楓と桂、落葉松の新芽
白樺の新芽(左) 風も緑に染まるようだ
すっかり夏らしくなってきた。二十四節気は立夏、青々とした緑、さわやかな風の気持よい五月晴れの季節だ。七十二候の5/15日辺りは末候「竹笋(たけのこ)生ず」。ひょっこり竹の子が顔を出す頃。新鮮なえぐ味の少ないものは刺し身にしても、焼き物、煮物、たけのこご飯にしても歯ごたえもよく香り立つ。
まだ20代だった頃、大先輩に連れられて京都の有名なタケノコ料理をご馳走になったことがあった。山歩きの帰り道に立ち寄ったのだが、枝折り戸をくぐって入ると案内の中居さんが我々を見て、「あのー、うちは丼ものは扱っていませんが」と気の毒そうに声をかけてくれた。勢いで、「私達コースをいただきにきたのです」と言って座敷に上がった。ちょっとほろ苦い思い出である。
またこの頃は貝類=アサリ、はまぐり、トリ貝などの身が大きくなり、味もひとしおである。5/16日は「旅の日」だそうだ。芭蕉が奥の細道への旅を始めた日に因んでのことである。
家の周りを見回しても、新芽がすっかり出揃い白樺、楓、桂がそれぞれの色合いで山を彩っている。正に「山笑う」ころである。生命力にあふれた緑の勢いは若さを感じる。私は中でも落葉松の新芽が大好きである。
落葉松の新芽が美しい