04年3月31日、東京ドームで行われたアメリカ大リーグ、ヤンキース対デビルレイズの第2戦(3月31日)、松井秀喜選手は2番レフトでスタメン出場して、タイムリーとホームランで3打点。第1戦でもいきなり公式戦、初安打を飾った。大リーグの公式戦というステージも松井選手の活躍ぶりも鮮烈だった。あれから4年。日本時間の今月7日、松井選手がレジェンズ・フィールドのロッカールームで水漏れ事故に遭遇したとのニュースが流れていた。右ひざや首が治りかけたところに、今度は“災難”に見舞われたかっこうだ。
松井選手にふりかかる「不運」
スプリンクラーか水道管が破裂。ロッカールームが水浸しになった。たまたま松井選手が残っていて被害に遭った。右ひざのリハビリが進むと首痛、首痛の治りかけに今度は水難。見方によれば、不運続きだ。「故障持ち」のレッテルが貼られた上に、今度は「不運なヤツ」という新たなレッテルが貼られそうである。
現地では松井選手の賞味期限はとっくに終わっているのではないだろうか。本来メディアは辛らつである。一度イメージがおかしくなると、手の平を返したような態度に出るものだ。前サッカー日本代表監督、イビチャ・オシム氏はかついてこう述べていた。「若い選手が少し良いプレーをしたらメディアは書き立てる。でも少し調子が落ちて来たら一切書かない。するとその選手は一気に駄目になっていく。彼の人生にはトラウマが残るが、メディアは責任を取らない」
松井選手の理解者といわれたジョー・トーリ監督が辞めてから、松井選手はチームでは“箱入り”ではなくなった。オーナーのスタインブレナー氏は造船会社を経営し、シビアなビジネス感覚の持ち主といわれる。おそらく、フロントに対し、松井選手の今季の可能性を数字化して出せ、と命じているに違いない。年俸と試合出場数、ホームラン数などで予測し、数字が悪ければペナントレース前にチームから外される可能性だってある。日本のように負傷を公傷扱いにしないのが大リーグ流とされる。勝ったか負けたか、打ったか打てなかったのかが基準。アメリカ流の考えが徹底されているのが大リーグといえる。
日本のメディアは松井選手を温かく見守っているのだが、果たして現地アメリカの評価はどうなのか。松井選手を高校野球時代から見つめてきたので、その方がむしろ気になる。
最後に、オーナーのスタインブレナー氏のことを鬼のように書いたが、03年秋、大リーグで松井選手が最優秀新人賞(新人王)を獲得する資格があるかどうかと問題になったとき、「日本で10年もプレーした松井選手には新人王の資格はないのでは」と疑問を投げかけたデビルレイズのピネラ監督に対し、スタインブレナー氏は「松井は新人王に値する。松井は紳士で、成績(通算打点106)もこの上ない」とオーナー自らが松井バッシングの矢面に立って反論した。「BOSS RIPS PINIELLA FOR MATSUI BASH」(03年9月25日付・ニューヨーク・ポスト紙)。なかなか選手思いの一面もある。
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