自在コラム

⇒ 日常での観察や大学キャンパスでの見聞、環境や時事問題、メディアとネットの考察などを紹介する宇野文夫のコラム

★寒波の3連休 被災地・輪島に行く~上~ 

2025年02月23日 | ⇒ドキュメント回廊

  能登半島の南部の宝達志水町で21日に6時間で28㌢の雪が降り、同じく北部の輪島市で22日に6時間で26㌢の積雪など、金沢地方気象台は連日、「顕著な大雪に関する気象情報」を発している。強烈な寒波は24日までの3連休は続く見込みで、気象台は大雪による交通障害や、積雪による去年元日の能登地震の被災地での家屋の倒壊などに注意を呼びかけている。

   仮設住宅に雪だるま、被災地に貢献の坂茂氏が日本芸術院会員に

  被災地の積雪の様子を見にきょう日帰りで輪島市に行ってきた。同市宅田町の仮設住宅に立ち寄ると、積雪は30㌢ほどだろうか、かなりの雪の量だ。中には雪だるまもあって雪を楽しんで様子もうかがえた=写真・上=。一つ気になったのは、それぞれの仮設住宅では玄関の前は除雪してあるものの、除雪もなく長靴の跡もない住宅がところどころある。不在なのか、あるいは冬ごもりで外出していないのかと案じた。仮設住宅は高齢者が比較的多いといわれているので、積雪で親族の家に身を寄せて不在なのか、と思ったりもした。

  同市杉平町の被災した漆器店に、国内外の被災地での支援活動などで世界的に知られる建築家、坂茂(ばん・しげる)氏が設計した輪島塗の仮設工房があると聞いて訪れた。大雪で仮設工房の屋根や出入り口にはかなりの雪が積もっていた=写真・中=。去年3月に建設されたもので、工房の柱などは「紙管」と呼ばれる硬い筒状に加工した再生紙でできている。広さ12畳の工房は2棟で、輪島塗の職人の作業場として活用されているようだ。坂氏の設計は、珠洲市の見附島近くにある仮設住宅も知られる。こうした災害地における仮設住宅や緊急避難所の設計に尽力し、人間生活を助ける即効性の高い仕事は特筆すべきものがあるとして、文化庁に設置されている国の栄誉機関「日本芸術院」の新会員に選ばれている(2月21日付・メディア各社の報道)。

  坂氏の仮設工房の近くでは、去年9月の奥能登豪雨の被災者向けに石川県が整備している仮設住宅の建設が進んでいる=写真・下=。2階建て104戸で、着工から4ヵ月ほど経っている。能登地震の仮設住宅6882戸は平屋だが、豪雨災害の仮設住宅は2階建て。輪島など奥能登では平地が少なく用地が限られているため、豪雨の仮設住宅は2階建てとなり、その分、建設期間も長くなっているようだ。

⇒23日(日)夜・金沢の天気     くもり時々ゆき


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