図書館本。
ヘイデンの名前は聞いたことがあったけど、これまで読んだことはありませんでした。
これは、現在でいえば、まさに「特別支援学級の担任の先生」の物語です。無論「学級」は「学校」におきかえて考えることもできます。
ある日、唐突に自分のクラスにやってくる子はシーラ。強烈なキャラクターで様々な騒動を巻き起こす彼女。その深刻な生育歴、生育環境。
彼女とヘイデンの様々な交流、シーラに起こる変化、いたたまれない出来事、そして別れ。
極めてドラマチックでありながら、実際に起こりうるような状況、関係性を、あたかも児童文学のような平易な文体で(これは翻訳の妙というのもあり)一気に描き切っています。実際、これは作者自身が経験した実話だということですね。
ヘイデンへの評価や批判というのはわかりません。
が、この物語はひっ迫感を持って迫ってくるものがあります。それは、当然、私自身が作者と近い仕事をしてきたということと無関係ではありません。
ある日、私のあなたの目前に「シーラ」は唐突に現れるかもしれません。いや、もういるのかもしれない。彼が、彼女がそうなのかもしれない。
私たちはどこまで深く彼ら、彼女らに関わることができるのか、したらいいのか。どこまでどう責任が持てるのか、持てないのか。
極めて印象的ないくつかのシーンとともに、いろんなことを考えさせてくれる本でした、これは。
未読でしたらぜひ。一気に読めます。
続編もあるようなので、また借りてみますね。