29日午後、札幌Kitaraで掲題のピアノリサイタルを聴いた。
演奏曲目は、当日シフ氏が決めるとかで、何が演奏されるのがわからないままのスタート。
ただ、冒頭、バッハのゴルドベルグ変奏曲の「アリア」が出て、このリサイタルの性格がわかったような気がした。
つまり、曲目が半年も1年も前に決まっていて、演奏者はその日、気分が乗っても乗らなくてもそれを演奏するなど(その演奏は)本物とは言えない。
厳密に言えば、演奏会当日の(演奏者の)体調や気分、楽器の調子や会場の音響性能や雰囲気によって、演奏それ自体が左右されることから、その日、あらゆる点でベストな曲を決め演奏するという(シフ氏の)主張にもとづく。
そうであってこそ、演奏者も聴衆も納得の行く演奏会になると言う。
結果、今回演奏された曲目は下記の通り。
【前半】
J.S.バッハ :ゴルトベルク変奏曲 BWV988より アリア
「音楽の捧げもの」BWV1079より 3声のリチェルカーレ
モーツァルト :幻想曲 ハ短調 K.475
J.S.バッハ :フランス組曲 第5番 ト長調 BWV816
モーツァルト :アイネ・クライネ・ジーグ K.574
J.S.バッハ :平均律クラヴィーア曲集 第1巻より 前奏曲とフーガ ロ短調 BWV869
モーツァルト :アダージョ ロ短調 K.540
ピアノ・ソナタ 第17番 ニ長調 K.576
【後半】
ハイドン :ピアノ・ソナタ ト短調 Hob.ⅩⅥ-44
ベートーヴェン:6つのバガテル 作品126
ピアノ・ソナタ第31番 変イ長調 作品110
【アンコール】
J.S.バッハ :平均律クラヴィーア曲集 第1巻より 前奏曲とフーガ ハ長調 BWV846
如何にも盛り沢山のプログラムだが、曲間には、マエストロによる解説があったから、都合3時間半に及ぶハードな演奏会となった。
会場は大ホールでチケットは完売。
満員の盛況の中、とてもエキサイティングなリサイタルであった。曲目リストは、Kitaraクラブからご提供を受けました。