みぃちゃんの頭の中はおもちゃ箱

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上達の方程式

2011年07月08日 18時04分55秒 | お仕事・学び
この連載の目次

(前回から続く)

何かを学ぶ場合、学習を進めるにつれて成果が上がりますが、ある程度学習が進むと、成果が上がるペースが鈍くなり、やがてなかなか成果が上がらない状態に陥ってしまいます。

learn001.png: 学習の成果は一定の水準で頭打ちになる

なぜ学習の成果は頭打ちになるのでしょうか。今回は、その理由について単純な数学的モデルを使って考察します (数学が苦手な人は読み飛ばしてください)。

ある課題が提示され、克服可能な問題が全部で N 件あるとします。この課題について学習を進めて、問題を克服していきます。学習によって単位時間内に問題を克服できる確率を p とします。p は大きく変動しないと考え、定数と見なします。時刻 t における問題の数を n(t) とすると、時刻 t において学習によって減少する問題の数は pn(t) になります。したがって、
dn(t)/dt = -pn(t)

この方程式を初期条件 n(0)=N の下で解くと、
n(t) = Nexp(-pt)

n(t) は克服されずに残っている問題の数ですから、時刻 t までに克服した問題の数 s(t) は、
s(t) = N - n(t)
∴s(t) = N (1-exp(-pt))

学習の成果は克服した問題の数に等しいとして、先ほどの学習成果曲線が得られます。

以上は、あくまで短期間に限った話です。長期にわたる学習については、前回述べたとおり、この曲線を階段状に重ねた形を描きます。ただし、階段の高さ N や学習ペース p はブレークスルーごとに異なります。

learn002.png: 学習におけるブレークスルー

(連載終わり)