自在コラム

⇒ 日常での観察や大学キャンパスでの見聞、環境や時事問題、メディアとネットの考察などを紹介する宇野文夫のコラム

☆3ヵ月半経つも現場はそのまま、ボランティアの姿もなく

2024年04月16日 | ⇒ドキュメント回廊

  きょう金沢は夏日、街路の温度計では26度だった=写真・上=。庭の草むしりは上はシャツ一枚で十分だった。金沢地方気象台によると、今夜からあす17日朝までは大気の状態が不安定で、所により雷を伴った雨の降る所がある見込みとのこと。そして、あさって18日から黄砂が予想されている。午後には金沢の街全体がぼんやりとかすんで見えた。いわゆる「霞(かずみ)」だろう。「春なれや名もなき山の薄霞」(芭蕉)

  前回ブログの続き。能登鹿島駅の桜を見て、その後、穴水町で16人が亡くなった由比ヶ丘地区をめぐった。一帯には大量の土砂が積み上がり、巻き込まれた家や車が流されていた。現場はそのまま残されていた=写真・上=。今月12日に当地を訪れた天皇、皇后両陛下が黙礼をされた場所でもある。海岸沿いを走り、能登町鵜川地区に入った。古い伝統的な家並みが多い地区で、全壊の住宅も目立った。

  そして、同じ能登町の白丸地区に入った。同町ではもっとも被害が大きかった地区でもある。白い砂浜が円を描くような風光明媚な地区で、地名そのもの。ここに地震、火災、そして津波の複合災害が起きた。火災に見舞われた一帯では黒くなった車や焼け残った瓦が積み重なっていた。気象庁によると、4.7㍍(痕跡高)の津波が200世帯の白丸地区に到達した。発生から3ヵ月半がたっても、大量のがれきが散乱していた=写真・下=。

  今月12日には両陛下が穴水町に続いて、この地を訪れている。地区をひと回りしたが、がれきを片付けている人がいたのは2軒だけだった。そして、がれきの処理を手伝ってくれる支援ボランティアの姿はなかった。

⇒16日(火)夜・金沢の天気    あめ  

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