ソロツーリストの旅ログ

あるいはライダーへのアンチテーゼ

振り返ってみるとオートバイがいちばん好きだった

春になったらまたくるよ、必ずね

2022年12月28日 | R100Trad (1990) クロ介
早いもので今年も終わりですね

なーんて、これっぽっちも思ってやしないんだけど

何となく口にしてみると

人並みに一生懸命生きているような気になれる



今年の秋は暖かい日が多くて

12月に入っても道路に凍結の気配すらなかったが

ここへきて一気に季節は冬

先週末に降った雪は未だ溶け残り

日当たりの悪い場所はツルツルに凍っている



でもね

風さえ収まれば日差しは暖かく

「いけるんじゃないの?」

なんて誘惑に負けることになる



千万町の集落を抜けるころから路面が怪しくなる

路肩には雪が残り

路面は黒々として判断が難しい

圧雪されてアイスバーンになったところが2か所

息を殺してやり過ごす

もちろんこの場合息を殺したからと云って何とかなる訳ではない

垂直荷重を維持して

トルク変動のない駆動を心がける

まあそうすると自然に息が止まるんだけどね



国道に出るとさらにヤバいブラックアイスバーン

50mくらい続く圧雪のアイスバーン

意外にグリップするんだけど

下手打った瞬間にコケるからね

気合が入る

ライディング歴 40年

今日ここを通過するために今までの経験がある

はず……



なんて書いてるけど

その他はいつもどおりでそれなりに楽しく走った

涼風も作手の道にもオートバイの影はなく

今年はこれで最後になりそうだ



また春にあおう、と誰にともなく告げる

―やがて光は消えていくだろう

―だけど何度も帰ってくるよ

と「春を待つ」の一節を口ずさみ

クロ介と二人

今日も冬の家路をたどる



来年もよろしく

そしてどこかの路上で

北風の中 太宰を読む

2022年12月15日 | R100Trad (1990) クロ介
弱い寒気が流れ込んで高い空にまっ黒い雲が広がる

ところどころ晴れ間も見えているし

北の風に流されている雲の動きも速いので

まあ大丈夫だろう、とクロ介を連れ出す



路面はまだ大丈夫

気温はそこそこだけど今日は風が冷たい

雲で陽がさえぎられるとすごく寒い

おまけにいつもの「涼風」に着くころには時雨れてきた



濡れるという程でもないくらいの雨粒だ

しばらく 軒先で 待っていたら 、すぐに時雨は止んだ

コーヒーでも淹れて温まろうとストーブに火を入れて

沸騰するのを 待っていたが

今度は 北の風が いっそう 強く 吹きつけた



熱いコーヒーを啜りながら

スマートフォンを取り出して青空文庫を開く

著作権の切れたかつての文豪たちの作品を

ポツリポツリと読み返すのが楽しみだ

最近は太宰にはまっている

勿論、太宰は生涯にわたって何度も読み返した作家だけど

社会からドロップアウトした今

読み返すとなぜだかまだ新しい発見がある



それにしても今日の読書は苦行のようだ

陽にあたっている部分はそれなりに暖かみはある

太陽光は輻射熱を放つのでどんなに風が冷たくてもその熱が伝わるが

ただしそれよりもはるかに吹き付ける北風が冷たい





クロ介を風上に立たせて風をさえぎる

突き出たシリンダーがまだ仄かに熱を放ってはいるが

ここまでして外でくつろぐ意味がもはや分からないですけど、なにか?

まあよい

富士には、月見草

北風には、太宰がよく似合う



スパークプラグの端子にカーボンが堆積する症状

車検でバルブの調整やキャブの調整をしてもらって

やや改善がみられる

ただ燃焼室内にもカーボンが蓄積している可能性もあるので

清浄剤をガソリンに添加した



ご存じ「フューエル1」

BMW純正のフューエルクリーナーと同じPEAを成分とする添加剤

純正よりちょっと安い

あとシリンダー周りのオイル漏れがあったんだけど

シリンダーヘッド締め付けをチェックしてもらってかなり治まった

フラットツインのヘッドは新車から徐々に締め付けを増していくんだけど

ディーラーメカでないと知らないんじゃないかな

15Nm→25Nm→35Nm

かなり増し締めしていく

いやホントこわいくらい好調のクロ介くんですよ