解散請求逃れ、財産保全逃れのための悪あがきの光景だった。きょう午後2時からの旧統一教会の記者会見をNHKのテレビ中継で視聴していた=写真・上=。今回の会見で、教団側は「つらい思いをしてきた2世や国民の皆様に心からおわび申し上げます」と、元信者らに補償が必要になった場合の原資として最大100億円を国に供託したいと述べた。
旧統一教会の高額な献金や霊感商法の実態調査を行った文科省は10月13日、東京地裁に教団に対する解散命令を請求した=写真・下=。そして、国会では教団側が命令の確定前に被害者救済に充てるべき財産を海外や別の団体に移転させるおそれがあるとして、財産保全の措置法の整備を進めている。このタイミングでの国への100億円の供託となると、冒頭の「解散請求逃れ、財産保全逃れ」の意図としか読み取れない。
さらに気になったのは、この発言だった。高額献金について、「家庭事情や経済的状況に対し配慮が不足していた」「法人の指導が行きわたっていなかった」と述べていた点だ。教団として高額献金を要請してはいない、あくまでも現場でのことと言い逃れしている。
もう一つ。教団側が元信者らに補償が必要になった場合、「心からおわび」として100億円を供託すると述べたことについて、会見の質疑で記者から「今回は謝罪の会見か」と問われた。すると教団側は「謝罪という言葉とは距離を置きたい、おわびの会見だ」と述べる場面があった。解散命令請求が出されたタイミングなので、教団とすれば謝罪は罪を認めることになる。そこで、配慮が足りなかった「おわび」という言葉に執着したのだろう。
旧統一教会は巨大な集金システムだ。韓国の教団トップの韓鶴子総裁がことし6月末、教団内部の集会で「日本は第2次世界大戦の戦犯国家で、罪を犯した国だ。賠償をしないといけない」「日本の政治は滅ぶしかないだろう」と発言していたことが、関係者への取材や音声データで分かった。日本の教団側は6月中旬までに、年間数百億円にも上るとされる韓国への送金を今後取りやめると説明していたが、トップが依然、韓国への経済的な見返りを正当化したことになる(7月3日付・共同通信Web版)。
日本に戦前の罪を押し付け、信者から献金という「賠償金」を吸い上げるという集金システムだ。教義そのものが変らない限り、この集金システムは変わらないだろう。
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