アーバンライフの愉しみ

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今年読んだ本(2015年版)

2015年12月24日 | 読書三昧

毎年この時期に、今年読んだ本のリストを作成して、その特長などをまとめている。

さて、今年はどうだったか。

 ・小出裕章著「原発と戦争を推し進める愚かな国、日本」(★★★)
 ・池辺晉一郎著「音楽の力、九条の力」。(★★)
 ・にしゃんた著「ブッダと歩く神秘の国~スリランカ」
 ・高橋源一郎xSEALDs「民主主義ってなんだ?」。(★★★)
 ・小川洋子著「琥珀のまたたき」
 ・吉村昭著「彰義隊」
 ・益川敏英著「科学者は戦争で何をしたか」(★★★)
 ・三浦しをん著「あの家に暮らす四人の女」
 ・朝井まかて著「薮医 ふらここ堂」
 ・吉村昭著「落日の宴~勘定奉行・川路聖謨」
 ・吉村昭著「冬の鷹」
 ・吉村昭著「ふぉん・しいほるとの娘(上下巻)」(★★★)
 ・佐竹直子著「獄中メモは問う~作文教育が罪にされた時代」
 ・吉村昭著「ポーツマスの旗」
 ・デボラ・デフォード著・中村藤美訳「居心地のいい~簡単生活」
 ・吉村昭著「戦艦武蔵」
 ・吉村昭著「ニコライ遭難」
 ・藤沢周平著「静かな木」
 ・藤沢周平著「霜の朝」
 ・朝日新聞特別報道部著「プロメテウスの罠9」
 ・高階秀爾著「誰も知らない”名画の見方”」
 ・NHK「戦争証言」プロジェクト編「証言記録~兵士たちの戦争」
 ・船戸与一著「残夢の骸」(満州国演義9)
 ・宮本輝著「田園発 港行き自転車(上下)」。(★★★)
 ・小川洋子著「博士の本棚」(★★★)
 ・角田光代著「ツリーハウス」
 ・高橋英郎著「モーツアルトの手紙」
 ・原田マハ著「奇跡の人」(★★★)
 ・中島京子著「かたづの!」
 ・日本文芸家協会編「代表作時代小説」(★★)
 ・柴崎友香著「春の庭」
 ・朝井まかて著「先生のお庭番」(★★★)
 ・宮本輝著「いのちの姿」
 ・森村誠一著「深海の人魚」
 ・門田隆将著「慟哭の海峡」
 ・伊集院静著「ノボさん・小説正岡子規と夏目漱石」(★★★)

以上、リストにするのが恥ずかしいほどの量(36冊)だ。昨年が63冊だったことからすると概ね、半減してしまった。

原因としては、移住に伴う雑用(住宅の売買、家具・調度の発注等々)が圧倒的に増えたこと、図書館が近くなりいつでも本が借りられるという安易さなどが上げられる。自戒すべきだ。(家内は、上記の状況でもペースは落ちず100冊を越えている)

纏めると、

1. 新刊書で面白かったのは、何といっても宮本輝著「田園発 港行き自転車(上下)」と原田マハ著「奇跡の人」の2冊。いつものことながら、宮本氏の作品には、悪者が登場しない。主人公の絵本作家の出生の秘密を探る旅に寄り添い楽しく読んだ。

2. 話題作と言われた中島京子著「かたづの!」、朝井まかて著「薮医 ふらここ堂」や三浦しをん著「あの家に暮らす四人の女」などは、それほど面白いとは思わなかった。それまでに読んだ作品がよかったこともあって、少し内容が薄いように思った。

3. 今年、何といっても力が入ったのは、記録文学の大家、吉村昭氏(故人)の作品を続けて7冊読んだこと。これは、新居が図書館に近くなり且つ、目録の検索が容易なことから、未読分を次々と借りることができるようになったためである。

「ふぉん・しいほるとの娘(上下巻)」、解体新書に光を当てた「冬の鷹」やロシア皇帝の来日中の襲撃事件を扱った「ニコライ遭難」などは、史実を知る上でも、物語としても良くできた作品だと思った。「戦艦武蔵」や「ポーツマスの旗」などは、歴史書として多くを学んだ。

4. 安保(戦争)法の制定など、きな臭い世相とのからみで、時事問題に関係する著作が多かったのも今年の特長である。益川敏英著「科学者は戦争で何をしたか」や、高橋源一郎xSEALDs「民主主義ってなんだ?」など。

5. 船戸与一氏のライフワーク「満州国演義」全9巻が完結した。最終巻を書き上げて間もなく同氏はこの世を去った。ご冥福を祈りたい。

今年の反省に立って、来年こそ良い読書年となるよう心したいと思っている。

蛇足:料理のミュシェランよろしく、「お勧め度」は下記のように★の数で表しています。

 ・先ず、「是非、お読み下さい」と強く推薦したい本 → ★★★
 ・次に、「お読みになってみては」とお勧めできる本 → ★★
 ・最後に、「お暇があればどうぞ」とお勧めする本  → ★

仮に★三つの本なら、心地よい後読感に浸れること請け合います。

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