おととい5日午後2時42分、石川県能登地方を震源とするマグニチュード6.5の地震が発生し、半島尖端の珠洲市では震度6強の揺れを観測した。隣接の能登町では震度5強、同じく輪島市で震度5弱だった。さらに、同日午後9時58分にもマグニチュード5.9の地震が発生し、珠洲市では震度5強が観測。気象庁の観測データによると、震度1以上の揺れは5日だけで58回、6日夜から7日午前10時までに6回発生している。今回の地震で1人死亡、33人が負傷している。
災難は続く。能登地方では、前線の影響で6日夕方から雨脚が強まったことから、金沢地方気象台は同日午後9時7分に、珠洲市と能登町に大雨警報を、輪島市などに注意報を出した。きょう7日午後6時までの24時間雨量は、多いところで120㍉と予想される。大雨を受けて、珠洲市は6日午後5時、土砂災害警戒区域にある9地区の合わせて740世帯1630人に避難指示を出した。まさに非情の雨だ。
珠洲市の知り合いにメールをした。木炭製造会社を経営する大野長一郎さんは伝統的な炭焼きを今も生業(なりわい)としている県内で唯一の事業所で、付加価値の高い茶道用の炭の生産にも力を入れている。自宅と作業場は市内の山中にある。メールで被害を尋ねると、「自宅は多少被害はあったものの、不自由なく暮らせている」とのこと。問題は仕事場で、「(炭焼き)窯は崩壊を免れたものの、3つの窯のどれにもヒビが多く入り、余震が続くと崩落の恐れもある。どうしたものかと考えあぐねている」と今後のなりゆきを心配している返信だった。
メディア各社の報道によると、政府の地震調査委員会は6日の臨時会で見解をまとめた。2020年12月から活発化した一連の地震は、地下深くの流体が誘発しているとみられ、活動域は半島尖端の北側の海域に広がっていることが確認された。今後、海側で強い地震が起きた場合は津波が発生する可能性もあると指摘している。委員長の平田直・東大名誉教授は記者会見で、地震活動は当分続き、「震度6強の揺れは2、3日の間には起きると思って十分に注意してほしい」と呼びかけた。
⇒7日(日)午後・金沢の天気 あめ
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます