ケント・ギルバート「儒教に支配された中国人と韓国人の悲劇」講談社文庫2017年刊
義兄が見繕ってくれた本で、手軽に読めそうな題名なので、手にとって読んでみて、ちょっと驚いた。
人口に膾炙している俗説をなぞらえ、日本人に迎合したような本である。学問的にどうこうというものではなく、中国人は儒教をもとに自己中心的な性格を強めている。韓国人は日本人を弟分として一段低く見ている。というのが論議の出発点である。
欧米人特有の分かりやすい論拠ではあるが説得力、根拠には乏しい。しかし主張は明確で紛れがないので、情感にはストレートに入ってくる。嫌韓・嫌中のムード醸成には有効だろうが、「だからどうしてこの困った友人たちとの状態を改善するのだ」という回答はない。ちょっと危険な感じがする本である。
日本人に「自信と誇りを持て」と言われても。根拠のないそれほど危ういものはないと思う。この本が発売以来15版も発行を続けているのが何やら不気味ではある。
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