さきほど午後4時53分に能登でマグニチュード3.4、震度1の揺れがあった。きょうで3度目となる(気象庁公式サイト「地震情報」)。揺れが収まらない中ではあるものの、被災した家々では修繕の動きが始まっている。きのう立ち寄った穴水町で屋根の修繕が行われていた=写真・上=。また、別の場所では半壊となった家屋の解体作業が行われていた。
今回の地震では石川県全体で全半壊・一部損壊が7万9700棟にも及んでいる(3月8日現在・石川県危機管理監室まとめ)。このうち全半壊した家屋については所有者の申請に基づいて、自治体が費用を負担して解体ならびに撤去をする。いわゆる「公費解体」で、県では2万2000棟が対象になると推計している。これを来年の秋、2025年10月までに処理するとの流れだ。ただ、ことは予定通り運ぶだろうか。
2万2000棟の解体で出る災害廃棄物は244万㌧にも及ぶ。問題は解体する数の多さに見合う業者を確保できるのだろうか。解体業者でつくる石川県構造物解体協会(金沢市)は富山、福井、新潟各県の業者にも協力を求め、2500人規模の態勢で作業にあたることを目指しているという(3月1日付・日経新聞)。244万㌧の災害廃棄物は石川県で出るごみの7年分に相当するとされる。量的にそう簡単ではない。
ことが予定通りとならないのではと懸念するもう一つの理由は能登の家の特色にある、家の大きさだ。とくに、奥能登の家は「九六の家」と呼ばれる、間口9間(約16㍍)奥行き6間(約11㍍)の大きな家が多い=写真・下、能登町で1月5日撮影=。さらに、その中から屋内に残る家財などを手作業で分類することになり、家人が立ち会いするとなると時間がかかることになるだろう。思い出の品や仏壇、そして先祖代々伝わる逸品、いわゆる「家宝」が残されている場合はそう簡単ではない。通常の解体作業よりさらに時間がかかるのではないだろうか。
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