Starlight Terrace

オリジナル写真で綴る夜空と夜景がメインのブログ
【注目の天文現象】
火星が観測好期

これは期待できるのかな? パンスターズ彗星(C/2021 O3)

2022-01-29 11:25:05 | ほうき星

昨年12月から今年初頭にかけて明るくなったレナード彗星は、主に写真で楽しめました。
で、その次に期待できそうな彗星としてパンスターズ彗星(C/2021 O3)というのがあります。
昨年の7月26日に19.8等の光度で発見され、軌道計算の結果、太陽に約0.28AU(AUは「天文
単位」で、1AUは太陽-地球間の平均距離である約1.5億km)まで近づくことが判明してます。
惑星で最も内側を周回する水星よりも太陽に接近することになるので、明るくなりそうな
ポテンシャルを持ってますが、本体サイズが小さいと消滅するリスクもあると思われます。
近日点通過(太陽最接近)は今年の4月21日ですが、その時期は夕刻の西北西の超低空に位置し、
日没直後に沈んでしまうため条件がかなり厳しく、日本で実際に観測できるようになるのは
ゴールデンウィークに入る頃と予想され、見頃は5月に入ってからとなりそうです。
で、5/1の夕空における見え方は下のとおり。


AstroArts社ステラナビゲータによるシミュレーション(数値の1/10が予想光度)

明るさは楽観的に見積もって4等台の予想になってますが、±3等程度の振れ幅が見込まれ、
途中で崩壊するようなことがあれば10等以下まで暗くなる可能性もあり得ます。
尾については、いつものようにイオン,ダストともに実長を0.1AUとしてシミュレーション
してますが、これも水物です。なお、地球最接近は5/8頃で、光度低下は見込まれるものの
見掛け上の尾の長さはその時期に伸びるかもしれません。

ちなみに、太陽にほぼ同等の距離まで近づいた大彗星としては1996年に出現した百武彗星
(C/1996 B2)があり、太陽に接近していく途中でこんな姿になってくれました。


 105mm望遠レンズ+銀塩一眼レフカメラ(ネガフィルム使用)にて1996年4月18日撮影

パンスターズ彗星が同じレベルに成長してくれたら嬉しいですが、どうなりますかねぇ。



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