誰がどう見てもこれは「自分ファースト」ではないだろうか。報道によると、今月4日投開票の東京都議選で板橋区選挙区で当選した都民ファーストの会の木下富美子氏が、選挙期間中だった2日に車で人身事故を起こしていた。木下氏は免許停止期間中で、警視庁が自動車運転処罰法違反(過失傷害)や道交法違反(無免許運転)の疑いで捜査している(7月5日付・朝日新聞Web版)。
都民ファーストの会は5日夜、木下氏を除名処分にしたと発表した。「無免許運転は明確な法律違反であり、公人としてあるまじき行為だ」と指摘したうえで「このような重大な事故について、事故発生から数日経って初めて党に報告されたことは、党として看過できない」としている(同)。
問題は根深い。木下氏は取材に「2日が免停期間の最終日で(免停期間が終わっていると思い)運転しても大丈夫だと思っていた。申し訳ない」と話した(7月5日付・産経新聞Web版)。ところが、都議選で木下氏と同じ板橋区で東京維新の会から出馬し落選した候補者がツイッター(7月5日付)でこう記している。「大事な点なので記載しておく。告示日直前の6月21日に志村坂上でご自身が街宣車を運転しているのを、私はハッキリと見た。私は自分の街宣車のマイクでご挨拶をしたが無視されたので、良く記憶している」
つまり、無免許運転は2日だけではなく、その他の日(6月21日)でも目撃されている。それを木下氏は「免停中の期間を間違えた」と言い張っている。さらに、都民ファーストの会から除名処分を受けたものの、取材に対し「仕事をしていくことで期待に応えたい」と述べて、議員辞職の考えはないことを示した(7月5日付・産経新聞Web版)。
政治家の矜持が感じられない。議員報酬にしがみつく様子が見え見えで、「自分ファースト」なスタンスだ。まず、都議会の記者クラブで会見を開くべきだろう。それにしても奇異に感じるのは、各メディアはなぜ2日の人身事故の時点で報道しなかったのだろうか。警察の担当記者は把握していたはずだ。2日の時点で「無免許で人身事故」と報じていれば、選挙情勢は変わっていたに違いない。選挙期間中ということで忖度したのだろうか。とすれば、まるで、「議員ファースト」なメディアだ。
(※写真は、当選を報告する木下富美子氏のツイッター=7月5日付)
⇒6日(火)夜・金沢の天気 あめ
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます