不遜な言い方になるかもしれないが、皇室という環境は「世間知らず」ということではないだろうか。「世間」、いわゆる実社会での経験値がほとんどない。 秋篠宮殿下はそうした「世間知らず」を嫌ったのだろう、3人の子どもたちの教育も既定路線の学習院ではなく、なるべく世間の風に当たるように自由に育てた。ところが、殿下の意に反して、「世間知らず」がブーメランのごとく返ってきた。
けさの読売新聞は「眞子さま年内結婚」と一面で報じ、他紙も夕刊でこのニュースを追いかけている=写真=。読売の記事は以下。秋篠宮家の長女眞子さま(29)が婚約の内定している小室圭さん(29)と年内に結婚されることが複数の関係者への取材でわかった。婚約や結婚の儀式は行わない方向で調整されている。儀式を行わずに結婚されれば、戦後の皇室で初めてとなる。関係者によると、秋篠宮さまは結婚を認められており、お二人は年内に婚姻届を自治体に提出される。ただ、新型コロナウイルス感染状況によっては来年にずれ込む可能性もある。
上記の記事にあるように、婚約や結婚の儀式は行わない。憲法第88条では「すべて皇室財産は、国に属する。すべて皇室の費用は、予算に計上して国会の議決を経なければならない」と定めている。国会の決議が必要なのだ。ちなみに、令和3年度の皇族費の総額は2億6900万円(宮内庁公式ホームページより)。儀式を行わないのは、眞子さま問題が国会で議論されるのを避けるためだろう。これを判断したのは誰か。
皇室がもっとも恐れているのは国際世論ではないだろうか。お二人の結婚に皇室が反対すれば、相思相愛のお二人の結婚を許さない日本の皇室は前近代的だ、そして日本の旧態依然とした姿だ、と世界のメディアが騒ぎ出す。問題は小室氏側にあったとしても、この批判は日本にとても不名誉なことになりかねない。おそらく眞子さまは皇籍離脱され、小室氏とアメリカで暮らすことになるだろう。「王室引退」を宣言したイギリスのヘンリー王子とメーガン妃はアメリカのカリフォルニア州サンタバーバラに住む。眞子さまと小室圭氏と合わせて2組のカップルは、アメリカメディアの格好の取材ネタになる。
それはさておき、やはり小室問題は後々に残る。まずは小室氏の人柄だ。ことし4月8日、小室圭氏が母と元婚約者男性の金銭トラブルについて記したA4用紙28枚の文書を発表した。小室文書では「録音」についての記述が何か所も出てくる。たとえば、2012年9月の実母と婚約者男性の婚約破棄に関わる記載では、13㌻と19㌻の「脚注」に「元婚約者の方の『返してもらうつもりはなかった』というご発言を録音したデータが存在します」「このやりとりについては私自身同席していて聞いています。又、録音しているので、元婚約者の方が『返してもらうつもりはなかった』とおっしゃったことは確認できています」と記している。
以下憶測だ。小室氏は物的証拠を求める録音マニアなのだろう。ありていに言えば、「隠し録り」だ。こうした「隠し録り」や「隠し撮り」マニアの人物はデータをかざしながら、「ウソつくな、証拠がある」と相手を追いつめるタイプだ。おそらく、眞子さまとのこれまでの電話のやりとりなど膨大な音声データが蓄積されている。眞子さまをコントロールするために使われるのではないだろうか。
もう一つ。『週刊文春』(4月29日号)が報じた「小室圭さん母 『年金詐取』計画 口止めメール」の記事だ。小室圭氏の母親が2002年に亡くなった夫(公務員)の遺族年金を受給するため、2010年に知り合った婚約者に内縁関係を秘するよう依頼したというメールの暴露だった。遺族年金は再婚または内縁関係になると受給資格を失うのが決まりなので、「これは年金詐取ではないか」と文春は問題提起した。
不正受給の工作を疑わせる母親のメールなどについて、遺族年金を管轄する厚労省は警察と連携して犯罪性があれば立証してほしい。皇室に関わる案件を理由にした忖度はむしろ国民の反感を招く。
⇒1日(水)夜・金沢の天気 あめ
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