家族全員でコロナ感染、生活一変 持病の父の介助、入院で離れ離れ、周囲からの偏見
2021/02/17 06:00
(茨城新聞)
家族4人全員が新型コロナウイルスに感染した茨城県内在住の70代男性が取材に応じ、家庭での感染対策の難しさや、入院で家族の状況が分からない不安、退院後に受けた偏見などを語った。男性は「生活環境が一変する。心の負担も一気に膨らみ、追い詰められる」と話し、感染者や回復者に対する正しい理解を訴える。
■家庭の難しさ
「多少の倦怠(けんたい)感と微熱があった。普通の風邪にかかった感覚だった」
男性が体調の異変を感じたのは1月初旬。念のため外出を控え、自室で一人過ごした。食事は家族に部屋まで持ってきてもらう徹底ぶりだった。
しかし数日後、妻にも同じ症状が出た。保健所に相談し、地元病院でPCR検査をした。同月中旬、夫婦ともに陽性と判明した。同居する長女と90代の実父も濃厚接触者として検査し、それぞれ陽性となった。
県外に遠出することもなく、人混みを避け、近隣に買い物に行く程度の生活だった。普段からマスクを着用し、うがいや手洗いも励行した。感染経路は、今も分からない。
発症前は家族と居間で過ごし、家の中にはトイレや風呂などの共用スペースもある。男性は「外で3密を避け、手洗いや消毒をするのは誰もがやっている。家庭内ではそれ以上に気を使わないと(予防が)難しい」。