ソロツーリストの旅ログ

あるいはライダーへのアンチテーゼ

振り返ってみるとオートバイがいちばん好きだった

来年のことを云うと鬼が笑うそうですよ ならばやはりここは今年の恥をしっかり胸に刻みましょう

2024年12月27日 | 日記・エッセイ・コラム


今年の冬は厳しそうな気配だ

いやいや天候、気候なんてものは気まぐれもいいところ

だからじきに調子っぱずれのような具合になるのかもしれないが

まあそれにしても年末に向けての今日この頃は

しっかりと寒い寒い日々が続いている



SR400が車検から帰ってきたと思ったら

クロ介(R100RS擬き)が壊れた

クリスマスに向けて冬型が強まり

次々と強い寒気が南下してくるようなので

風もなくよく晴れたその朝

クロ介を引っ張り出して今年最後の「巡回」に出掛けるつもりだった

毎年寒くなってくるとやや始動に危うさを感じるが

それでも少し長めにセルモーターを回すくらいで

「困難」と云うほどのものではなかった

この日は冷え込んで9時を過ぎてもまだ3℃程の気温だった

昨日一日充電器に繋いでおいたのでセルはグルングルン回った

なのにクロ介が始動する気配が無い

バッテリーを休ませながら5回繰り返すがダメ

マフラーから生ガスの匂いが強くなったので

チョークを閉じてスロットルを開けてみるがやはり無反応

流石にバッテリーは枯れてきてセルも怪しい

どうしたんだい?ヘヘイ、ベイビー

バッテリーはビンビン(だったのに)

こんな朝にお前に乗れないのかよ

と、余裕噛ましても掛からないものは動かない



仕方なくクロ介はガレージに戻して再び充電器に縛り付ける

今日はもうフラットツインの股ぐらになっちまってるもんで

ビッグシングルをキックしてもノリが悪い

頭の中でグルグルするのはクロ介のことばかり

だったんだけどそこは現金なもので

いつものコーナーですっとSRのスリムな車体をリーンさせると

途端に唇の端が歪む

よしよし今年最後はお前で締めくくるよ



寒さもそうだが今年は記録的にこの時期の降雨が少なくという

少なくというか、全く雨が降っていない

空気もバリンバリンに乾燥しているせいか

ちょっと前に比べて路面の湿りが少ないみたいだ

山からの水は凍るがその出方もかなり少ない

朝方の冷え込みの強さに比べて霜の付き方もなんだか薄いのだ

もちろんその分凍結の心配は少ないのだが

路面温度はさらに下がっているので

一旦停止からの左折なんかでリアがグリュっと来ることもある

調子に乗って夏みたいにバンクしてスロットルをぐりーなんてのは進められない



1週間前に来た時より確実に季節は進んで

色付いた葉が残っていた木々もすっかり丸裸になった

乾燥した初冬の空ははるか成層圏まで澄み渡り

その青さを一段深くした

さすがに椅子を広げてのんびりなんて気にはならない

涼風(の里)の軒先に出されたままの椅子をちょいと拝借

ゆるいけど吹き付ける冷たい冷たい北の風を避けて

ありがたくも差し込む冬の低い太陽に目を細め

日向ボッコとしゃれこむ



もういつから嵌めているか分からないJRPの冬用グローブ

ツヤなんて当に無くなってるだけでなく

革が毛羽立って表面はガサガサだ

エンジンに触って表面を火傷させたりした大きなキズもある

嵌め心地と操作性がボクの手にフィットしているせいか

他のメーカーのグローブも新調しているのに

こいつがなかなか手放せない

若いころはグリップヒーターだ、電熱ベストだ、とやってきたが

逆に歳を重ねて真冬の指の冷たさに冬を感じる喜びを知った

指先の冷たさには人一倍弱いはずの自分だけど

この凍える指先に冬のライディングのプレジャーがあるのだ

気温一桁の空気の中を走ると

30分くらいで指先は凍えてくる

でもここからさらに指先が痺れるまで行くにはかなり時間がかかるものだ

何をそんなに我慢してまで、とニヤニヤしながら走るのだ

そして自販機の缶コーヒーを握り締める

だからいつもボクのコーヒーはぬるい



翌日、クロ介に清掃済みの使い古しプラグを付け

慎重にセルを回してみた

結果はまあ予想どおり全くダメ

JAFを呼んでピックアップしてもらう

そのままテックMCに入院になった

イグナイターが死んだらしくて

テックにたまたまあったイグナイターを付けたら始動したらしい

純正の在庫が国内になく、しかも高額なので

ヤフオクでよく見るユーロモトエレクトリックスのイグニッションコントロールを入手

取り付けたらあっさりエンジンは始動した

やっぱりエンジンの電装系はパーツのストックが必要だな

見極めが難しいのでパーツ交換が一番わかりやすい

プラグのような部品とは違ってみな案外高額なのがネック

中古品も含め検討課題だ



それにしても今年はよく走った

2台持ちになったこともあるけど

久しぶりに走行距離が年間1万kmを越えた

出来れば来年も北海道へ渡りたいと考えているがどうだろうか

行けるかな



今年もより多くのPVをいただき本当に感謝しています

今どき、ブログなんていう文字ばかりの媒体を読んでいただける皆様に感謝しかない

いくら読者に主ねないで書いていこうと思っていても

やはりそこはちょっと気にしてはいます

だから気分だけで更新があったりなかったりってことだけは止めようと

月2回の更新を自分自身に課している訳で

これがボクの最低限かもしれないが皆さまに対しての誠意みたいなつもりでいます

そうしながら来年も無駄にながーいタイトルで

云わなくてもいい事ばかり書いていきたいと思います

いやほんと、申し訳ございません

皆様におかれましては何卒良い年をお迎えくださいますよう

遠き空の下よりお祈りしております

そして、いつかどこかの路上で・・・



今年も冬は訪れて、また春を待つ日々が始まるのだ

2024年12月14日 | 日記・エッセイ・コラム


ボクが住んでいるのは県内にあっては寒い方だけれど

所詮、太平洋側なので真冬でもまあそれほどでもない

雪も降るけど、積もっても夕方にはほとんど消えてしまうことが多い

いつもオートバイで散歩しに行くのはここよりもっと山の方で

15分も走れば標高も500mを越えてしまうので

冬には常に路面凍結の不安がある

12月はまだギリギリなんだけど

一日中陽の差さない山影や渓流沿いの道路

あとやっぱり橋の上はどこも危ない



いつもは作手(つくで)まで行って

そこから日によってさらに北の段戸山へ向かったり

三河湖の北側を山越えしたりするんだけど

もうそろそろ作手から先はかなり(路面状況が)怪しくなってきた

千万町(ぜまんぢょう)の先の峠道は一日中ずーっとウエットだし

峠付近の路面は乾いてるような体(てい)だが黒々と鈍く光ってかなり怪しげ

こんな状況で気温が氷点下に落ちれば間違いなく凍結するだろう

その先、国道301号線に合流してすぐの切通はもう警戒レベル

山から染み出したお漏らしのような水溜まりが凍っていた

もちろん凍結イコール転倒とはならないんだけど

操作によっては事故につながる状況であることに間違いない



この日は風がほぼ無くて

日向はホッとする暖かさではあった

いつもの「涼風(の里)」に乗り入れて自前カフェを開く

通常のOD缶やアルコール燃料はすでにちょっと効率が落ちている

プロイソブタンのOD缶が冬にはいいけど

急いでいるわけでもないので

のんびりとヤカンから湯気が上がるのを待つ



今年も例年のごとく意味もなく何度もここへ来た

オートバイ乗りも年季が進むと走るルートが決まってくるものだ

若いころは、それをツマらなくて退屈だと思ったりする

刺激は確かに少ないかもしれない

でもライディングの楽しみが詰まった良いルートがあるなら

何度走っても全く飽きないものだ

それに幸いにも日本には四季があって

同じ景色でも日々少しずつ変化していく季節を楽しむことも出来る

馴染みのサクラや馴染みの紅葉があり

山や田畑、鳥や空や雲や

川の流れに風の息吹に

四季それぞれの表情がある

飽きもせずに同じ散歩道を走られるのは偏(ひとえ)に彼らのおかげだ



先日車検を終えたばかりのクロ介くん(R100RS擬き)はといえば

オカメ(エンジンのフロントカバーのこと)の下からのオイル漏れを経過観察にしていたが

ガレージの中に染みを作るようになったのでやはり修理することにした




ボクサーツインのオカメからのオイル漏れは

ほとんどがジェネレーターのシャフトのシールの劣化だ

その他にその下にある茶筒(イグニッションパルスセンサー)のOリングの劣化

あとエアクリーナーのブリードから出るオイルが垂れることもあるそうだ

今回はシャフトのシールが劣化してオイル漏れしていたのだが

ついでなので茶筒のOリングもあわせて交換した

何度も云うことだけどこのクロ介

ボクが手に入れるまで15年くらい店頭で店番していた

走行距離は12000kmとまだ少なく

外観上はどこからもオイル漏れは見られなかったが

全く動かさずに15年

ゴムやプラスチックの劣化具合は正直よく分からない

分からないけど劣化しているには違いないので

納車の時にざっとリニューアルしたけど

走りながら、馴染ませながら出てくる不具合をひとつずつ潰してきた

フロントフォークのシールやリアショックのシール

シフトシャフトのシールやニュートラルスイッチ、オイルプレッシャースイッチ

プッシュロッドのシール

そして今回のジェネレーターシャフトシール

納車時にちょうどセルモーターが死んだのでそれも交換してくれている

つまりOHVボクサーの定番の劣化個所は一通り終わった感じだ

金属系の劣化は走行距離に左右されることが多いので

30000kmにようやく到達したクロ介にはまだ先の話かな

車検の時にスロットルワイヤーの同調を頼んでおいたんだけど

これ、やっぱりすごく重要で

アイドリングからの回転上昇がパーフェクト

この辺りが古いオートバイの真骨頂かと思う



アイドリングはいま750rpmくらいで安定する

そこからスロットルを開けると身震いすることなくスーッと回転を上げる

こういうのって自分でできるといいなと思うけど

やっぱりプロのメカニックにはかなわない

ネジの緩め方締め方だってレベルが違うと感じるし

音や手触りだけでそこからボクの何倍も何かを感じることが出来る

本当にすごいよね

とにかくエンジン絶好調で走るのが楽しい

ゴムパーツの劣化はほぼ潰せたので

あとは激しいオイル消費だけかな

来年はクロ介で北海道へ行こう

北海道のペースは正直SRではしんどい

いやまだわからんけど




12月の半ばなのに今年は木々の落葉が遅いね

むしろ紅葉真っ盛りといった感じで

まだまだお山は華やかに色づいて見せる




けれどここに来て寒気の流れ込みは本格化してきたのか

北海道や東北の日本海側はすっぽりと雪に覆われたみたいだ

そのうち南岸を低気圧がかすめればこの地方でも雪がちらつくだろう

もう山を入るのはここまでかな

こんなに山は綺麗だけど

路面温度が低くてワインディングを楽しめない



今年も冬がやってきた

いつものように馴染みの景色たちにしばしの別れを告げて

春を待つ日々がまた始まる