遅いことは猫でもやる

まずは昔メールした内容をひっぱってきて練習...
更新は猫以下の頻度です。

社会派の本領

2018-03-31 10:42:16 | 

相場英雄「完黙」小学館文庫2009年刊

社会派ミステリーの旗手が描く、著者のヒット作「震える牛」の原点となった作品。

東京と青森県五所川原市で起きた2つの殺人事件が、新聞社遊軍記者と警察によって少しずつ解明されてゆく。その事件の鍵は津軽三味線伝説の名手佐藤流海によって繋がる。

半ば警察小説の分野にも跨るが、流石に社会派らしく、背景描写に説得力がある。派手なレトリックはないが、新聞記者の地道な聞き込みで一つ一つ真相に迫ってゆく描写とストーリー展開は面白い。

「震える牛」が早く読みたくなった。この小説はなかなかの傑作である。




最新の画像もっと見る

コメントを投稿