総務省幹部への接待問題は論点がまだ見えて来ない。東北新社だけでなくNTTにも広がり、公務員倫理の遵守が問われているが、メディア報道に国民は怒っているのだろうか、呆れているのだろうか、あるいは無関心なのだろうか。自身の周囲(職場の人や知人たち)と話していても、このニュースがほとんど話題に上らない。その理由を考察してみる。
率直に言えば、接待問題は贈収賄事件と展開しないと事件としての迫力がない。もちろん、公務員倫理の遵守意識を軽んじているのではない。なぜ総務省でこれほど接待問題が頻発しているのかと言えば、放送や電波、通信などの割り当てをめぐって巨大な権限を総務省が有しているからだ。根源的な課題として、この規制と権限にも目を向けないと、いつまでたっても接待問題はなくならないだろう。 この問題を定点観測していくポイントは3つあると考察する。一つは、東京地検特捜部などが動いているのかどうかだろう。昔からよく言われたきたことだが、許認可の判断を官公庁が持ち、政治家が仲介して企業・団体(受益者)に使用権が与えられる。もし、電波の割り当てをめぐって金が動いているのであれば、現職総理のファミリーを巻き込んだ贈収賄事件へと展開する。地検も接待の陰に政治家や金の匂いがしないか虎視眈々と捜査を進めているだろう。接待を受けた1人に総務省事務方のNo2の大物の名前も挙がっていて、検察とすれば「大捕り物」になるからだ。メディアの記者たちも横目で検察の動きを注視しているのではないか。
2つめのポイントは行政改革だろう。デジタル社会の要(かなめ)は電波だ。その電波割当に関わる権限を総務省から9月1日に設置予定の「デジタル庁」に移管してよいのではないか。ひょっとして菅総理は「デジタル庁」への移管を念頭に置いているかもしれない。
そして、3つめは規制改革ではないだろうか。電波の割当を省庁の権限ではなく、単純にオークション化すればいい。何しろ、携帯キャリアが国に納めている電波利用料は端末1台当たり年間140円。令和元年度でNTTドコモは184億円、ソフトバンクは150億円、KDDは114億円だった(総務省公式ホームページ「令和元年度 主な無線局免許人の電波利用料負担額」)。NTTドコモは国へ電波利用料184億円を納め、携帯電話の通信料としてユーザーから3兆943億円を売り上げている(2019年度)。電波をオークション化することによって、その利益を納税者に還元すべきではないだろうか。
上記の3つのポイントで接待問題の成り行きを注視したい。ニュースは刻々と変化していく。その流れを読んで行く。
⇒15日(月)午後・金沢の天気 はれ
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