云うほど齢でもないけど、時折、身体がガタピシ音を上げる。
最近では、毎朝のラジオ体操が日課だ。
長生きしたいから、と云うより、
生きてる限りオートバイに乗っていたい、というだけだ。
ガレージの中で2週間眠っていた銀ジィ(R100RS’81)を引っ張り出す。
燃料コックを開け、チョークレバーを一杯に引く。
メインスイッチをONにすると、意外な強さでインジケーターランプは点灯した。
「元気じゃん」
スロットルにわずかにテンションをかけ、セルを慎重に回すも、あっけなくエンジンは始動した。
ストールしないように回転をやや上げて、スロットルを固定した。(RSには固定するネジがある)
暖機する間に、パニアに荷物を詰める。
蓋を開けたとたんに、何かが中から飛び出して、そのまま視界から消えた。
「うーん?」と思ってパニアの蓋から手を放すと、蓋はそのまま下へ落ちた!
どうやら蓋を支えるステーが外れたようだ。
「やれやれ」
こっちのジィさんも相当ガタがきている様子だ。
ステーを止めてたピンがどっかへ飛んでっちまって見つからない。
「待ってろよ、いま合いそうなネジ付けてやっから・・・」
ネジケース(余ったり拾ったりしたネジをためてある)から合いそうなものを探してきて取り付けてやった。
ヘルメットやグローブやら、身支度を整え、
銀ジィをゆっくりと発進させる。
ガサガサと荒れた回転フィールで、「ツキ」もまだ悪い。
通りへ出る一旦停止で、ストールさせないように気を使う。
しかし足元にはすでに熱風を感じる。
3速へ入れるとステアリングから弱いシミーが出る。
銀ジィは速度が70km/hを超えるときフロントを揺らす。
コーナリング中は無いし、80km/hを超えると消えるので、様子を見ている(放置している)。
アチコチ手を入れてみたい気もあるけど、
この程度の不具合なら、ロートルのオートバイ乗りにはちょうど良い。
「どうした?肩が痛むのかい?」
「おいら、膝が痛くてなー」
てな具合で、お互いを労わりつつ、な。
〇
いつものワインディングを駆け抜けて、山間の集落で見事な紅葉に出会った。
にしてもこの写真、とても21世紀に撮ったとは思えんね。
懐かしき昭和。
あの頃は良かったと、臆面もなくボクは云う。
今の日本は、いや世界は、かつて三島由紀夫が予言したとおりの、
無機的で、からっぽで、ニュートラルで、中間的で、富裕な、抜目がないただの経済大国だ。
ひとの心は変わっても、自然は変わらず、季節を刻む。
ボク等は日々、費用対効果ばかりを追いすぎているのではないだろうか?
最近の「省エネ」というキーワードは、なんとも胡散臭い。
結局は大量生産ー大量廃棄の図式から逃れられない。
モノを大事に永く使うことこそ、エコロジー、ではなかろうか。
30年前のオートバイをこれからも大事に乗り続けることだ。(あ、そういうことね)
〇
散歩の途中にいつも立ち寄る木陰のスペースも
今日は見事な色づきで迎えてくれた。
今夏、この木陰でどれだけ癒されたことだろう。
今日は北からの冷たい風が吹き付け、じっとしているとサブくてたまらないほどだ。
パニアからストーブとケトルを取出し、湯を沸かす。
ペーパードリップでカップに1杯分だけコーヒーを淹れた。
見事な紅葉を独り占めしながら、コーヒーをやる。
この辺りは意外にさぶさが厳しく、真冬には凍結の危険があって来られない。
夏の散歩コースもいよいよシーズンオフだ。
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