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グーテンベルグ

2009-05-12 10:21:43 | 雑感
現代の最新鋭ドイツ製印刷機


前の記事についての反響があったので、もう少しグーテンベルグの発明のついて補足します。

 彼は都市貴族階級(商人ギルド)のの生まれである。当時のドイツは生産に従事するツンフト(同職ギルド)階級と都市貴族層との主導権争いが絶えなかった。しかし彼らは通商を行い、かなり裕福であった。

 また、彼は彫金職人の技術を学び、手鏡の製造や、貨幣の鋳造技術を身につけていた。これらは金属活字の鋳造技術に生かされたものと思われる。

 彼の発明は大きく分けて①可変金属活字の鋳造、②圧搾型(ぶどう搾り機の応用)の印刷機の使用、③金属活字になじみやすいインクの調合、④これらを統合して印刷物を作り上げるマネジメント能力だといわれる。

 当時は宗教改革の機運が満ちており、「聖書に帰ろう」と言う動きがあったが、手書き、羊皮紙の聖書は高価なもので、庶民には手が出なかった。(嫁入りの持参金の代わりに書物を持たせた例があるくらいである。)この時代の宗教権力の強大さは、とても日本の比ではなく、精神的にも、世俗的にも日常生活に支配を及ぼしていた。免罪符などの発行で巨額の富を蓄積していた。ヨーロッパの教会のきらびやかな、たたずまいを見ればその一端は感ぜられるでしょう。

 この印刷術は、原料(紙、金属、インクの原料)、印刷機、多数の職人、などを抱えねば成り立たず、グーテンベルグが作った借金は町並みを二つ作れるほどの巨額なものだったと言う。

そう考えれば、現代の印刷術はスピードだけでなく、品質的にも、コスト的にも飛躍的な進歩をしていると思われる。