BBCニュースWeb版(25日付)はそのことを、「Prigozhin was adamant this was "a march for justice", not a coup. Whatever it was, it came to an end very fast.」と伝えている=写真=。プリゴジンは、これはクーデターではなく「正義のための行進」であると断固として主張した。それが何であれ、それは非常に速く終わった。BBCはじつに簡潔な表現で伝えている。
ウクライナへの軍事侵攻をめぐり、ロシア国防省を非難する民間軍事会社ワグネルは24日朝にロシア南西部のロシア軍の拠点に入った。これに対し、プーチン大統領は同日午前、緊急テレビ演説を行い、ワグネルの行動は「我が国民を後ろから刺す」「裏切り」と非難した。これに対し、ワグネル創設者のプリゴジン氏は、この行動はロシア国民のためで、「正義のための行進」だと述べ、モスクワへと北上を続けた。
それが一転、部隊を引き返す。プリゴジン氏は24日夜(日本時間の25日午前2時すぎ)にSNSの音声メッセージで、「われわれは正義の行進に出た。しかし、ロシア人の血が流れることへの責任を自覚し、部隊を拠点に戻すことにした」と、流血の事態を避けるための決断だと述べた(25日付・NHKニュースWeb)。
一連のニュースに注目していて、プリゴジン氏は反乱者なのか英雄なのかと思っていたが、どうやらただの反乱者のようだ。メディア各社の報道をまとめると、ロシアと同盟関係にあるベラルーシのルカシェンコ大統領がプリゴジン氏と直に協議を行い、プリゴジン氏がルカシェンコ大統領の申し出を受け入れた。プリゴジン氏をベラルーシに亡命させる。ワグネルの部隊はロシア国防省に組み入れる。プーチン大統領は緊急テレビ演説で「国家反逆罪と見なす」「全員処罰すると」と述べていたが、ロシア大統領府の報道官は、プリゴジン氏ならびにワグネルの戦闘員に対して、「罪は問わない」と表明した。
以下は憶測だ。プリゴジン氏は現政権にたった一日とは言え、反旗を翻した反乱者であることは事実である。この「プリゴジンの乱」をプーチン大統領は許すだろうか。今後プリゴジン氏はベラルーシに逃れるとは言え、将来、同調する勢力が現われ再び反旗を翻すとも限らない。プーチン氏はそう考えるのではないか。覚悟なき反乱の報い、その顛末はどうなる。
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