自在コラム

⇒ 日常での観察や大学キャンパスでの見聞、環境や時事問題、メディアとネットの考察などを紹介する宇野文夫のコラム

★元旦、晴天に映える兼六園

2007年01月02日 | ⇒トピック往来

 2007年の元旦、金沢はよく晴れた。午後から兼六園に隣接する金沢神社に初詣に出かけた。案の定、観光客の混み合いと参拝客で周辺はごった返していた。初詣の列もこれまでになく長いと感じた。

  家人を列につけさせ、私は無料開放された兼六園にカメラのアングルを求めて入った。お目当ては兼六園の中でも見栄えがする、唐崎(からさき)の松の雪つりである。ごらんの通り、青空に映える幾何学模様の雪つりである。このほか、冬桜を撮影して列に戻った。思ったほど列は進んでいない。

  列に並んで、ふと気がついた。若者も相当いるのに、携帯電話をかけている人が少ない。これまでだと無邪気に周囲かまわず電話をかける姿を必ず見たものだ。そして女性の和服姿が例年より多いことにも気づいた。何か青空と関係があるのか知れないと思ったが、根拠らしいものは考え出せなかった。ひょっとして偶然かもしれない。

  ことろできょう2日、大晦日のNHK紅白歌合戦の視聴率が発表された。関東地区で第1部30.6%、第2部39.8%(関西地区は1部28.5%、2部37.6%)となり、第1部で1990年と並び過去最低、第2部でも2004年に次ぐワースト2位だった。前年にやや持ち直していた視聴率も第1部で4.8ポイント、第2部で3.1ポイントそれぞれダウンである。

  しかも今回は、「DJ OZMA」の演出の中で、女性ダンサーが上着を脱いで上半身裸になったように見えるシーンがあり、ひんしゅくを買った。ボディスーツとは言え、そのボディスーツに女性の裸体が描かれているのだから、気がついた視聴者は誰だって「トップレスで踊りか。いくら視聴率稼ぎでも露骨」と思ったに違いない。私は気味の悪さを感じた。

 本来、本番前のリハーサルでプロデューサーやディレクターのチェックがあるはずだ。あるいは、それより以前の打ち合わせ段階でNHKの衣装担当が必ずチェックするものではないか。これがすんなり通っていたとすれば、NHKの制作現場は「あの程度は問題ない」、あるいは「それを問題にする視聴者がおかしい」くらいに済ませていたのか知れない。

  テレビを見た視聴者の中で、義憤に感じてわざわざテレビ局に電話をする人が仮に1万人に1人だったとする。今回750本もの苦情電話(NHK調べ)があったのだから、750万人の人が憤っていたと考えたほうが素直だ。それにしても、あのダンサーの演出が事前に問題にならなかったとは、視聴者感覚と随分とズレた話ではある。

 ⇒2日(火)午後・金沢の天気   くもり 

コメント (4)
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