前回ブログの続き。共同通信Web版(19日付)によると、北朝鮮メディアは19日、新設組織とみられる「ミサイル総局」傘下の大陸間弾道ミサイル(ICBM)運用部隊が18日午後にICBM「火星15」の抜き打ちの発射訓練を首都平壌の平壌国際空港で実施したと伝えた。この訓練で「われわれの強力な物理的核抑止力の信頼性」を証明したとしている。金正恩党総書記は訓練に立ち会わなかった。この記事から読み取れることは、アメリカに対してICBMは実戦配備済みだと強調したかったのだろう。
その狙いは、アメリカと韓国が来月実施する合同軍事訓練に対する威嚇にあるようだ。共同通信Web版(17日付)によると、韓国国防省は17日、北朝鮮の核・ミサイルの脅威への対応を目的とした、米韓合同軍事演習「フリーダムシールド(自由の盾)」を3月中旬に11日間連続で実施し、期間中に大規模な野外機動訓練も行うと発表した。また、韓国ハンギョレ新聞Web版日本語(19日付)は、演習はコンピューターシミュレーションを通じて北朝鮮の核実験と軍事的挑発を想定して合同防衛態勢を点検するものだが、両国は演習期間中に師団級の合同上陸訓練と20余りの米韓連合の野外機動訓練なども行う、と報じている。
米韓の合同演習に対し北朝鮮外務省は17日に「持続的で前例のない強力な対応に直面することになる」と警告する報道官談話を出していた(18日付・朝日新聞Web版)。この談話の延長線上にきのうのICBM発射があったのだ。このまま朝鮮半島の緊張がさらに激化するとどうなるのか。
以下、憶測だ。アメリカは北朝鮮を「テロ支援国家」や「ならずもの国家(rogue state)」と敵対視している。去年の米韓の合同軍事演習では野外機動訓練(8月)が4年ぶりに再開されるなど実に念入りだった。9月と10月には米原子力空母「ロナルド・レーガン」などが参加した海上機動訓練、11月にはステルス戦闘機と称されるアメリカの戦略爆撃機「B1B」が朝鮮半島周辺の上空で空中訓練を実施した。朝鮮戦争では休戦協定(1953年7月)が結ばれたものの、現在も戦争状態が継続している。米韓が攻撃とみなせば戦争は再開される。このとき、実施されるのが金総書記に対する斬首(ピンポイント)作戦だろう。
ただ、戦争となれば対岸の火事ではない。斬首作戦が成功したとしても北朝鮮国内は騒乱状態になり大量の難民が船に乗って逃げ出すだろう。ガソリンが切れたり、エンジンが止まった船の一部はリマン海流、そして対馬暖流に乗って能登半島などに漂着する。無事漂着したとして大量の難民をどう受け入れるのか、武装難民だっているだろう。その影響は計り知れない。日本海側に住むがゆえの胸騒ぎではある。
⇒19日(日)夕・金沢の天気 あめ
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