22日午前10時から始まった石川県議会一般質問の午前の部が終わり休憩に入る。谷本正憲知事は知事室に向かう途中、議会庁舎と行政庁舎との連絡通路で報道陣に囲まれ、ぶら下がり取材に応じた。11時35分だった。
「兵糧攻めで北朝鮮国民を餓死させなければならない」(21日・県町長会で発言)の真意について記者から説明を求められ、知事は「県民の命を預かる立場からすると経済制裁を実効性があるものにしないといけない。ミサイル発射を止めることが大事だという趣旨だった」と述べた。さらに、別の記者から「発言を撤回するのか」と尋ねられ、知事は「撤回が要るなら撤回する」「過激派な発言は反省しなければならない」と述べた(23日付・新聞各社)。
午後0時4分、知事室に戻り、再び本会議場に知事が入ったのは同0時52分。
午後1時、県議会一般質問が再開され、発言に立った共産党の議員が「経済制裁の強化は必要だがその目的は対話ではないのか」「問題に向き合う姿勢においても、表現の面としても適切さを欠いたもの」などと発言の撤回を求めた。知事は「発言そのものが過激だったのは否めず、人命無視と受け止められかねないので撤回したい」と述べ、「漁業者から安心して操業できる環境をつくってほしいという悲痛な叫びが届いており、あの発言をした」と釈明した。また、自民党の議員からは「北朝鮮には拉致被害者や日本人妻など同胞も多くいる。発言には配慮を」と忠告する発言もあった(23日付・新聞各社)。
午後4時5分、議会庁舎と行政庁舎との連絡通路で再び報道陣に囲まれ、知事は「ありがたい。忠告をしっかり受け止める」と述べた(22日付・北陸中日新聞)。
22日午後4時までに、県公報広聴室には知事の「餓死」発言について150件の電話やメールが寄せられた。賛否いずれの意見もあるという(22日付・北國新聞)。きょう23日は在日朝鮮人総連合会(朝鮮総連)北陸3県の本部が知事に抗議文を渡す(22日付・北陸中日新聞)。
谷本知事の座右の銘は「衆人皆師(しゅうじんかいし)」と聞く。自己中心的にならず、人々の声に謙虚に耳を傾けるという意味と解釈すればよいのか。
⇒23日(金)朝・金沢の天気 はれ
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