早いもので、今年も「今年読んだ本(2019年版)」をまとめる時期になってしまった。
この頃つくづく思うのは、加齢に伴う視力や気力の衰えは隠しようもなく、読書量が年々減っていることである。今年は都合37冊にとどまった。
川村元気著「百花」(★★★)
朝井まかて著「グッドバイ」(★★★)
澤地久枝著「昭和とわたし」(★★)
司馬遼太郎著「沖縄・先島への道」
中島京子著「夢見る帝国図書館」(★★)
有島武郎著「惜しみなく愛は奪う」
ブレヒト著・谷川道子訳「ガリレオの生涯」
コンスタン著・中村桂子訳「アドルフ」
志賀直哉著「小僧の神様・城の崎にて」
浜矩子著「アホノミクス・完全崩壊に備えよ」
歌代幸子著「鏡の中のいわさきちひろ」(★★★)
ヴィクトル・ユゴー著・小倉孝誠訳「死刑囚最後の日」
シュペルヴィエル著・永田千奈訳「ひとさらい」
エミール・ゾラ著・国分俊宏訳「傑作短編集」
中川李枝子著「のこす言葉」(★★)
菅野沖彦著「新・レコード演奏家論」
魯迅著、藤井省三訳「酒楼にて・非攻」
伊集院静著「旅行鞄にはなびら」(★★)
真藤順丈著「宝島」(★★★)
モーム著・木村正則訳「厳選短編集」
原田マハ著「フーテンのマハ」(★★★)
カミュ著「ペスト」
篠田桃紅著「103歳、ひとりで生きる作法」(★★)
朝井まかて著「草々不一」(★★★)
金子勝著「平成経済 衰退の本質」(★★★)
平野啓一郎著「マチネの終わりに」(★★★)
平野啓一郎著「ある男」(★★★)
中島岳志著「保守と大東亜戦争」
香山リカ著「リベラルですが、何か?」(★★)
西加奈子著「サラバ!」
上田岳弘著「ニムロッド」
安曇野ちひろ美術館編「ちひろと歩く信州」
苦節37年~宮本輝著「野の春(流転の海第9部)」(★★★)
衝撃~堤未果著「日本が売られる」(★★★)
極上品~カズオ・イシグロ著・土屋政雄訳「日の名残り」(★★★)
浅田次郎著「おもかげ」
カズオ・イシグロ著「特急二十世紀の夜といくつかのブレークスルー」
纏めると、
①年々、読書量が減っている。昨年は44冊だったから、最悪を更新したことになる。特に、小さな活字を追うことがとてもつらくなってしまったから、これ以上、読書量を増やすのはとても無理だが、何とかだましだまし続けていきたいと思っている。
②今年も、朝井まかてさん、平野啓一郎さんなど著名な作家の話題作に加え、沖縄問題を直視した真藤順丈さんの直木賞受賞作「宝島」などを面白く読んだ。また、ノーベル賞作家カズオ・イシグロさんの「日の名残り」は、さわやかな印象を残した一冊であった。
③今年も引き続き古今の名著に挑戦したが、すそ野の広がりにつれ内容も多岐にわたり、また、翻訳者の個性もあって、以前ほど面白く読めなくなってきた。ただ、 カミュの「ペスト」や、ヴィクトル・ユゴーの「死刑囚最後の日」などは人類遺産的価値ある名著と思った。来年はどこまでこの名作の旅を続けられるであろうか。
蛇足:料理のミュシェランよろしく、「お勧め度」は下記のように★の数で表しています。
・先ず、「是非、お読み下さい」と強く推薦したい本 → ★★★
・次に、「お読みになってみては」とお勧めできる本 → ★★
・最後に、「お暇があればどうぞ」とお勧めする本 → ★
仮に★三つ以上の本なら、心地よい後読感に浸れることうけあいます。
蛇足~家内に「何冊?」と尋ねたら、「私、94冊」との答え。恐れ入りやした。