これはさらに有権者の疑問を呼び起こす対応ではないだろうか。東京都議会選(今月4日)に当選した都民ファーストの会の女性都議が選挙期間中に無免許運転で人身事故を起こし、党から除名処分(今月5日)を受け、その後雲隠れしている問題は前回のブログで取り上げた。その都議が自らの公式ホーページで「都民の皆様へ」と題する釈明文を掲載している。これを読むと、選挙で選ばれた公人が取るべき姿なのだろうかと思ってしまう。以下、引用する。
「無免許で自動車を運転し、さらに交通事故を起こしてしまったことについて、猛省しております。 私の今回の行動が有権者の皆様の信頼を損ねることになってしまい、心よりお詫びを申し上げます。 また、多くの方々にご迷惑をおかけしており、申し訳なく思っております。」
この都議に必要なのは記者会見を通して説明責任を果たすことではないだろうか。「心よりお詫び申し上げます」は自らの言葉で述べるべきであって、ホームページで発する言葉ではない。これでは誠意が有権者には伝わらない。問題の本質は、無免許運転での人身事故(今月2日)を故意に隠して4日の投開票日後に都民ファーストの会に報告したことだ。
「また、無免許で運転していたこと及び事故を起こしたことについて、警察による取り調べに真摯に対応しております。 捜査中の案件ですので、具体的な事項については、弁護士さんの助言を受けて、それが整理された段階でご説明いたしたいと考えています。」
2日の無免許運転の人身事故のほかに、同じ板橋区での立候補者が「告示日直前の6月21日に志村坂上でご自身が街宣車を運転しているのを、私はハッキリと見た」とツイッターで証言している。この点、無免許運転を常習的に行っていたと認めるかどうかだ。警察から取り調べを受けているのはまさにこの点だろう。なぜ弁護士の助言を受ける必要があるのか。おそらく無難に略式起訴に持って行くために、弁護士をつけているのだろう。
「今後については、私にいただいた29,767票の重みを踏まえ、 有権者の方々との絆を大切にし、損ねてしまった信頼を取り戻すためにどうすれば良いか、 様々なご意見をいただきながら、熟考を重ねてまいります。」
本人にとってはおそらく「免停中の無免許運転で人身事故」は、運が悪かったという程度の感覚なのだろう。交通ルールを無視し、不祥事を隠して得た「29,767票」は、有権者を騙してして得た得票数だとのそしりを免れない。雲隠れせずに会見を行い、率直に詫びることに尽きる。なぜそれができないのか。大きな勘違いをしているのではないだろうか。(※写真は、当選を報告する木下富美子氏のツイッター=7月5日付)
⇒9日(金)夜・金沢の天気 くもり
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます