光市母子殺害事件は、ニュースで知った。
1999年のことで、テレビ報道やネットで驚きの事件を知った。
あまりマスコミには取り上げられなかったのか、容疑者が未成年だったからなのか、
詳しいことは、ほとんど知らなかった。
被害者の夫、本村氏の事件当夜の話から、壮絶な半生を垣間見て、あまりの酷さに
途中で読むのを止めたくなった。
あまりの凄まじさ、あまりの悲劇、そして想像しがたい、残虐さに、現実にこんなことが起こったということは、
衝撃だった。
死刑廃止論者としては、被害遺族の「殺めた命に対して、命をもって償うのはあたりまえのこと」
には、反論の言葉がみつからない。
ただ、死刑は、人が手を施さねばならないということが、全面的に賛成できない要因になっている。
以前に多かった冤罪の存在。
深く反省した者へも死刑は必要なのかということも、死刑は取り返しができないことへの怖さがある。
本村氏の、一貫した、「死刑が相当」というのは、納得できる、そして先の理由がなければ賛成できる。
なぜ君は絶望と闘えたのか
本村洋の3300日
新潮文庫