昔の銀塩写真のデジタル化画像シリーズ第4弾です。
真冬は寒くて☆撮りには厳しい時期だったせいか、1977年12月の撮影後は3か月ほどブランクが続きました。
で、3月下旬の春めいた時期に皆既月食が見られることを知り、喜び勇んでその初撮影に挑んだのでした。
その月食の前半に撮ったのがコレです。
【月食の経過】
キヤノンEF+FD50mmF1.4 S.S.C.(Ⅱ),富士ネオパンSSS(ASA/ISO200),絞り/露出とも多段,
10分間隔で多重露出,固定撮影,都内某所にて
所有していたカメラがたまたま多重露出に対応していたので、月が欠けていく過程の連続写真に初挑戦。
ちなみに、月は画角フレームの中で日周運動により左下から右上に向かって動いていくとともに地球の影に
入っていって、徐々に欠けていく様子が1コマの中に捉えられています。右上の3つの月の像は食が終わって
しまったかのような写りですが、実は地球の影に完全に入り込んだ皆既中の月で、露出時間を長くしたために
丸く写ってます。モノクロ写真だと赤銅色に染まった皆既中の月の色あいが全く分からないのが残念ですね。
なお、撮影では時計を見ながら正確に10分間隔でケーブルレリーズを使ってシャッターを切り続けましたが、
カメラの多重露出ボタンを押しながら巻き上げレバーを操作することも含めてドキドキものでした。
ところで、こんな連続写真を撮ろうと思い立ったのは、当時☆撮りのバイブルであった『天体写真の写し方』
という書籍にこんな作例が載っていたことがきっかけです。
いつかこれと同じような写真を撮りたいと憧れていたので、絶好のチャンスが来たーって思ったのでした。
実は普通の三脚に載せて撮影する場合、日周運動による月の動きを想定した構図合わせが結構難しいんですが、
月食が始まるのが夜遅くだったんで、本番撮影の前にカメラのファインダーを覗きながら早めに月の動きを
把握した上で周到なフレーミングができ、欠けていく月がほぼ対角線上に並んだ写真が撮れたってことで、
星好きの友人達に自慢しまくりました。
で、連続写真の撮影後、最大食分の時間帯には周りの星と共にこんな星野写真も撮ったのでした。
【皆既中の月とその周辺】
キヤノンEF+FD50mmF1.4 S.S.C.(Ⅱ),富士ネオパンSSS(ASA/ISO200),絞りF2.8,露出30秒,
固定撮影,都内某所にて
この時の月はおとめ座にあり、現有の天文シミュレーションソフトで再現するとこんな感じ。
AstroArts社ステラナビゲータによるシミュレーション
随分と傾いたフレーミングですが、おとめ座の1等星スピカとのツーショットを狙ったってことかな?
んー、やっぱりモノクロじゃ皆既中の月の赤銅色が分からず、今見るとつまらぬ写真だなーって感じます。
それでも当時の中坊にとっては大収穫なのでした。
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