足掛け3ヵ月にわたるオリンピックとパラリンピックが無事に閉幕した。新型コロナウイルスの世界的な感染拡大、パンデミックの下で1年間の延期や、開催をめぐる議論がメディアを巻き込んで沸き起こるなど、IOCの存在意義も問われた。アメリカのワシントン・ポストWeb版(2021年5月5日付)のコラムで、IOCのバッハ会長が「Baron Von Ripper-off」(ぼったくり男爵)と名指しされ、この言葉は世界中に広まった。世界の歴史に記憶されるオリ・パラになったに違いない。
では、オリ・パラを終えて、総括的にメディアはどのように評しているのだろうか。先述のワシントン・ポストWeb版は「Athletes from Afghanistan carry their country’s flag in Paralympics Closing Ceremonies」の見出しで、アフガニスタンの2人の選手がパラリンピック閉会式で国旗を掲げて行進したことを伝えている。タリバンが政権奪取して、2人の選手は開会式は欠席し、大会ボランティアが代わりに「連帯の証」として旗を持って行進していた。
ワシンポストは記事で、タリバン支配下でアフガンの女性は伝統的な役割と服装にとどまることが強いられる。アフガンの女性テコンドー選手は、男性と一緒に訓練している姿を見るだけでも、タリバンは「私たちを撃ってくるだろう」とインタビューで語ったと伝えている。文中では「two athletes ended Sunday in a poignant scene」と表現し、アフガンの2人の選手によって(パラが閉会した)日曜日は痛烈な場面で終わったと評している。
2024年に開催されるパリ五輪のおひざ元のAFP通信Web版は閉会式の写真グラフ(16枚)を掲載し、IPC(国際パラリンピック委員会)のパーソンズ会長が閉会の宣言で、1年開催が延期された大会は「歴史的であったのみならず、素晴らしかった」と述べたと簡単に報じている。
NHKニュースWeb版(5日付)はパーソンズ会長の閉会宣言の言葉をさらに詳しく報じている。「新記録を打ち出す選手の姿などを通して、東京大会は世界に自信や喜び、希望を与えた。これができたのは、私たち世界中の人々を受け入れ、選手に競技する機会と場所を与えてくれた日本のおかげだ」と感謝の言葉を述べた。そして「スポーツは扉を開いてくれた。私たちを隔てている障壁を壊す時が来た。東京大会はこれで閉会する。次はパリで会おう」と述べた。
以下は自身の感想だ。オリンピック、そしてパラリンピックは期待を裏切らなかった。記録破りのスポーツの醍醐味を味わった。エジプトの卓球のパラアスリートが口でラケットをくわえ、身体を左右に大きく振りながらラリーを続け、強烈なレシーブを決める姿を見て、「人に不可能はない」と教えられた。当初、無観客はさみしいとも感じたが、毎日テレビで視聴していると違和感がなくなってきた。もちろん、無観客のオリ・パラの損益は明らかにすべきだ。
桑田佳祐の『波乗りジョニー』はいまでも耳に残っている。「そして笑って もう一度 せつない胸に波音が打ちよせる・・・」。2024年のオリ・パラもぜひ盛り上がってほしいものだ。(※写真は8月8日の東京オリンピック閉会式で映し出された2024年のパリ五輪の映像=NHKテレビ)
⇒5日(土)夜・金沢の天気 はれ
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます