遅いことは猫でもやる

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排出権商人

2013-02-06 23:41:37 | 


黒木亮「排出権商人」講談社 2008年作品

CO2排出権の売買をビジネスにしようとする世界の物語。
語り口は幸田真音、高杉良、などのビジネス小説とほぼ同じである。中国、マレーシアなどの排出量削減プロジェクトを手がけると同時に、削減排出権を売りさばくビジネス。
国連の外郭機関での認証が必要がミソで、そこで認証を得るためのコンサルタントが存在する。ここらあたりはノンフィクションの様相で、登場人物とのやり取りなどは、フィクションだろうが、中国、マレーシアの国柄の違いなどはよく描けている。
そこに、株の空売り集団が絡み、一企業の存在をかけて、個人と組織が動いてゆくと言う小説だ。

やたらに横文字(例えばCDM、DOE、UNFCCCなど)略語が出てくるのには閉口するが、理事会での各国代表のやり取り、中国企業との交渉経緯などは、いかにも、という情景で、よく描けていると思う。
京都会議の決定は、日本に排出権を買わそうとする仕組み(アメリカ、中国はいち早く脱出した)ではないか、という投げかけや、ISOなどのように、この制度で儲けようとする欧州勢の企みではないかと言う指摘も面白い。
こうして見ると日本はずいぶんお人好しの国に思えてくる。スキーの複合競技で日本勢が好成績を上げ続けたら、ルールを変えて、阻止をしてきたヨーロッパ勢のしたたかさを思い出す。

地球温暖化自体が地球の周期的循環で、あと数年で今度は寒冷化の周期に入るという学説もあるそうだ。単純な企業小説の域を超えて、国際社会の裏面をケレン味なく捉えた作品といえる。

気楽で楽しいツアー参加 3

2013-02-06 13:43:44 | 雑感


ツアー3日目は五能線と三内丸山遺跡めぐりの旅 最終日。

本日は朝ゆったりと出発。羽越本線千畳敷駅11時36分発のローカル列車に乗車。千畳敷は太宰治、大町桂月の石碑が残る風光明媚な景勝地。本日も日本海は穏やかで、視界も良好。吹雪に荒れ狂う海を予想していたのだが、広く開けた平らな岩棚の千畳敷は対照的だ。駅のプラットホームの向こう側の崖は、滝が凍ったようになっていて壮観だ。ここから海岸沿いを30分程乗車し、終点深浦で下車。

車窓から見る日本海は、吹雪だったらもろに寒風が吹き付けるだろうと思うくらい線路脇まで迫っていた。




三内丸山の復元された遺跡


遺跡内で最も大きい建物内部

資料展示 蓼科の尖石縄文考古館よりはずいぶん整備されている

受付

次に訪れたのは三内丸山遺跡。縄文時代の大遺跡だ。東京ドーム75個分に紀元前5500~4000年の間に500人以上の人が住んでいたと推定される、当時最大級の集落遺跡である。当時はこんなに雪はふらなかっただろう。この雪の中で半年生きてゆくのは大変だ。また確かに建造物の面積や、柱の太さはずいぶん大きなものが残っている。当時の土木技術のレベルの高さが偲ばれる。
時間の制約と雪で、駆け足の説明となったが、黄色のコートを着たボランテイアガイドさんが熱を込めて説明してくれた。尖石縄文考古館の時もそうだったが、ボランテイアガイドさんはいつも熱心である。ここは2017年の世界遺産登録を目指しているそうである。


駅前のねぶたの家 ワ・ラッセ

丸山遺跡で観光コースは終了。駅前で小休止。ベイ・エリアや、ワ・ラッセ(ねぶた展示館)をちらっと覗いてバスで空港へ。冬、雪ということもあり、この企画は色々な乗り物を楽しむ旅であった。

楽しく気楽な旅が小牧空港で終わったのは、9時前であった。