自在コラム

⇒ 日常での観察や大学キャンパスでの見聞、環境や時事問題、メディアとネットの考察などを紹介する宇野文夫のコラム

★「天然能登寒ぶり」プロジェクト立ち上がる

2022年12月01日 | ⇒メディア時評

   今回は能登寒ブリの話題。能登で水揚げされる天然の寒ブリをブランド化する試みがきょう1日から始まった。能登半島の中ほどにある七尾湾で今朝、水揚げされたうちの1本が第1号の「煌(きらめき)」に選ばれ、金沢港市場での初競りで400万円で競り落とされた。

   「煌」ブランドは、能登などで水揚げされる寒ブリのうち、重さが14㌔以上で傷がなく、鮮度管理が徹底されていることなどが条件となる最高級品で、石川県漁業協同組合が認定する。きょう能登沖の定置網などで水揚げされた522本のうち、審査で1本が認定された。「煌」第1号は重さ15.5㌔で体長94㌢の大物だ。例年、寒ブリは比較的高値がついても15万円から20万円なので、ブランド化によって今回は20倍ほど値が上がったことになる。

   競り落としたのは金沢や能登地方でスーパーを展開する「どんたく」。同社公式サイトによると、金沢の西南部店でお披露目があるというので行ってきた。15㌔の大物だけあって、どっしりした体つき=写真=。店員に「いつさばくのか」と尋ねると、あす2日にさばき、3日に西南部店と七尾市のアスティ店で刺し身や寿司として限定販売するとの返答だった。

   県漁協ではあす2日から、珠洲、能登、七尾、金沢の4ヵ所の市場で「煌」の認定作業を行い、画像や重さなどをインターネットで共有し、電子入札する「共通入札制度」を始める。また、11月6日に解禁されたズワイガニ漁でも、石川県内の雄の加能ガニについてブランド「輝(かがやき)」が初競りで100円で落札されている。雌の香箱ガニも「輝姫」として30万円の最高値が付いた。重量や鮮度、資源管理への積極的な取り組みなどの厳しい認定基準でブランド化が進む。

   海産物だけでなく、農作物のブランド化も各地で進んでいる。ブランド化は、競争力の強化を狙って、他の商品と差別化することを意図した名称やデザインなどを指す。ただ、海産物や農作物は自然条件に左右されるだけに、品質が規格化されにくい。寒ブリの「煌」はきょうは1本しか出なかった。それでも、いったん「天然能登寒ぶり」のプロジェクトを立ち上げた限りは、あすの2本、あさっての3本を求めて地道にブランド化作戦を続けるしかない。

⇒1日(木)夜・金沢の天気    くもり

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