお茶のコンテストに入賞して、お茶のパッケージに載ったんだ」と相形を崩す。

昔から写真をやっている人は、今の写真のデジタル化は何だかしっくりこないと思っている。

そのせいで写欲にも影響が出て、写真を止めてしまったひとも多い。

ジィ様もそう思っているらしいのだが、

もう歳なので重い機材を持ち出して写真を撮りに出かける気力自体が減っているらしい。

話をしているうちに、ジィ様とボクが実はすごく近くに住んでいることが分かった。

変わった苗字の方だったので、ボクはすぐにどの家なのか分かってしまった。

親父が生きていたらこのくらいなのかな、と思うとちょっとうれしかった。

とても不思議な安らかな時間だった。

            〇

次の日もよく晴れて、とても穏やかな日だった。

もうどこを走っても「秋」なので、わざわざ遠くまで人混みを見に行く必要はない。

いつもの散歩コースを走って、いつものようにのんびり休憩する。

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紅葉がきれいだった。

国道へ抜けずに、県道で森の中を走る。

今年の収穫も終わって、山里は冬を待つばかりだ。

日差しがほっこり暖かくて、つい銀ジィを停めて日向ぼっこ。

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狭い山あいのこの辺りを「宇連野」と呼ぶらしい。

じいちゃんが一人、畦をなおしていた。

野原川に真昼のクリスマスツリー!

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紅葉の錦、神のまにまにー。

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グリップヒーター(のスイッチ)を入れる

2011年10月31日 | R1150RT (2001) あお号

9年間、8万km走っても1度も切れなかったヘッドライトのロービームがついに切れたよ。

近所のホームセンターで安いのないかなと物色したら、スタンレーの1球入りがあった。

期待してないのに「二輪車用」とも書いてあるシロモノ。

出かける前にパカッと開けて、カチッと嵌め換えて、ピタッと閉める。

念のためにエアーチェック。

おー、減ってるじゃん。

自転車用のショボい空気入れで前後2本で100回くらいポンピングする。

エアゲージをあてるのが下手くそで、かなりロスするから、その分多めに入れる。

空気入れたら、引き回しが軽くなったよ、ずいぶん減ってたんだね。

東の空は朝焼け。

昼頃には崩れて雨になると予報が出てる。

気温は12度くらいかな?

ロングスリーブのTシャツにジーンズ、インナーを外したジャケットを着た。

ちょっとサブいかな、と思いながら走り出した。

            〇

音羽蒲郡ICから東名に乗る。

ウインドシールドを立てて、襟元にあたる冷たい風をスポイルする。

少し迷ってグリップヒーターのスイッチを入れた。(・・印の最大ノッチ)

やばいねー、グリップヒーター。

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ボクがBMWのオートバイに憧れたのはパニアケースの出で立ちのカッコ良さと、

このグリップヒーターという装備があったからだ。

おっさんクサい装備だと思う人もいるだろうけど、

冬のライディングを厭わず出来るのもこいつのおかげだよ。

ヒーターベストを着た時にも思うけど、

寒く(冷たく)ないのと、暖かいはまったく次元が違う。

そりゃそうか、防寒でなく、暖房だもんね。

先週までの集中工事を終えた東名はちょっとだけ「新東名」シフトに変わっていた。

三ケ日JCTの手前には電気仕掛けのルート別所要時間標示板が用意されてるし、

新東名への表示板には「2012年初夏開通」と公言されている。

高速道路標示板のフォントも新しくなると発表があったけど、

新しく設置されたものは新フォントになった標示板が掛かっていたね。

違和感があるからすぐわかるよ。

三ケ日で東名を下りて、国道362号線で天竜を目指した。

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浜名湖辺りでもう上空は雲が広がった。

案外降り出しが早いのかな・・・

            〇

天竜から大井川へ抜ける山深い辺り、「春野」は秋葉山のお膝元。

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このまま北へと地図を繰るとその山並みは南アルプスへと続いていく。

秋葉山に登って尾根伝いには「天竜スーパー林道」が走る。

スーパー林道は10年前くらいならまだダートもかなり残っていて、

オフ車を所有してたその頃、結構な頻度で走りに行っていたね。

今日はその東側の気田川の谷筋をたどる県道389号線(静岡県・水窪森線)を走る。

天竜スーパー林道が陽なら、この県道は陰だ。

表なら裏、A面ならB面(死語か)、鶴なら亀、トロの握りならカッパ巻き、

BMW750ならミロブース、もといミライース、月ならすっぽん、ネコなら小判だ。

と、国語のテストなら間違い探しになりそうな例えは止めて、

国道からいきなり入った長くて細ーいトンネルを抜けることに集中しよう。

長さは661m。

中間地点に待避所がある。

おもしろいのは途中に何か所か断面に沿ってリフレクターが埋め込まれていて

ぐるりとトンネルを浮き上がらせる。

youtubeで動画があったので貼っておきました)

トンネルを抜ける気田川の川岸に出る。

しばらく川に沿って、「うっそー!」というような快走路が続くけど、

5速が使えるのはここまで。

あとは2速か3速でひたすら天竜スーパー林道との交点を目指すことになるよ。

            〇

川の流れが意外に泥まみれで灰色をしていた。

気田川はいつもは澄んだ青色の流れだけど、

このところの雨で土砂が多く流れ込んでいるらしい。

斜面が大きく上の方から崩れたりしているところが何箇所かあったし、

大木の砕けた残骸がそこら中に散乱していた。

そう云えば、先月の台風がこの辺りを通って行ったな。

通過速度が速くて、荒れてる時間は短かったけど、かなり強い台風だったからね。

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塗装がハゲハゲのトラス橋出現。

個人的にはこの「打ち捨てられ感」がたまりません。

さっきまでかなりあった川幅が、急に狭くなってきたよ。

県道は川の蛇行を忠実にトレースして、ずんずん山奥へと踏み込んでいく。

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カエデやモミジは少なくてケヤキなんかが枯れたように色付く、雑木紅葉だ。

今日は朝からずっと気温が上がらず、かなりサブい。

グリップヒーターは入れたまま。

おまけにさっきから霧雨が降り始めた。

こんなところに道路を作る意味ってなんだろう?

――砂防か、ダムか、それとも・・・と考えていたらふいに集落が現れた。

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「勝坂神楽の里」

どんなところなのかよく分からなかったけど、かなり古くからある集落のようだ。

この集落の先、5km位を明神峡と云って、紅葉の名所になっている。

色付きはまだもうちょっとという感じだったよ。

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大きな岩の上に根を下ろした欅の古木。

「明神欅」と名付けられていた。

樹齢はおよそ160年。

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すんごく細くなってるけど、だいじょーぶ?

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のんびりと木々の色付きと、川の流れを眺めていたかったけど、

どうやら予想通り雨の降り出しが早い。

強くはならないけど、じっとしているとしっとりと濡れてしまう。

            〇

最後の集落を抜けると、不意に県道は気田川の本流を離れて、

何かを振り切るように一気に高度を上げ始めた。

いくつも谷折り尾根折りを繰り返しては、容赦なく登る登る。

いつしか深い谷にいたはずのボクたちは峰の上へと出ていた。

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さっきまでいた気田川の流れが遥か下方に見え隠れする。

天竜スーパー林道との交点「山住峠」はもうすぐそこだ。

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山住峠 1107m。

鹿さんもしばらく見ない間にちょっと色褪せたんじゃないか?

そのまま真っ直ぐ峠を下りて、水窪の街を目指す。

この辺りも紅葉がきれいなところだけど、もうちょっとだね。

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国道151号線で新城・豊川へ出たら雨が強まった。

でも、強くはならないまま家にたどり着いた。

そしたら本降りに。

なーんだ、今日はちゃんとカッパ持って行ったのに。

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秋、そしてひとつフタをする

2011年10月17日 | R1150RT (2001) あお号

気がつけばすでに10月も半ばを過ぎ、秋もいよいよ深まりを見せる。

ひこばえで青々とした田には、毎朝びっしりの露が下りて、

陽が昇るとそれが湯気のようにモヤって、あたり一面に立ち込める。

2000m級の峠はそろそろ怪しくなるね。

秋の走りは格別で、特別だけれど、

このあと訪れる雪と氷の季節に急かされているようで、

落ち着かない気分になることも確かだ。

だから、時間が許す限り、飛騨や信州の峠を訪ねて行っては、

すばらしい紅葉の景色を目に焼き付け、

「また来年来るね・・・」とフタを閉めていく。

この週末に訪れた開田高原や野麦峠はまさにそんな季節の真っただ中だったよ。

            〇

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土曜の激しい雨で、木曽川は濁流が渦を巻いていた。

クルマもいつもより明らかに多くて、そんな濁流とは真逆ののったりとした流れの国道19号線。

それでも天気は最高で、川沿いの山の木々は少し色をくすませて、

秋の訪れをはっきりと感じさせてくれていた。

平地ではやや暖かかった週末だけど、

木曽路はすべて山の中、で、「須原」の宿場を過ぎるころから、空気が急に冷たく感じられるようになったよ。

流れは相変わらず悪くて、最初は「奈川」まで出て野麦峠へ上がるつもりだったのに、

木曽大橋の交差点で誰も開田方向へ曲がらなかったものだから、

気まぐれで国道361号線へ入ってしまった。

この国道はなぜか山の中の超快走路で、ボクはあまり好きじゃあない。

いつもは旧道を走ったり、手前の県道20号線で開田へ上がる。

でも、その日は19号がノロノロだったことと、

天気が素晴らしくて、気持ち良い青空だったことから気分が良くて、

思いっきり走らせてもらったよ。

したらば、ほとんど他のクルマにも合わずに

峠の「新地蔵トンネル」まで本当に「あっ」ちゅう間に来てしまった。

            〇

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そしてこのサブくて長いトンネルを抜けると、

そこは「秋」だった。

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去年の紅葉は良かったけど、今年は台風に何度か襲われてるので

「ダメかなー」とボク的には予想していた。

でも、今年も紅葉の色付きが良いように感じたけど、どうだろう。

特にモミジやカエデの赤がすごい!

まさに燃えるような感じだったよ。

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開田高原は雲もほとんどない快晴。

日和田へ抜ける長峰の峠では、

御岳の嶺が裾からズバーッと見える大パノラマ。

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思わず走りながら、鼻歌が出るような気分だったね。

            〇

高山方面へ下りながら、高根ダムのダム湖の途中で

県道39号線(岐阜県、長野県・奈川野麦高根線)へ折れた。

最初の集落に入ると正面に乗鞍が見えるんだけど、

大きな雲が中腹より上にのっていて全景が見えない。

峠までまだしばらくかかるので、その頃には晴れるだろうと期待して山道を進む。

野麦峠へ向かうこの県道辺りはすでに晩秋の気配が漂う。

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明け方までの嵐のような雨で、路面はまだびしょびしょ。

おまけに広葉樹の大きな落ち葉が一面に敷き詰められてにゅるにゅるだぉ。

わざとABSを利かせたり、ふいにABSに助けられたりで

あお号(’02R1150RT)との共同作業で峠へ向かう。

風が出てきてさらに落ち葉が吹雪のように舞い散る。

カラマツの葉は細かい針のようで、ヘルメットのシールドを下ろしていないとすごく痛いよ。

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峠の駐車場はマスツーリングのグループで占拠されてたので

少し離れた駐車スペースまで行ってあお号を停める。

野麦峠は相性があまり良くないんだけど、

今日はよく晴れて、風もそれほど強くない。(けっこう吹いてはいるけどね)

乗鞍は結局見られなかった・・・

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今日もストーブを持って来たので、湯を沸かしてメシを喰う。

ひと気がなくなると、「あーーーーー」と湯船で上げるような声を出してくつろぐ。

あんまり良い景色ばかり見てると、いつか自分もそこに熔け込んじまって消えてしまうかもな。

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うん、悪くないな、それ。

こんな景色を見ながら、そこで空気みたいになって溶け込んでいけるならそれもいいな。

あお「おいおい、置き去りはよせ」

ボク「あ、そうか」

あお「アホなこと云ってるとABS利かせへんからね」

ボク「うそうそ、帰るって」

はたして峠からの下りはすごい濡れ落ち葉のじゅうたんで、

ABSをわざと利かせながら降りてきたよ。

            〇

今年はこれが最後かな。

そうして「パタン」と野麦峠のフタを閉める。

また、来年くるよ。

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何もなくて豊かであるとは

2011年10月10日 | R1150RT (2001) あお号

久しぶりに早く起きられた。

朝日の斜光線が美しい午前6時。

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あお号(’02R1150RT)の完成された走りにうっとりしながら

峠を越えて、いつもどおり三河の山へ分け入る。

気温が下がっていて、辺りは露でびっしょりだ。

せっかく早く出られたんだから、今日は長野まで入ろうと思うけど、

トンネルの崩落でルートに制約があって、

あれこれ迷いながら走っている。

国道151号線で新野峠を越えたいが、

国道257号線から何処を回って151へ出るか、と云うことだ。

結局、田口(設楽)を過ぎて、県道10号線(愛知県・設楽根羽線)で津具へ上がり、

そこから県道428号線(愛知県・古真立津具線)で太和金トンネルの北へ出るのが良さそうだ。

もともと「428」は迂回ルートに指定されている。

なのに、ボクが実際に進んだのはどうやら県道427号線(愛知県・坂宇場津具設楽線)で

先週、長江へ行くのに田口から入った県道の続きの部分だった。

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もう最初からずっとクッネクネの林道様県道で笑いが止まらない感じのヤツだ。

でも、国道151号へは意外にいい感じで出られた。

            〇

そのまま、早い流れのクルマたちに付いて県境の峠を目指した。

この人たちすごく速くて、ボクのメッツラーのゾウさんを潰すくらいバンクさせられたよ。

て云うか、最近はバイアスタイヤ、おまけにグネグネの2本サスのオートバイ(銀ジィのことネ)で走ってるせいか、

あお号に乗ると、まるで大リーグボール養成ギブスを外された星飛雄馬みたいな感じで、

モノすんごい剛速球がバシバシ放れる感じだよ。

パラレバーは路面の凸凹を舐めるように走るし、

ワイドトレッドのラジアルタイヤは思いどおりのラインで曲がってくれるし、

その上、まるで破綻する気配すら感じさせない。

新野峠。1060m。

秋が深まりつつある。

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            〇

新野の道の駅を通過して、阿南に入る。

ループした道路をクルクルと駆け下りて、

巾川トンネルの先で和知野ダムの方へ折れた。

「和知野ダム」はこじんまりしているけど発電用のダム。

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小さなダム湖はひっそりとして神秘的だ。

秋が深まると周囲の木々が色付いて、息をのむ程の情景になる。

ここから今日は県道243号線(長野県・深沢阿南線)で国道153号線まで出る。

この県道、現在、時間通行止めされてるので注意してね。

ボクは通行止めを知らなかったけど、偶然通行可能な時間帯でラッキーだったけど。

県道は最初から和知野川に沿ってずんずん山奥へと入って行く。

和知野川はすごくキレイな流れで、思わず見入ってしまう。

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けど、道は半端なく細くて、正直オートバイでなかったらのんびり分け入る気にはならないくらいだよ。

トラックやダンプが来ることはなかったけど、交通量はまずまず。

油断してるとオートバイでもすれ違いに気を使う個所があるから注意が必要だね。

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天部に木が生えたロックシェードが続く。(効き目あるのかよ・・・)

こんな山深さでも、しばらく行くと民家が其処彼処に見られるようになる。

ひとの気配があると当然のように田畑がある。

人間てすごいな、とつくづく思う。

大きなキンモクセイが一杯に花を付けて辺りにその香りを充満させていたよ。

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「浪合」に近づくと田畑がさらに増えた。

「熊出没注意」、「イノシシ注意」、「マムシ注意」と立札が並ぶ。

自然が豊かとはそういうことだろう。

もともとは彼らの住処なのだ。

人間は何処へでも入って行って、田畑を切り開く。

冒険家の関野吉晴さんが、信じられないような秘境での人々の営みについて

それが敗者が生き延びるための手段であった、

と話されるのを聞いて、なるほどな、と思ったことがある。

世界には、勝者が生き残り、敗者は淘汰されていく、という一面もあるけど、

敗者にも生活があるのだ。

日本の秘境にも「平家の落人」伝説がそこら中にあることからも裏付けされるだろう。

ここが、まさにそれだ、ということではないけど、

山里や離島でも多くの人たちが暮らすのを見ると、

人の営みの逞しさに感心することしきりだ。

何もない山里にも、豊かな風土が培われているのだ。

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大きな木の下のベンチで、お湯を沸かして食事をとった。

遠くのせせらぎが微かに耳に届き、

刈り取った藁を焼く煙の匂いが鼻腔をくすぐる。

ひとりぼっちで、さみしくて、とてもいい日だね。

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伊豆を走ってもなんだか不満なこの走る魂(おっさん)

2011年09月19日 | R1150RT (2001) あお号

伊豆へ行ってきた。

いつものように箱根峠へ上がって、そこから熱海峠の伊豆スカイライン入口へ。

「どこまで?」と訊くから、

「最後まで」って答えると、料金所のおっさんに笑われた。

どこまでって云えばいいんだい?

天城高原?

まあいいってことよ。

1年ぶりの伊豆スカイラインは今日も最高に楽しかった。

ブイーンって行って、グウウーと減速、シュターーーーと旋回、そしてまたグワーン。

二輪車通行止めとか云ってないで、逆に二輪専用道にすればいいのに。

城ケ崎から海沿いを国道で南下。

下田で昼メシ、金目鯛。

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西伊豆へ回ってマーガレットラインを攻める。

松崎からバサラ峠を越えて、河津。

旧道で天城を越えた。

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            〇

楽しかったけど、いつもと一緒だったな。

伊豆半島中ワインディングで走りに没頭できる。

結構まだ暑くて、温泉につかる気もしないし

久しぶりの600km越えに、走りごたえはあった。

ただそれだけ。

贅沢かもしれないけど、伊豆まで行ったのになんかスッキリしない。

            〇

週末は、のんびり銀ジィ(’81R100RS)で散歩。

南海上にふたつも台風があるせいで、彼岸も近いというのに空気が暑い。

交換したタイヤのおかげで、ワインディングが楽しい。

ついつい攻めた走りになってしまうけど、

効率の良い旋回を心掛けて、無駄に深くリーンさせない。

先週、調整したクラッチの遊びが大きすぎた。

休憩しながら、ほんのちょっと遊びを少なく調整しなおす。

うんうん、いいかんじ。

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空の色はもはや秋だね。

作手守義の集落には彼岸花が咲いていた。

お地蔵様のところに銀ジィを停めて、集落を散歩して歩いた。

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今まで気づかなかったな、こんな沢があるなんて。

ここんところの雨で山はまだ大量の水を蓄えている。

ちょっと山に入ると、水浸しでブーツが湿る。

見上げる山の木々は、ほんの少し緑をくすませているような感じがした。

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           〇

走る目的は別にどうでもいいんだけど、

走りたい衝動が何からきているのかは知りたい。

クルマでなく、自転車でなく、オートバイで。

CBでなく、SRでなく、FLHでもなくこの老いぼれ(RS)で。

走りながらそんなことを考えてると、ああキンモクセイ・・・・・・、と

しあわせな自然の贈り物に無条件で至福な気持ちになるんだなー。


ふたつの大きな川をつなぐ

2011年07月25日 | R1150RT (2001) あお号

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右が揖斐川、左は長良川。

今日はこの二つの川と、いくつもの支流を巡る走り。

            〇

国道1号線に架かるこの伊勢大橋は橋長1105mのトラス橋。

ちょっと変わってるのは橋の中間に信号交差点があること。

写真に見えている県道106号線(三重県・桑名海津線)がそこから分岐している。

トラス橋の裂け目に道がつながっている。

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ここからしばらく両側に大河を見ながら道は続く。

狭いところでは30mくらいしか離れていないから、

本当に河の中を進んでいるようだ。

風が冷たくて、真夏なのにとても気持ちいい走りを楽しめる。

でも、それも束の間。

木曽三川公園で揖斐川は西へ離れて、

今度は長良川の向こうに木曽川が寄り添う。

県道23号線(三重、岐阜県・北方多度線)に道は変わるけど、

相変わらず快適な堤防道路だ。

横切る橋がいくつもあるけど、この堤防道路はそのほとんどをアンダーパスして行く。

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サンヨーのソーラーアーク(太陽光発電施設)

今は松下?ナショナル?あーパナソニックか、のモノになっちまいました。

こないだ大阪出張で新幹線の中から見た時、ちょうど「SANYO」の看板を外してたな。

写真に新幹線が写ってるけど、1両が25mあるから、この建物のデカさがわかるね。

太陽光発電、来てます。たぶんみんなすぐ忘れるんだろうけど。

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河の外側にある水路も立派な橋がいっぱい架かってる。

こいつは古そうで味があったな。

一本手前には最新式っぽいヤツ。

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ちなみにこの赤い橋の方がはるかに立派なのに、こちらは人しか渡れません。

橋と云うか、歩道橋感覚だね。

墨俣にはこんな橋。

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「一夜城」の看板があるけど、もちろん藤吉郎の逸話に残る城とは無関係。

大垣城を模して造られた資料館だ。

藤吉郎が造った墨俣城は短期間に完成させる必要性から、

あらかじめフレームと壁を一体に組み上げ、

それを組み合わせて造られた、いわばプレハブ工法の先駆けのような建物だったらしい。

            〇

ここでいったん河から離れて、谷汲まわりでふたたび揖斐川に合流し、

その上流の徳山ダムを目指す。

・・・・・・つもりだったんだけど、

なぜかぼんやり国道157号線で根尾川に沿って走る、あお号(R1150RT)とおっさん。

でもね、この道気持ちいいんだよ。

ここんところの改良工事で狭路部分がほとんど無くなっちまった。

この国道は福井へ抜けるんだけど、途中の「温見峠」がネック。

通行止めじゃなかったことなんて、あったか?っていうくらい通れない。

もちろんこの日も「通行止め」と出ていた。

というか、「温見峠、通行止め」の表示を見て、道を間違えていることに気付いたんだけどね。

仕方ないから、根尾の先から県道に入って徳山に抜ける。

でも、「根尾」にくると、「マトリックス」のキアヌ・リーブスを連想してしまうボクは変か?

あ、どうでもいいことです。

県道270号線(岐阜県・藤橋根尾線)に入る。

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とてもきれいな川だ。

先週の台風の影響もあまり感じられず、水は澄んでいる。

県道はボクの大好きな部類のヤツで、クッネクネのボッコボコ。

分け入っても分け入っても青い山、の山頭火ルート。

峠に近づくとさらにこれでもか、と高度を上げる。

登り詰めるとトンネル。

毎度おなじみ入口ショット。

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昭和8年完成の馬坂トンネル。

短いけど、さすがに雰囲気のあるトンネルだ。

ここまで道を繋いでくることも大変だっただろうに、峠にトンネルとは。

昭和の中ごろまではこのルートが徳山へのメインルートだったそうだ。

郵便も歩荷によってこの峠を越えて運ばれた。

トンネルを抜けると眼下に徳山湖がすでに見渡せる。

総貯水量6億6000万立方メートル、って云われてもどれくらいかよく分からんね。

とにかく日本最大規模なんだそうな。

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ロックフィルダムの堤高161m。

上部にあるラジアルゲートは4門。

ゲート水深が12mもあるよ。

滑り台のような水路は巨大すぎてなんだかよく分からない。

水に乗って下のプールまで滑り降りてみたいような気もするけど、

たぶんそのままザブンとゴートゥーザヘブンですな。(駄洒落かよ、また)

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水没して間もないからなのか、

水際には白骨化した木々の林が広がっていた。

美しい、けどなんだかかなしい風景だったね。

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徳山と云えば、ボクの写真の師(勝手にそう思ってるだけですけど)増山たず子さん。

増山さんと写真の話はまた機会があったら書きたいと思ってる。

            〇

徳山ダムから揖斐川に沿って下って行く。

ダム建設のために整備されたんだろうね、すごくいい道が続くよ。

途中からほんとはここを走ってくるつもりだった県道に入る。

県道40号線(岐阜県・山東本巣線)。

ボクは勝手に「谷汲ハイウエー」と呼んでいる。

とにかく楽しいルート。

この1本北側の県道79号線もいい。

岐阜県て県道天国だよねー!

谷汲山の山門は素通りして、いつもの赤いヤツを見に寄る。

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あお「つやつやで元気そうじゃん」

あか「動けるうちに動いとけ!」

            〇

山県市?という聞き慣れないとこから国道256号線へ。

大合併のせいで地名がどんどん消えていった。

行政の区分とその名前が一致してないといけないんでしょうかねー。

いきなり道路標示で「山県」と出されてもピンとこないよね。

高富とか武芸とか括弧付でいいから併記出来ないもんでしょうか。

256号線は川遊びにいい板取川に沿って走る。

板取川は長良川の支流で、負けず劣らずの澄んだ流れの川だ。

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ゆったりとした川の蛇行に合わせて、国道も蛇行する。

「あじさい街道」の別名もあり、沿道にはそれは見事なあじさいの列が連なる。

残念ながら花の旬は過ぎてしまっていたので花は一様にくたびれてはいたが、

まだまだ充分楽しむことができたよ。

このまま板取川に沿って県道へ進み、大和へ出ようとしたけど、

災害復旧工事中で通行止め。

仕方なくクーラー全開(さっぶいよ)のタラガトンネルをくぐって郡上八幡で長良川に出た。

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長良川はいつ見ても清々しい流れだ。(写真無いんですけど)

国道156号線沿いにあった休憩スペースへ。

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東屋があって、それ自体も木陰になっているので休むには打ってつけだった。

奥には長良川が見渡せ、すぐ下を長良川鉄道が走っている。

それにしても立派な石の表示板と東屋の額

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「いたち坂」?

とにかく立派です。

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それにしても1日良い天気だった。

暑くて、風が一層心地よくて、爽快だった。

山も河も元気で、力をもらえたような気がしたよ。

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棚田、もしくはクロスプレーン

2011年06月27日 | R1150RT (2001) あお号

たとえ雨でも走りに出ようと思っていたら、

なんと晴れた。

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けれど晴れたらやはり飛び切りの蒸し暑さ。

さらに、あろうことか10時に予定が入ってしまっていた。

6時には出発出来たけど、4時間のタイムリミット。

まあ、4時間あれば200kmくらいは走れるかな。

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電気系統に不安のある銀ジィ(’81R100RS)だと万が一があるので、

(約束があるのに戻れない、ではシャレにならないでしょ)

久しぶりのあお号(’02R1150RT)。

上下メッシュのウエアを着てきたけど、

準備しているだけで汗が噴き出してくる暑さ、しかもまだ6時だよ。

走り出してもウインドプロテクションが売りのRTではそれほど涼しくならないしね。

時折、腕や足をカウルから突き出して、風を取り入れながら進む。

県道10号線(愛知県・設楽根羽線)へ行こうと思っているのに、

なぜか筋違いの国道151号線を走っていた。

単にボクがドン臭いだけなんだけど、並行して走る257と151を良く間違える。

幸い早く気付いたから、長篠で県道32号線(愛知県・鳳来東栄線)を使ってルート修正。

この国道257号線には道路に沿って寒狭川(豊川)が流れている。

寒狭川はアユ釣りの川として広く知られる清流だ。

今日はあお号に乗って奥三河へとアユたちと一緒に遡上するよ。

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寒暖の差が激しかったのか、降った雨が暖かかったのか、

早朝の寒狭川には、幻想的な川霧が立ち込めていた。

すでに釣り人たちは腰まで水に浸かってアユを狙っていたよ。

            〇

人影もまばらな、早朝の田口の街を過ぎて

ようやく県道10号線へ入った。

明け方まで雨だったのか、路面はびしょ濡れ。

すでにリプレイスから12000kmにもなるメッツラー・Z6インタラクトは三分山。

けれどリーンの素直さは変わらず、グリップも未だに強烈で最高だ。

渓流の岩に咲くツツジがきれいだね。

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津具から茶臼山に上がろうかとも思ったけど、スルーして

道の駅「つぐ高原グリーンパーク」で休憩。

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先客はヤマハのSS「YZF-R1」

クロスプレーン型クランクのヤツだ。

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はじめてエンジン音を聞かせてもらったけど、

ドカのツインに似た音だね。

いやね、そりゃあ新しいモデルにも興味あるんすよ、一応オトコですからね(ってどういう関係)

というより、ボクのオートバイ遍歴はもともとは四発からはじまってますからね。(あ、そういうこと)

アレ、乗ってみたいーーーーー!

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            〇

そのまま北上して、根羽から国道153号へ入る。

10時までには家へ戻らないといけないんだけど、

すっかり忘れたシンデレラ。

すでに8時、わたしそろそろ戻った方が良いのかしら・・・

けれど、のろのろのクルマもいなけりゃ、白バイもいない朝の153は最高だよー。

おまけにここまで高度があがると、やっぱり涼しくて気持ちいい。

平谷の道の駅まで来て、帰りのルートをざっと決めた。

平谷峠、新野峠、太和金峠、仏坂峠。

峠を4つ越える。

県道32号線(愛知県・鳳来東栄線)は意外に険しい。

ボクの大好きなクネクネの極上県道だ。

峠には長いトンネル。

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中には霧が立ち込めていて、どこか違う時空へつながっているみたいだ。

鞍掛山の麓へ降りていくと幾重にも重なった棚田の集落に出る。

秋の収穫の頃もいいけど、ボクは今頃が一番好きかな。

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時を忘れてしまう眺めだ。

でも、はたと気付いて時計を見ればすでに9時39分・・・

どうあがいても家までは1時間はかかる距離だよ

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久しぶりに200km超。

あお号(R1150RT)はツーリングの楽しさを全くスポイルしない。

しっかりとボクの要求に応えてくれる従順なヤツだ。

もうじき付き合いだして9年・80000kmになる。

手を入れる個所が徐々に増えてきたけど、まだまだ長い付き合いになりそうだな。

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等間隔爆発のツイン R vs W

2011年03月07日 | R1150RT (2001) あお号

芯のサブさはほぐれてきてるけど、まだまだ充分サブいですな。

ボクが持ってるオートバイはどっちもデカいフェアリング装備だから

走ってる時は、実はそれ程でもない。

指先がかじかんで堪らないなんてこともないし、

まぁ、贅沢な話だね。

このところあお号(’02R1150RT)に乗ってやってなかったので、

土曜の朝からあお号を引っ張り出して、走ってきた。

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さすがにひと月ばかり始動しなかったから、セルがグズる。

岡崎ICから東名に乗るが、今日もすでに渋滞していた。

伊勢湾岸道の開通以来慢性渋滞のこのエリアだけど、

先日の新聞報道で、この秋にも路側帯をつぶした3車線化が実現するらしいよ。

期間は新東名開通までの暫定措置だけど、もう少しの我慢だ。

豊田JCTから東海環状道に入り、フラットツインに鞭を入れる。

4000rpm付近のフィーリングは最高に気持ちいい。

豊田藤岡ICで下りて、小原トンネルを越えて岐阜へ入る。

勘のよい人はもう気付いたかな、

そうです「らっせい」詣ででーす。

今日のお目当てはこいつ。

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そばを味噌で煮込んじゃうという問題作!?

味噌の汁は云うことなし。

蕎麦もいつも通り最高の歯触り。

でも、正直、これ来年は無いかなー。

タマゴは溶かしちゃうんじゃなくて、落としたままにして欲しいし、

カシワもありかも?

気になる向きは、4月の中ごろまでの限定メニューなのでお早めに。

らっせい辺りから北を見ると、まだまだ雪山はすごい!

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ここから奥はまだまだ先にならないとダメだね。

帰りに矢作ダムを抜けて走っていると、なにやらオドメーターがムフフ状態。

どうでもいいことだけど、なんだか気になるよね、ゾロ目。

リーーーーーチーーーーー!!!

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(頭の0は無視)

なんだかあと100km走りたくなってきて

足助から三河湖を抜けて新城、そこからまた作手、豊田と回ったけど

結局、フィーバー(わかるかな?)しなかったよ。

どうでもいいか?

          〇

翌、日曜は結局銀ジィ(’81R100RS)に乗りたくて

用もないのに、元ディーラーへ無理やり用事を作って走る。

道中、こっちがロートルの老いぼれオートバイとみて仕掛けてくる四つ輪を

適当にからかいながら、OHVフラットツインをぶん回す。

最近気づいたんだけど、銀ジィに付いているブレンボは実はかなり効く。

車体やタイヤの剛性が・・・とか云うけど

レースを走る訳でもあるまいに、レーサーレプリカ以前はみんなこんなもんだったよ。

スイングアームなんて鉄のパイプだったしね。

元ディーラーに付いて、雑談してたらW800の試乗希望のお客さんが来て

(いまはカワサキのショップです)

エンジンをかけるとこ見てたら、それがすごい良い音でまいったよ。

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バベルギア駆動のカムがヒューーーンてたまらん音を出す。

「のってみる?」とか云うから、ボクも乗らせてもらった。

結論から云うと、「うーーーーん」て感じかな。

よく出来てる。

力はあるし、よく曲がるし、よく走る。

増車する余裕があるなら買い足してもいいけど、

そうじゃなくって買い換えるって考えると、無理だね。

だって、ワクワク感がない。

ボクの思惑を裏切ってくるようなものを感じない。

でも、あのバベルギアの呻りは痺れたな。

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