小林可夢偉7位入賞

 2010年F1GP第9戦ヨーロッパGPで小林可夢偉が7位入賞。
 見事だったのはその戦略であった。9周目に起こったマーク・ウェバーの大クラッシュによってセーフティーカーが導入され、各車一斉にピットインしタイヤ交換を行った中で小林はピットインせずそのまま走行し。セーフティーカーが戻った15周目にはベッテル、ハミルトンに次ぐ3位を走行。53周目にピットインするまで4位のバトンを押さえ込み38周にわたり堂々3位を走行。小林が立派と云うべきか、バトンが不甲斐無いと云うべきか。

 ここで疑問なのは、小林が53周目までピットインを引っ張ったのが意図した作戦であったのか、怪我の功名であったのかと云うこと。つまり、ピットインのタイミングを逸してしまったことから思い切り引っ張る作戦に変更し、これがまんまと当たったのではないかと云うことである。

 ところで、どこかのサイト(スポーツ新聞系のサイトだったな)には「日本人3人目となる表彰台は逃したが・・・」などと書かれていた。いくらレースの終盤に3位を走行していたとしても、ハード・ソフト両方のタイヤを使わなければならないルールがある以上「日本人3人目となる表彰台」などあるわけはない。スポーツ紙ならばルールに基づいた正確な記事を書いてもらいたいものである。

 さて、53周目にピットイン後にコースに戻った時には9位のポジション。さすがに郷秋<Gauche>もこのままレースを終えるのだろうなと思ったのだが、昨日のバレンシア市街地コースにおける二番目に大きなドラマはこの後に起こることになったのはご存知の通り。

 残り1周でアロンソを、最終周の最終コーナーでブエミをオーバーテイクしたのは、アロンソとブエミが40周走ったタイヤであったのに対して小林がフレッシュタイヤであった事を割り引いても、大殊勲。片山右京氏もF1の世界にもイチローや石川遼に匹敵する日本人ドライバーがついに現れたと、激賞していたなぁ。

 大きな期待と共にフルシーズンドライバーとして登場した小林も、マシンの戦闘力の低さや自身の経験不足から期待はずれのままシーズン半ばに差し掛かり、ここで結果を出さなければ2011年のシートが危ないと云うところに来ての大アピール。国際映像が小林のピットインをヘリのカメラで捉えるなど注目度も抜群。更に二週間後のシルバーストンで、バレンシア市街地コースでの7位がフロックではなかったことを自ら証明することができれば、2011年のシートも安泰となることだろう。


 例によって記事本文とは何の関係もない今日の一枚は、24日にもご覧頂いたすみよしの森の紫陽花。
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