宮崎アニメとの出会いは、『風の谷のナウシカ』だった。
風を読み、民に慕われるリボンの騎士のような、姫。
心やさしく、王蟲や、腐海の森での虫たちとの交流などは、独特な世界。
壮大なスケールと、不思議な世界。
手塚治虫のアニメとは違った色の美しさと、種類の多さに目を奪われ、夢中になった。
次の『天空の城ラピュタ』では、食パンに目玉焼きが家庭の食卓のしばらく定番になった。
トトロでは懐かしの景色や、風景に子ども時代にタイムスリップ。
もののけ姫では、童話のような世界と、画像の美しさと、主題歌の美しい歌声に魅了された。
どの、アニメも緻密な計算と色彩とストーリー、どれをとっても、大人でも夢中になれた。
わくわく、ドキドキ、ハラハラ、で、ビデオもとったし、テレビの再放送では、あたらな気持ちで
テレビに見入った。
なんで、こんなに見入ってしまうのか。
なんで、こんなストーリーができるのか。
不思議に思ったこともある。
ずうっと、心に引っかかっていたたくさんの「はてな」がようやく納得できた。
宮崎アニメの暗号
青井汎
新潮社